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【小学校・地域住民との交流および自然・文化に関わる体験活動】
「自ら学び,たくましく生きる子どもの育成」
和歌山県古座川町立高池小学校

学校の概要
1  学校規模
学級数:7学級(内特殊学級1学級)
児童数:74人
教職員数:11人
活動の対象学年: 5年生・9人
6年生・12人
2  体験活動の観点などからみた学校環境
人口3,700人,65才以上が占める割合42パーセントの典型的な過疎化・高齢化が進む町にある。学校周辺には,役場,中央公民館等があり,町の中枢部を形成している。
町の中央を清流古座川が流れ,面積の約96パーセントが森林という緑豊かな農山村であるが,自然を利用した遊びや体験は,少子化による異年齢集団の弱体化とともに,その機会が少なくなりつつある。
 地区住民は教育熱心で,学校教育に対し非常に協力的であり,校外学習の受け入れや学校行事への参加など,多大な支援をいただいている。
3  連絡先
〒649-4104
和歌山県東牟婁郡古座川町高池746
電話:0735-72-1556
FAX:0735-72-1562
電子メール: takaike@za.ztv.ne.jp
体験活動の概要
1  活動のねらい
緑豊かな農山村の自然環境を生かした体験活動を通して,自然環境を大切にし,郷土を愛する心情を育てる。
近隣の学校間の交流を深めることにより,同世代の連携や協力,心の交流を深め,高齢者や地域の人々との交流を通して,思いやりの心,感動する心,ねばり強く行動する気力を身に付ける。
2  活動内容と教育課程上の位置付け
ボランティア等社会奉仕に関わる体験活動
(特別活動4単位時間,総合的な学習の時間6単位時間)
自然に関わる体験活動
(特別活動12単位時間,総合的な学習の時間19単位時間,理科6単位時間,図工8単位時間)
勤労体験学習と交流活動
(特別活動7単位時間,総合的な学習の時間17時間,社会科5単位時間)

1 活動に関する学校の全体計画
 活動のねらい
 自然あふれる身近な地域を舞台に,五感を駆使した体験活動,ボランティア活動への参加及び地域住民との交流を通して,郷土に伝わる生活の知恵を習得し,自分で考え判断し表現する力,課題を解決する力を育成する。

 全体の指導計画
活動名 学年 活動内容 教育課程上の位置付け 期間
水泳場クリーン作戦 6 水泳場河川敷の清掃 特活 6月4時間
校区内クリーン作戦 校区内の道路・河川敷等の清掃 総合 通年9時間
山菜採りと山菜料理 5 イタドリ・ワラビ等の採集,調理 総合 4月3時間
昆虫飼育と観察 カブトムシ・クワガタの飼育,観察 理科,総合 4〜7月3時間
地域探検 今まで気づかなかった町を発見 総合 4〜7月6時間
水生生物の観察 古座川に生息する生物の観察 理科,総合 4〜7月3時間
ふるさと料理 学校菜園で栽培した野菜で郷土料理 総合 11〜12月3時間
自然物からアート 間伐材や流木を利用して工作 総合,図工 10〜1月3時間
漁の実践と工夫 伝統漁法の仕掛け作りと魚の捕獲 総合 4〜9月3時間
林間学校と星空観察 キャンプで星座の観察 特活,理科 夏季休業10時間
わら細工 実習田で栽培した稲のわらを細工 図工 10〜1月3時間
親子ふれあい教室 親子で和紙を使って工芸 特活 7月1時間
古座川町展への参加 図工作品の出品,見学 特活 11月1時間
稲作体験 6 もみ蒔,田植,除草,稲刈,脱穀 総合,社会 4〜10月8時間
餅つき会 収穫した餅米で餅つき 特活 2月3時間
花作りと野菜作り 花壇・学校菜園で花と野菜の栽培 総合 通年7時間
学習発表会 地域の人々を招待し学習の成果を発表 特活 12月4時間

2 活動の実際
【事例1「校区内クリーン作戦−古座川環境警備隊−」】
○ 事前指導
(1)  動機づけ・意識づけ
 4年生の時から取り組んできた校区内の清掃作業も3年目を迎え,児童の環境問題への関心も深まりつつある。
 今年度も,身近なゴミ問題について話し合い,さらに地球規模の環境問題について考えられるよう意識づけを図る。
(2)  留意点の確認
 活動を実施する際のルールや安全面など,留意点について話し合う。
古座川環境警備隊の写真

