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中高生を中心とした子供の睡眠習慣に関する科学的知見の整理分科会(第2回)議事概要

日時

平成26年11月25日(月曜日)10時00分~12時00分

場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

出席者(敬称略)

委員

田中秀樹、原田哲夫、福田一彦

文部科学省

藤江男女共同参画学習課長、枝家庭教育支援室長、塚田家庭教育支援室室長補佐

事例発表者

前田勉(NPO法人里豊夢わかさ理事長)

議事概要

(1)事務局より、資料2-1から2-3(睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等の関係性に関する調査)、資料3(平成27年度生活習慣づくり支援に関する概算要求)、資料4-1から4-4(第2回中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会の検討状況)について説明。

(2)子供たちの生活リズム向上への取組についてNPO法人里豊夢わかさの前田理事長より事例発表。

(3)事例発表に対する質疑。
○ 発表にあった、部活動やスポーツ少年団などの活動が子供の生活時間を後ろ倒しにしているというのは私も常々懸念しているところである。子供が夜更かしになっているのは保護者に責任があると考えがちで、もちろん保護者の意識を変えることで改善できることもあるが、子供が夜更かしになる要因はそれだけでなく、子供たちを取り巻く大人が気をつけなくてはいけないことなのだと理解してもらう必要がある。

○ 昔は、特に睡眠に関する知識はなくても、普通にそれができていたし、何の問題もなかった。しかし、現代社会はそうではなくなってきている。大人に対してもどのように啓発していくかということが課題である。
生活習慣というのは、小学校4年生まででほとんど決まると感じている。それ以上になると、子供たちの反抗心が強くなりなかなかうまくいかないため、それまでに基本的な生活リズムをきちんと身に付けさせる必要がある。
   ところが、保護者会や講演で幾ら訴えても、必要と思われる家庭はその場に来てくれない。そこで、今年度からは、教育委員会の協力を得て、全員が参加する就学時健診の機会を利用して、睡眠や生活リズムの大切さについて説明した。

○ 我々研究者は研究で分かったことをなるべく実践につなげたいと思っていても、なかなかそれができない。研究と現場をつなぐインターフェースの役割が必要だというのを、発表を聞いて改めて感じた。

○ たしかに、科学的知見から助言できることはたくさんあるし、数週間で学生の習慣を変えるようなテクニックは研究者にはあるが、それをフォローアップして維持していく人材や、問題を抱えた学生に寄り添えるサポーターというのは不可欠である。

○ 私は現在、1年間に延べ2,000人以上の睡眠チェックシートを確認して、一人一人にコメントを書いて返している。前年度の結果までさかのぼって比較しながらの作業であるため、コメントを記入するだけで一人あたり平均5~6分はかかっている。私一人の作業では限界があるため、現在、コーディネーターを育てて、自分が手を引いた後も活動が継続していく取組を行っている。
   一般の人が学校の中に入り込むというのはなかなか難しい部分があるため、養護教諭のような学校の中にいる人材をコーディネーターとして養成することがキーになると考える。

(4)事務局より資料7(普及啓発資料の骨子案)、資料8(指導者用資料の骨子案)について説明。
○ 中高生及び保護者向けの普及啓発資料と指導者向けの参考資料、睡眠チェックシートを検討委員会のアウトプットとして考えている。普及啓発資料の内容としては、体内時計の仕組みや、体内時計のリズムの乱れが心身に与える影響などの科学的知見をベースとしながら、Q&A形式などを取り入れ中高生に興味を持って読んでもらえる資料を目指したい。中高生及び保護者向けの普及啓発資料と指導者向けの参考資料に盛り込むことが考えられる事項を資料6、資料7としてお配りしているので、科学的な根拠に関する部分を中心に御意見をいただきたい。

(5)討議。
○ 睡眠時間の国際比較などのデータは、インパクトもあるし分かりやすいので、指導する先生方が、子供たちに睡眠の大切さを説明するときに、すぐにコピーして使えるだろう。このような指導者にとって使いやすいデータを資料の中に盛り込めるとよい。

○ 指導者用資料には最新の科学的知見を掲載するにしても、中高生と保護者用の資料については、小難しい内容になると敬遠されてしまうので、キャッチコピーのような短い文章で簡潔に伝えることが重要。

○ 海外の論文を含めた科学的エビデンスの紹介も必要だが、具体的な改善方法が書いてあるような一般の方でも読みやすい本も併せて紹介してはどうか。
   体系立てて道筋をつけてあげれば、指導する先生方が、いざというときに、むやみやたらに本を引っ張ってきて読むということをしなくても済むようになる。

○ 睡眠チェックシートの使用方法等については、せっかく作っても、難しいから利用されないということにならないように、事例などを交えてわかりやすくする工夫が必要である。

○ 例えば、平日は決まった時間に寝起きしているが、週末に長く寝ている子供の睡眠表を示しながら、一見問題ないように見えても、土日に睡眠の不足を補っている慢性的睡眠不足の状態だといったように説明できるとわかりやすいだろう。

○ チェックシートについては、本当に必要な項目以外は全て削り、いかにスリム化するかが大事である。大切なのは、子供たち自身が、自分の睡眠状態をチェックし振り返る場を設けることである。そのため「ふりかえり」の欄を設けている。
   私が現在実施している睡眠チェックシートについては、学校の先生方と何度も話し合って改訂を重ねたものであるので参考にしてほしい。

○ 資料の構成の話だが、我々は睡眠が大事だ、リズムが大事だという前提でやっているが、まだまだ一般的な話ではなく、まずは興味をもって読んでもらうことが大事。
   体内時計のメカニズムなどの基礎的知識も重要だが、冒頭に睡眠習慣が心身へもたらす影響やメリットの部分を持ってきて、読む人の興味を引くのがよいだろう。

○ 資料6の12ページの気を付けるべき生活習慣の中に、「昼寝は午後3時まで」と書かれているが、たとえ午後3時まででも時間が長ければ夜間睡眠に影響があることは明らかなので、誤解を与えないように、20~15分以内というように長さについての情報を加えた方がよい。

○ 夜更かしをすると一番ダメージを受けるのが、脳の前頭前野であるといわれているが、そのことについても普及啓発資料に盛り込んではどうか。
   極端な話だが、前頭前野が壊れている人は、目の前の100円と1時間後の500円のうち、目の前の100円を選ぶ。この話を中高生にすると、びっくりするが、君たちが今ゲームばかりしているというのは、それと同じで目先のことしか考えていないということだと言うと、真剣に話を聞いてくれる。

○ 前頭前野は、想像力や感情コントロール、人の気持ちを推し量る能力、推理、判断、決定など、人間として重要な力をつかさどっている。前頭前野は高校卒業くらいまでに完成するが、前頭前野の適切なネットワークが形成されることは、偏差値だけの話ではなく、人として賢い人間をつくることにつながる。そのためにも睡眠が大事という話が、大きなコンセプトとしてあってもよいだろう。

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室

(生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室)

-- 登録:平成26年12月 --