自主グループ講師派遣(川崎市)

自主グループ講師派遣

1  自治体・団体名: 川崎市

2  自治体・団体の概要
 核家族化,少子高齢化などの社会変化の中で,家庭教育の直接の担い手である保護者が,子育てや子どもの理解について確かな知識と考えをもつことは難しくなってきており,身近な地域で子育てや家庭教育について学べる場づくりが必要となっている。
 そのような中で地域で自主的に活動しているグループへの支援はますます必要となってきており,地域の子育て環境整備の施策として,市民自らが組織する学習活動の支援を積極的に展開していくことが求められている。

3  地域の特徴
 川崎市においては,社会や地域の課題の解決に取り組んでいる自主グループ活動の支援の一環として,「自主グループ講師派遣」事業を行っている。
 この事業は,子育てや家庭教育を始めとした地域課題の解決に取り組んでいる自主グループが学習会等を開催する際に,講師謝礼の助成を行うもので,1回5千円または1万円を年2回まで申請することができる。
 自主グループ支援のためには,学習内容の深化,発展やグループの自立化を目指していく必要があり,グループの状況にあわせた各種の支援を行う必要がある。この制度は,人数の少ないグループや活動を始めたばかりのグループでも利用がしやすく,学習をより深めていくことができる。

4  連携の取組状況
1 連携にいたるまでの経緯等
 昭和50年の国際婦人年を契機として,社会参加や学習する女性が増加した。そうした女性達が自主グループをつくり,地域の集会所や会員宅および各区にある市民館(公民館)などを拠点として子育て,女性の自立,環境問題など多様な課題についてグループで学習するケースが増え,活動の援助を求める声が出てきた昭和54年度,「成人自主グループ育成指導者派遣」事業としてスタートした。平成5年度には「生涯学習指導者派遣」,平成15年度に「自主グループ講師派遣」と事業の名称は変わったが,継続して地域の自主的なグループの支援に寄与している。

2  連携した取組の具体的内容・方法・実施状況
 申請ができるグループは,地域で自主学習を進めている地方公共団体等から補助金や助成金,会場使用料等の減免等を受けていない概ね10名以上の成人のグループで,地域で実施される社会や地域の課題解決に向けた学習活動に対して2年を限度として支援を行っている。ただし,営利目的のものやスポーツ,レクリエーション,趣味等の活動は対象外とした。
 グループ活動を運営していくためには費用がかかる。メンバーが少なければその分ひとりひとりの負担は多くなってしまう。この事業では昭和54年度当初は対象となるグループを「15名以上のグループ」としていたが,現在は「10名以上のグループ」と改められ,助成を必要とする,より少人数のグループも利用することができるようになった。

3  連携した取組の成果
 平成17年度に申請をした団体12団体のうち,家庭教育・子育てに関する活動を行っている団体は5団体であった。例年,家庭教育・子育てに関する学習を行っているグループからの申請が多く,市民館だけでなくこども文化センターや生涯学習プラザ等公共施設で活動をしているグループもあり,地域の様々なグループへの支援となっている。
 また,この制度を利用したグループが,家庭教育にかかわる諸問題を取り上げ,市民自らが企画・運営する「自主グループ家庭教育学級」を市民館(公民館)と協力しながら実施するなど,活動に広がりが見られるグループもある。

5  今後の方向性や展望
 この事業は家庭教育にのみ関わる事業ではないが,子育ての孤立化を防ぎ,仲間づくりを進めるなど,地域の家庭教育・子育て支援に一定の役割を果たしてきた。核家族化が進む今日では子育て中に負担や孤独を感じる保護者は多く,子育てに必要なサービスとして子育て中の親同士の仲間づくりを求める声は多い。同じ子育て中の親同士が互いに学び合い,支え合う地域づくりのためにも今後も積極的に進めていく事業である。さらに学習や地域づくりを進めていくためにも,情報の提供など職員のサポート体制を整えていくことも更に重要となってきている。

6  担当者連絡先
 川崎市教育委員会生涯学習推進課
 〒210-0004 川崎市川崎区宮本町6
電話  044-200-3304   FAX  044-200-3950

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-- 登録:平成21年以前 --