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【高等学校 複合した体験活動】 豊かな郷土の環境にふれ、郷土を愛する心を育てる 青森県立名久井農業高等学校

  学校の概要

  1. 学校規模
    • 学級数:12学級
    • 生徒数:341人
    • 教職員数:62人
    • 対象学年: 第1学年109人
      第2学年113人
  2. 体験活動の観点から見た学校環境
    • 名川町は、名久井岳の東方にひらけた丘陵地帯に位置し、町の中心部を馬淵川が流れる自然豊かで温暖な気候の町である。
    • 産業は、果樹や野菜を主とした農業が中心である。また、南部手踊り発祥の地で、古くから伝統芸能が盛んな地域である。
    • 近年、少子化が進み、農業離れが目立つようになり、非農家出身の生徒が増えている。生徒の自然体験や農業体験も著しく減少してきている。
  3. 連絡先

  体験活動の概要

  1. 活動のねらい
    • 豊かな郷土の環境にふれ、豊かな人間性を育て、郷土を愛する心を育てる。
  2. 活動内容と教育課程上の位置づけ
      • 時間外総合実習(1単位35時間充当)各科の教科の時間(2~8時間)
      • 活動場所:三戸郡内、八戸市内、本校
    • 社会奉仕に関わる体験活動(10時間)
      〈環境緑化活動〉
      • 地域への草花植栽
    • 交流に関わる体験活動
      (教科の時間※各科による2~8時間)
      〈子どもたちの農業体験学習〉
      • 幼稚園児のリンゴ人工授粉、摘果、収穫、サツマイモ植えの支援
      • 小学生のリンゴ加工の支援
      • 中学生のリンゴ・野菜栽培の支援
    • 文化や芸術に関わる体験活動(10時間)
      〈名川秋祭り参加〉
      • 手踊りの練習、神輿作り
      • 名川秋祭り参加
    • 自然に関わる体験活動(15時間)
      〈鮭の稚魚の育成と放流〉
      • 鮭の捕獲、採卵、授精
      • 鮭の稚魚の育成、鮭の放流

1 活動に関する学校の全体計画

(1)活動のねらい

  豊かな郷土の文化や自然環境にふれ、人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性を育て、郷土を愛する心を育てる。

  • ア 「社会奉仕に関わる体験活動」
    郷土に草花を植え、郷土を愛する意識の高揚と地域社会との好ましい関係作りを推進する。
  • イ 「交流に関わる体験活動」
    本校生徒が農業体験の講師となり、人を思いやる心や正しい勤労観、職業観を身につける。
  • ウ 「文化や芸術に関わる体験活動」
    「名川秋祭り」への参加を通して、郷土の文化に触れ、郷土を愛する心を育む。
  • エ 「自然に関わる体験活動」
    鮭の育成、放流を体験し、郷土の豊かな自然環境及び、生命誕生の神秘と尊厳を体得する。

(2)全体の指導計画

  • ア 実施学年:1学年109名、2学年113名
  • イ 教育課程上の位置づけ:時間外総合実習の中に位置づけ、放課後の活動が主である。
  • ウ 活動内容(時間)

社会奉仕・体験活動 交流・体験活動 文化芸術・体験活動 自然・体験活動
環境緑化活動 子ども達の農業体験学習 名川秋祭り参加 鮭の稚魚の育成と放流
5 環境緑化の日(2)
校内環境整備(2)
郡内花苗の植栽(2)
リンゴ人工授粉(2)    
6   サツマイモ植え(2)
リンゴ摘果(2)
   
7 郡内花壇草取り(2)      
9   野菜管理 (2) 流し踊り練習・神輿作り(6)
秋祭り参加(4)
 
10


花壇残滓片付け(2) リンゴ収穫(4)
野菜収穫(2)
サツマイモ収穫(2)
サツマイモ調理(2)
   
11   リンゴ加工(2)   鮭の捕獲、受精(2)
1       鮭の孵化、育成(4)
2       鮭の育成(6)
3       鮭の育成、放流(3)

(3)学習指導との関連

   「環境緑化活動」では、実習で栽培した花を植栽し実習に目的意識を持たせている。また、「子ども達の農業体験学習」では、生徒の専門性を生かすことで教科の学習の見直しにつなげている。

2 活動の実際

事例1「環境緑化活動」

事前指導

  • ア 学校の緑化を推進し、昭和60年「緑化推進運動功労者内閣総理大臣賞」を受賞した先輩たちの業績を引き継ごうと、生徒代表が全校生徒に呼びかける。
  • イ 環境緑化講演会講演題「国立公園は今!」環境省自然公園指導員小関孝一
  • ウ 事前に環境緑化に関わるスローガンを募集し、環境緑化を身近なものとする。
  • エ 農業クラブ地域分会で、各地域でどういう活動をするのか、話し合いの時間を設ける。

