「これからの図書館の在り方検討協力者会議」（第8回）配付資料［資料3］

研修の体系化に関する意見

研修やリカレント教育が、体系化、組織化、理論化されていない。
司書として採用された後の計画的な教育環境が整備されておらず、長期的な視点でのキャリアアップができていない。
司書という資格を活かす場、年齢、ライフサイクルが多様化されていることを視野に入れつつ、司書の養成・研修を考えていかなければならない。キャリアデザインという視点が重要である。複線系のモデルを考える必要がある。
図書館情報学以外の分野をどの段階でどのように学ぶのか。
非正規職員は、雇用期間が非常に短期であることから、専門性が一定のレベルから向上しない。体系的、組織的、かつ反復的な研修の実施が必要である。

研修内容に関する意見

図書館への就職後に専門職として如何に育てるかという視点が重要である。
地方分権の考え方や、地域の中での図書館の役割などを学習すべきである。
図書館以外の分野についても学習することが重要である。
新規採用職員に対する研修では、図書館の位置付けと役割、職員としての心構えなどを学習することが必要。
役職に就くと、人事管理や労務管理、業務調整・管理等も大きな比重を占めるようになる。企画力、ボランティアや行政機関・専門機関とのコーディネート能力、利用者や自治体、マスコミ、地域全体に対してアピールしていく広報力も必要である。
図書館の改革を進めるためには、旧カリキュラムで学んだ職員の再教育が必要である。
旧カリキュラムで学習した図書館職員が、司書講習・課程の新設された科目を履修できるように配慮するとともに、履修するように勧める運動を図書館関係者が行うことも考えられる。
研修の効果を上げるためには、試験やレポートが必要である。
様々な研修プログラムがあるが、養成（資格取得）段階での教育内容に対応したものとなっていないため、整理する必要がある。

研修の評価に関する意見

その他

書庫出納、書架整理、貸出返却などの資料に触れる作業経験を通じて、自館の資料について知り、その使われ方、利用者ニーズについて学んできた。外部委託や非常勤化が進むことにより、職員にこうした機会がなくなってしてしまうという懸念がある。
従来の研修会は、研修を主催する図書館や講師の負担が大きいこと、試験やレポートを課せられないこと、1つのテーマにつき1時間半から2時間程度しか当てられないことなどから、十分な効果を得にくい。
専門職としての意識が低く、自発的に自己研修を行わない有資格者も少なくない。
非常勤職員（派遣、指定管理者等）の研修は、本来、委託業者の責任で行われるべきである。

図書館職員の研修に関するこれまでの主な意見（検討のための参考資料）