○ 活動の展開
(1)  活動目標
 ふるさとをきれいにし,守ろうとする気持ちを育てる。
(2)  教育課程上の位置付け及び関連する教科、領域
 総合的な学習の時間を中心に,国語科、社会科、図画工作科及び道徳の時間と関連させて活動する。
活動発表の写真
(3)  活動内容
1  地域清掃
 隔月2つのグループに分かれ,校区内の通学路や河川敷で空き缶・ゴミの収集活動を実施している。子どもたちにとって,自分たちの町をゴミのないきれいな町にすること,さらにボランティア活動の意義について考える機会となっている。
2  ポスター制作
 一人1枚ずつ環境美化を呼びかけるポスターを制作し,校区内の公共施設や事業所など6カ所に掲示している。自分たちの活動を再確認するとともに,地域の人たちへの広報活動にもなっている。
3  紙芝居づくり
 3年間の総まとめとして,活動の内容に一部フィクションを加えて,創作紙芝居『ちりも積もれば山となる』を制作,和歌山県立図書館主催「手作り紙芝居コンクール」に出品・上演し,奨励賞を受賞した。活動のあしあとをふり返り,達成感を味わうとともに,今後の取組への決意を新たにする場となった。

○ 事後指導
 コンクールの後,全校集会で紙芝居を再上演するとともに,一人ひとり感想と意見を発表し,校内での美化運動推進を呼びかけた。また,同じように活動の成果を紙芝居にまとめている学年もあり,まとめ方・発表の仕方について学ぶ機会にもなった。


【事例2「稲作体験−米米クラブ−」】
○ 事前指導
(1)  動機づけ・意識づけ
 昨年度体験した稲刈りについて思い出し,農家の方の苦労について話し合うとともに,毎年恒例の餅つき会でつく餅米を自分たちで作ることを確認しあう。
(2)  事前学習
 実習田を提供していただく農家の方をゲストティーチャーとして招き,米の種類・肥料・育て方など米作りについてお話を聞く。

○ 事前指導
(1)  活動目標
 米作りを通して,ふるさとの自然・文化・社会・人々と関わりをもち,それらのすばらしさを体感する。
(2)  教育課程上の位置付け及び関連する教科・領域
 総合的な学習の時間・社会科を中心に,国語科・理k科・家庭科と関連させて活動する。
(3)  活動内容
1  もみ蒔・田植え
 農家の方の指導で,用意していただいた苗床にもみを蒔き,校庭の一角に育苗トンネルを作り,生長を観察しながら苗になるまで育てた。〔もみ蒔〕
 実習田で,農家の方から田植えの仕方・留意点についてお話を聞いた後,一斉に苗を植えていった。ぬかるみに悪戦苦闘しながらも楽しく活動した。〔田植え〕
  田植えの写真
2  稲刈り・脱穀
 苗の観察と除草作業をしながら収穫の時期を迎え,農家の方から稲の刈り方・安全面の指導を受けた後,かまで稲を刈り取った。刈り取った稲をたばね,乾燥させるためのサガリ(稲架)に架けていった。どの子の顔にも収穫の満足感が見て取れた。〔稲刈り〕
 現在使われている脱穀機と昔使われていた千歯コキを使って,脱穀を体験させていただいた。千歯コキでの作業は大変で,昔の農家の苦労を実感できたようである。〔脱穀〕
  脱穀の写真
○ 事後指導
 稲の生長の観察記録を整理するとともに,農家の方の苦労や喜びについて話し合う。また,自分たちで作った餅米を使う餅つき会について計画を立てる。

3 体験活動の実施体制
 学校支援委員会
 児童の体験や経験は地域の人々との関わりの中で深まっていく。その意味で,地域の人々の支援は必要不可欠なものとなる。そこで,「学校支援委員会」のメンバーとして区長・老人会長・婦人会長に入っていただき,活動計画・内容について助言していただいている。
 町内小中学校・関係機関との連携
 町内の小学校間との交流学習の中で体験活動に関する情報の共有化を進めている。また,行動範囲が広い活動では,教育委員会を通じて他校のスクールバスを借り上げ,児童の移動に利用している。調べ学習などでは,隣接する中央公民館をよく利用している。

4 体験活動の評価の工夫と指導の改善
 評価の方法については研究中の段階であるが,各担任が独自に観察記録簿を作成し,児童の活動の様子について記録している。また,活動の後には「ひと言感想」など作文を書かせたり,絵で表現させたりすることで,子どもの学びの広がり深まりを評価している。さらに,その結果を現職教育で提案し,全職員の共通理解を図るとともに指導方法について協議している。

5 活動の成果と課題
 体験活動に取り組む中で,いろいろな人々との交流を深め,ふるさとを再発見することができた。また,一つひとつの活動をやり遂げた自信が新たな活動への意欲につながっており,その過程の中で,郷土を愛する心情も強くなっている。
 今後さらに,子どもたちが主体的に関われるような活動を組織すること,教師の支援の仕方とタイミングについて研究すること,子どもたちの学びの広がり深まりを評価する方法を研究すること,家庭・地域との連携・連帯を強化していく必要がある。


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