準学校法人の認可基準の解釈および運用について


昭和35年5月26日文管振第207号
各都道府県知事あて文部省管理局長通達

 準学校法人の認可基準については、昭和25年3月14日付け文部事務次官通達文管庶第66号(私立学校法の施行について)により通達されていますが、従来、この認可基準の解釈および運用が区々に行なわれていた向きもあったので、このたび、この認可基準の解釈および運用について別紙のとおり定めましたから、今後、準学校法人を認可する場合には、これによって措置されるよう通達します。
 なお、従来、準学校法人が設置する各種学校については、譲渡所得税や贈与税の課税に関して税務当局との間に問題もあったので、この認可基準の解釈および運用を定めるにあたっては大蔵省とも協議した結果、原則としてこれに従って設立され、かつ、運営される準学校法人に対する各種学校のための財産の贈与または遺贈については、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第40条第1項の規定の適用を受けることができる贈与または遺贈に該当するものとして意見の一致を見ました。
 したがって、これまでの経過等にかんがみ、この認可基準の解釈および運用については適正な執行を図られるよう万全を期してください。
 また、各種学校を設置するその他の公益法人でこの認可基準に適合して設立され、かつ、運営されるものに対する各種学校のための財産の贈与または遺贈についても、準学校法人の場合と同様に措置される見込みでありますので申し添えます。



別紙

 準学校法人の認可基準の解釈および運用方針

1  法人の資産について
 基本財産(私立学校法施行規則(昭和25年文部省令第12号)第3条第2項の規定するもの)
(1)  次の施設及び設備又はこれらに要する資金を有すること。
 施設
(イ)  校地(校舎敷地、屋外運動場、実験実習地等)
(ロ)  校舎
 校地及び校舎の面積は、学校の種類及び生徒数に応じて相当のものであること。
 設備
(イ)  教具(教育上必要な機械、器具、標本、模型等)
(ロ)  校具(教育上必要な机、腰掛等)
(2)  基本財産は、原則として負担付(担保に供せられている等)又は借用のものでないこと。ただし、特別の事情があり、かつ、教育上支障のないことが確実と認められる場合には、この限りでない。
 運用財産(私立学校法施行規則第3条第2項に規定するもの)
 運用財産としては、学校の種類、規模に応じて毎年度の経常支出に対し授業料、入学金等の経常的収入その他の収入で収支の均衡が保てるものであること。
2  その設置する各種学校が次の基準を充していること。
 修業年限は1年以上、授業時数は1年680時間以上であること。
この場合
(1)  この要件は、当該学校の臨時的または附随的な課程を除く課程について該当することを要すること。
(2)  「修業年限」は、一定の時期に就学し、修了することとなっており、かつ、学則で定められていること。
(3)  授業時数については、学則で定める教育の内容に従って組織的系統的に計画されている時数が1年680時間以上であること。
 生徒定数は、80人以上であること。
この場合
(1)  「生徒定数」は、学則で定める収容定員のうち1の要件に該当する各課程において同時に収容する生徒の収容定員の合計とする。
 生徒定数に応じ相当数の専任教員を有すること。
この場合
(1)  「専任教員」とは、もっぱら当該学校に勤務して教育に従事する者(助手およびこれに類する者を除く。)をいう。
(2)  専任教員の数は、各種学校規程の趣旨にかんがみ、特別の場合(たとえば、国語、数学等おおむね講義による科目を主として教授する課程である場合)を除き、おおむね生徒定数40人につき1人以上であること。ただし、昼夜の課程をおく場合は、これらの課程の間において兼務とするもさしつかえない。
 学校の経営が営利企業的でないこと。
この場合
 「営利企業的でない」とは、公益法人として適正な経理および運営が行なわれ、営利的な仕組みとなっていないことをいい、少なくとも、次の要件をみたしていることを要するものとする。
(1)  当該法人が生徒から経常的に受け入れる授業料その他の金額の総額は、教職員の給与、研究費および共済組合等の掛金、生徒諸費(支給教材費およびこれに関連する費用、支給奨学金およびこれに類する費用、生徒の保健費および福利厚生費ならびに生徒の娯楽運動に要する費用をいう。)ならびに教育用備品費(図書費、教具費および校具費をいう。)の総額のおおむね1.5倍相当額の範囲内であること。
(2)  財産の寄附者、役員および管理的地位にある職員の各々について、その者ならびにその配偶者および三親等内の親族(以下「特定の者およびその関係者」という。)が当該法人から受ける給与(本俸のほか、手当、賞与等を含み、実費弁償費を除く。以下同じ。)その他の金品の合計額は、当該法人が教職員その他の者(校務を担当する常勤の役員を含む。)に対して支給する給与・報酬の総額のおおむね2割(その額が特定の者およびその関係者以外の常勤の教職員の平均給与の月額の3倍(特定の者およびその関係者である校務を担当する常勤の役員または教職員が2人以上の場合は4倍)に相当する額よりも低い場合は、当該額とする。)の範囲内であること。
(3)  校長その他教職員としての勤務に対する給与を除き、校務を担当する常勤の役員以外の役員は、その地位について報酬(給与に準ずるものに限る。)を受けないこと。
(4)  学校の施設には教育目的以外の目的のために継続的に使用される施設(財産の寄附者ならびにその配偶者および三親等内の親族が居住その他の用に供しているもの等)が含まれていないこと。

(生涯学習政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室)

-- 登録:平成21年以前 --