5‐3‐2 重点領域「興味・関心」を喚起するためのプロモーション手法

  「認知」の促進が国やマスコミからの情報発信が想定されるのに対し、「興味・関心」の促進するを図る上では、地域レベルにおいて、個々人に応じた丁寧な情報発信が必要となる。調査結果を踏まえ、人がどのような経路からボランティアに接触するかを想定したプロモーションが有効と考え、下図の4経路からのプロモーションを行なう。

図表 5_7 中間集団を経由するボランティアの経路のイメージ

図表 5_7 中間集団を経由するボランティアの経路のイメージ

1.趣味・特技を生かしたボランティアの促進

  音楽などのパフォーマンス(学校や福祉施設などの訪問)、ならびにアウトドア活動(自然保護活動)などが想定される。自分の行なっている趣味の活動がボランティアにつながること(ちょぼら)、必要としている人や受け入れる組織が既にあることを伝達することが必要である。

方策案

  • 趣味の雑誌、活動団体など、活動を行なうものの情報源となっている媒体にボランティアのニーズ情報、連絡先などを提供し、その活動がボランティアにつながるものであることを訴求する。
  • 市民講座活動での趣味活動については、当初から受け入れる団体(福祉施設など)と連携し、発表の場を確保することで、参加者の意欲の向上につなげる。
  • 内容によってはマスメディアへの露出を意図したイベント的な活動も考えられる。

2.地域の日常生活の中でのボランティア・助け合いの促進

  ちょぼらを含め日常生活の中でのあらゆるボランティアや助け合いの活動が想定される。地域内に本来多様にあるボランティア・助け合いへのニーズを伝達することが必要である。
  また、特に地方部においては地域の共通課題(例:まちおこし)への意識を高め参加を促す活動もこれに含めて考え、住民の積極参加を促進する。
  人のニーズ情報を見ることにより、自己もニーズを表明しやすくなると考えられ、活動内容については住民の目につくところに発信することが有効である。ただし、一方でプライバシー保護には十分配慮する必要があり、公的機関などによる取り組みが期待される。

方策案

  • 体験活動ボランティア活動支援センターなどがニーズ情報を収集し、大型小売店や駅、アクセスの多いWEB上など住民が日常生活で利用する場所や目につくところで情報提供する。
  • 広報誌などにニーズ情報を掲載する、
  • 地域での共通課題について議論する場を(ネット上も含め)活発化する。
      ※ 個人のニーズ情報におけるプライバシー保護への配慮

3.学校・企業など所属団体を通じたボランティアの促進

  学校での授業、企業での同僚などの体験談をきっかけとしてあらゆるボランティアへの動機付けとなることが想定される。学校では授業に取り上げることにより、次のボランティアのきっかけとなったり、家族への波及も期待される。
  企業の場合は、職業生活の中で培ったさまざまな人材が集積していることは魅力であるが、企業に対するメリットを提示し企業自身の参加を積極化することが必要である。

方策案

学校

  • 体験活動ボランティア活動支援センターなどとの連携による授業での積極化(学校内にボランティアのリーダーを創出)
  • 教職員に対するボランティア講座を開催し、授業の高度化や学校側への意識啓発を図ると共に、体験活動ボランティア活動支援センターなど外部との連携窓口化を図る(外部の人が相談しやすい教師を創出)。
  • 体験活動ボランティア活動支援センター(コーディネーター)は、他地域の優良事例などを参考に連携可能なボランティア内容のバリエーションを広げるとともに、学校に提示し参加を促進する。

企業

  • 企業人に対するボランティア講座を開催し、企業内にボランティアのリーダーを創出する。講座の設定に当たっては、参加者の業務へも好影響のある内容(例:コミュニケーション技術の向上)とすることに配慮し、企業の理解も促進する。
  • 企業の社会貢献活動を、行政もしくはNPOが表彰する。

4.家族を通じたボランティアの促進

  特に巻き込みが困難と考えられる父親層の参加を促進するため、子どもや母親を入り口として家族単位での参加を促進するボランティアイベントなどを行なう。

方策案

  • 体験イベントなどにおいて家族での参加を想定した(子どもの興味を引く)イベント開催に配慮する。
  • 地域が行なう社会学習・体験学習などに父親の参加を促進する

5.マスコミによるPRを通じた意識の底上げ

  マスコミによるPRを通じ意識の底上げを図る。特に帰属意識の低い若年層についてはラジオやオピニオンリーダーの影響力の方が大きいことも考えられ、これらの層への訴求にも配慮する。

方策案

  • 若者に影響力のあるオピニオンリーダーにボランティアへの関心を喚起し、公的な場での発言やチャリティーイベントへの参加・開催を依頼する。
  • マスコミに取り上げられやすいシンボリックなイベントを実施する。
  • 体験活動ボランティア活動支援センター(コーディネーター)が、市民団体や地域のイベントなどにも積極的に参加し、機会を捉えてボランティア情報への接触機会を提供する。
  • CATV、広報誌などにコーナーを設置し、継続的に情報を発信する。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

-- 登録:平成21年以前 --