活動の展開

  • ア 校内環境緑化活動
    校内に植樹してある約8千本の樹木の剪定作業や清掃活動を、生徒と全職員で実施した。
  • イ 郡内環境緑化活動
    三戸郡内16カ所の花壇に1万本の花の植栽を行い、夏に草取り、秋には残滓整理を行う。

長老園の花壇に花の植栽
【長老園の花壇に花の植栽】

保育園児とサツマイモの収穫
 【保育園児とサツマイモの収穫】

事例2「子ども達の農業体験学習」

活動の展開

   幼稚園児、小学生、中学生を対象に、本校生徒が各科ごとに講師になり指導する。

  • ア リンゴの栽培(農業科)幼稚園児に、リンゴの人工受粉、摘果作業、収穫を指導する。
  • イ 野菜の栽培(園芸科)中学生にスイカ等の定植、整枝、ジャガイモの収穫等を指導する。
  • ウ リンゴの加工(農芸化学科)小学生にリンゴジュース、リンゴジャム作りを指導する。
  • エ サツマイモの栽培と調理(生活科学科)保育園児にサツマイモの定植、収穫指導。感謝祭。

事例3「名川秋祭り参加」

活動の展開

  • ア 活動の内容
    男子はかつぎねぶた、案山子の作製等、女子は、名川音頭の練習。当日は、開始時刻直前から雨が降り、女子の流し踊りは急遽中止となったが、男子は雨合羽を着て強行した。雨の中、地元の人たちから温かい声援を受け、最後までやり遂げた。
  • イ 指導者、協力者
    名川町人材派遣センターに登録している2名に手踊りの指導をお願いした。

雨の名川秋祭り
【雨の名川秋祭り】

鮭の採卵
【鮭の採卵】

事例4「鮭の飼育と放流」

事前指導

  全校集会を開き、鮭の飼育や放流をする意義について講話を行う。

活動の展開

  学校からおよそ500m離れた場所にある鮭の孵化場を活用する。

ア 活動の内容

  「鮭の捕獲作業の見学、人工授精作業」

  • 鮭の捕獲作業の見学(1日千匹以上の捕獲量)。クラス代表による採卵と人工授精。

  「鮭の孵化、稚魚の飼育、鮭の放流」

  • 発眼卵100個を教室前の廊下の水槽に入れる。水槽は暗くしておく。10日で孵化。
  • 孵化(授精後40日くらい)し、稚魚が水面に浮くようになったら餌をやる。・体長4cmに成長したら放流する。
  • 毎日記録日誌をつける。特に気温と水温。生育数。稚魚の様子。
  • 放流実施日:平成15年3月17日(月曜日)馬淵川孵化場の川沿いで放流する。
イ 指導者、協力者

   鮭の孵化、飼育事業に当たっては、馬淵川鮭鱒魚業協同組合の全面的な支援をいただいた。

3 体験活動のための実施体制

(1)学校と地域の諸団体との連携

   各地域に草花の埴栽をするに当たって、各地域の諸団体と事前に連絡をとり活動を行った。
「JR三戸駅、剣吉駅、八戸駅等各駅」、「名川老人福祉センター」等14団体

4 評価の工夫と指導の改善

   活動ごとに感想文やアンケートを実施し、変容を見る。

5 成果と課題

  (1)成果 地域の美化や環境改善に寄与しているという自信や誇りにつながり、地域民との好ましい関係作りに役立っている。

  • ア 「環境緑化活動」
    地域の美化や環境改善に寄与しているという自信や誇りにつながり、地域民との好ましい関係作りに役立っている。
  • イ 「子ども達の農業体験学習」
    人を思いやる心が育ち、農業を自分のこととして主体的に考えられるようになった。農業教科への学習意欲も向上した。
  • ウ 「名川秋祭り参加」
    若い人が少なくなった地元の祭りへの参加は、地元の方々から大きな歓迎を受け、地元との心の絆が太くなった。伝統ある地域の文化に直接触れ、地域への愛着が増した。
  • エ 「鮭の飼育と放流」
    生命の神秘や尊厳を実感できると予想して取り組んだが、生徒の中には誕生した稚魚に思いを込める生徒もいた。
  • 毎日水槽をのぞいていると、日に日に大きくなっていくのがわかります。その様子を見ているとなんだかうれしくなります。そして、なぜか心が落ち着いてきます。
  • 飼育の途中で死んだ鮭が何匹かいて、残りも死んでしまうんじゃないかって心配になります。残り全部が川に放流する時まで生きていて欲しい。
    (生徒の感想文から)

  (2)今後の課題

  • ア 体験は生徒によって感じ方が多様である。生徒のやりたい内容を事前調査したり、意義付けの指導を徹底するなど、多くの生徒が目標に近づける方法をさらに検討して実施したい。
    イ 学校挙げての推進体制や地域との連携体制を今後ますます強化していく必要がある。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成21年以前 --