家庭教育支援手法等に関する検討委員会(第3回)議事概要

日時

平成27年11月27日(金曜日)18時00分~20時00分

場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

出席者(敬称略)

委員

相川良子、岩金俊充、川口厚之、西郷泰之、廣末ゆか、松田恵示、水野達朗、森田知世子、八並光俊、山野則子、渡辺顕一郎

オブザーバー

田村厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室長、伊藤厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課少子化総合対策室室長補佐

文部科学省

德田大臣官房審議官、高橋男女共同参画学習課長、枝家庭教育支援室長、塚田家庭教育支援室室長補佐、今村幼児教育課課長補佐、他

議事概要

(1)岩金委員、松田委員、厚生労働省より発表

(2)質疑
○ 山口県のスクールソーシャルワーカーによる家庭訪問支援の現状について、スクールソーシャルワーカー自身の心理的なケアも必要になってくると感じているが、どのようなケアをされているのか。

○ 6割ぐらいの市町で毎月1回定例会議を開いており、各スクールソーシャルワーカーが自分のケースを相談した後に困難ケースについて検討するなどしている。

○ 今までの家庭教育支援は、義務教育終了後に関して手薄だと思う。義務教育までとその後では不登校の原因や状況等が異なり、サポート方法も異なってくると考えられるので、その点の分析を行えるとよい。

○ 単に不登校というだけではなくて、経済的困窮、ネグレクトというような、生活問題が背景にありそうなケースが結構多いかと思うが、その点をスクールソーシャルワーカーとして意識しターゲットとして捉え支援がされているのか。またそういうケースをどのように予見し、支援に結びつけているのか。

○ 不登校と家庭の問題は関連していることが多く、そこまでやらざるを得ない。ケースの発見は、教育委員会と学校からの情報提供の場合が多い。

○ スクールソーシャルワーカーによる家庭訪問の効果として「学校が社会資源の使い方を知った」ということがあるが、例えばどういう資源か。

○ 例えば教育センターや意欲ある民生委員の活用の仕方であるとか、警察が家庭内暴力にも来てくれるといったことが、連携しながら分かってくる。学校だけで背負う負担感の緩和につながる。

○ 逆に言えば、それだけ学校の教員には、地域、学校の外にどんな資源があるかということについてはよく理解されていない。教員にも抵抗感があるのか。

○ 教員は多忙の上、対応が必要なケースも多い。保護者対応は教員の仕事ではないと認識されていることもあるし、教員が疾患を抱えていることや、保護者とのトラブルに恐怖感を持っている場合もある。

○ 関係機関と学校をどうつないでいくか。荒れた学校を収める校長は家庭へ行くという。家庭と地域とがつながって、学校が落ち着き、子供を立て直していくということが多いので、家庭への働き掛けというのは本当に重要と感じる。

○ 乳幼児家庭全戸訪問のガイドラインは訪問員にどのように活用しているのか。

○ 訪問員は専門職ではない場合もあり、一定の研修を実施しているが、その中で活用されているはず。

○ ケース管理において共通のカルテや台帳を作成されると思うが、例えば連携して動くときに、情報の開示や使用に関して個人情報保護の観点から問題は生じないのか。

○ ある程度虐待のリスクが高い家庭というものについてはケースで管理し情報共有の必要があると考える。個人情報保護の関係は、要保護児童対策地域協議会で情報共有を行う場合については守秘義務がかかるため、協議会の範囲内では個人情報が共有されるよう法的位置付けがある。

○ 家庭教育支援チームを作るときも、情報の共有が問題になる場合が多い。東京都の議論でも、例えば中学から高校へ情報を共有させたいという趣旨で、カルテのようなものの活用が話題にはなるものの、個人情報の保護の関係からその範囲が限られてしまう。

(3)訪問型家庭教育支援手法の調査研究について山野座長、西郷委員、渡辺委員より中間報告

(4)質疑、意見交換
○ 家庭教育支援チームの在り方については、コミュニティの協働が大きなキーワード。大切なのが住んでいる自治体でどうつながっていけるのかということ。困難な状態や孤立化している状態というのは、自治体のコミュニティの中でなければ見えない。そこに対して、情報誌を全戸配付で届けることは非常に大きな効果があると思う。必要な記録の取り方やアセスメント手法等が検証されてチームの中に取り入れられれば非常に役に立つ。

○ マニュアル化の前に、ある程度地域の類型化のような議論、組織化の議論があって、次は訪問型支援のマニュアルとして、子供や家庭のアセスメントをした上での類型化ができるとよい。今回いろいろな事例を見て、是非もう少しデータを集めていって、実際に組織化をしていく基礎自治体の教育委員会等がもっとやりやすくなっていけばよいと考える。

○ 家庭教育支援チームは、専門性の高いところもあれば、本当に地域の人がやっているという非専門性のところもある。地域の人であるが故に個人情報の守秘が難しい問題であるということをいつもチーム員とも相談しており、その辺をどのように徹底していくかが課題。

○ 専門職と非専門職との垣根を超えたやり方というところをこれから作っていく必要がある。

○ 現場で取り組んでいる方に、全戸訪問という道がいいのか、それとも全戸訪問までしなくてもいいのか、御意見を頂きたい。

○ 可能であれば全戸訪問が望ましいと考えるが、地域の規模があるので、どこまでできるかという問題はある。ただ、訪問の回数や規模など、工夫できる部分もある。

○ 全戸訪問が望ましいと考えるが、なかなか難しい。新興住宅地も多いので、共働き世帯の場合は訪問が夜になったり、朝早くなったりということに対するチーム員の負担も考慮する必要がある。今、4か月健診時や就学時健診時にワークショップを行うなど、より多くの保護者と顔を合わせる機会を作っており、その中で本当に支援が必要と思われるところに接点が見つけられたらよいと感じている。

○ 全戸訪問の有意性は感じている立場である。第1に、カモフラージュ、ハードルを下げるということと、第2に、未然予防の観点で訪問者が問題に気づいて対応ができるという点、第3に、全戸訪問することでその地域の家庭教育に対する機運を高めていくという効果があると思う。ただ、予算面で、自治体の規模によってなかなか厳しいところがあるので、今私がいろいろアイデアとして出しているのは、例えば10万都市であれば、小1のみの全戸訪問をして、小2から小6等はスポット対応にする等、柔軟な対応をするということ。

○ 住民との協働、コミュニティの協働というあたりが、この支援チームのポイントであり、核であるところ。それを踏まえ、これから調査結果をまとめていく。

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室

(生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室)

-- 登録:平成28年02月 --