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【小学校・勤労生産に関わる体験活動】 「伝えようふるさとの味、環境」を通した体験活動 埼玉県熊谷市立熊谷西小学校

学校の概要
  1. 学校規模
    • 学級数:26学級(内特殊学級2学級)
    • 児童数:793人
    • 教職員数:38人
    • 活動の対象学年:5年生・126人
  2. 体験活動の観点から見た学校環境
    • 熊谷市は埼玉県北部にあり中山道の宿場町として栄え、現在も交通の要衝となっている。人口は約16万人で、米と小麦の二毛作が行われ生産量も多く穀物栽培は重要な産業であったが、年々第3次産業の就業者が増えてきている。平成16年度の国体のメーン会場地である。
    • 本校は、市の中心部の市街地にあり、学区内には市役所等の公の施設や商店、住宅が多い。児童の住まいの近くでは田畑での仕事を見る機会も体験する機会もほとんどない。
      本校ではJRC活動を長く続け、勤労や奉仕を重視した教育を行っている。
  3. 連絡先
体験活動の概要
  1. 活動のねらい
    • 市街地に住み、田畑での栽培を知らない児童が、米作り等の体験をすることで、作物の作り方を知るとともに、作る人の苦労を知る。また、できた作物を有効に活用していく方法について考え、体験し、地域に伝わる料理を学ぶことで、食と農について関心を持ち、地域を理解し愛着を持つ。
    • 校内に芝や芝桜等の草花を植え付け環境整備をしたり、地域の公園を清掃したりする公共のための勤労体験を行うことで、地域を大切にする気持ちを持ち、互いに協力しあうことの大切さを知る。
  2. 活動内容と教育課程上の位置付け
    (単位時間数・日数)
    • 稲作体験活動
      (総合的な学習の時間 18時間)
    • 小麦作り体験活動
      (総合的な学習の時間 2時間)
    • 米・小麦を使ったふるさと料理調理活動
      (総合的な学習の時間 20時間、家庭 2時間)
    • サツマイモ作り体験
      (総合的な学習の時間 4時間)
    • 学校内の花と緑を増やす活動
      (総合的な学習の時間 4時間)
    • 学校周辺や地域の公園の清掃を行う活動(特別活動 2時間)

1 活動に関する学校の全体計画

(1)活動のねらい

  • ア この地域に昔からある食に関心を持ち、米・小麦・サツマイモ作りの体験や、米・小麦を利用した調理を通し、主体的に学び、互いに協力できる児童を育成する。
  • イ 地域の人々とのふれあいを通して、人々の生活に対する工夫や技・心の温かさを知り、地域を理解し愛着をもつ児童を育成する。
  • ウ 校内に草花を植え環境整備をしたり、地域の公園を清掃する勤労体験を行う等、公共のための活動を通して、連帯感を育て、ふるさとを愛し豊かな心をもつ児童を育成する。

(2)全体の指導計画

  • ア 活動の名称 「伝えようふるさとの味、環境」
  • イ 実施学年 第5学年(学校周辺や地域の公園の清掃を行う活動は3~6学年)
  • ウ 活動内容
    • (ア)稲作体験活動
        借りた田とベランダ等に置いたバケツ稲の両方で栽培を行う。
       田植え、除草、稲刈り、脱穀、もみすり、精米を体験する。
    • (イ)小麦作り体験活動
      校地内の畑を使って栽培する。麦蒔き、麦踏み、麦刈りを体験する。
    • (ウ)米・小麦を使ったふるさと料理調理活動
        製粉を体験し、おにぎり、団子、うどん、すいとん、煮ぼうとう、まんじゅう、フライ等の昔からの料理つくりを、地域の高齢者から指導を受け、体験する。
    • (エ)サツマイモ作り体験
        借りた畑を使って、苗植え、除草、収穫を体験する。
    • (オ)学校内の花と緑を増やす活動
        中庭に芝を植え、空き地に芝桜を植え、花壇に草花を植え、花と緑を増やす体験をする。
    • (カ)学校周辺や地域の公園の清掃を行う活動
        3・4年生は学校の周りの清掃をし、5・6年生は市役所脇の中央公園の清掃を行う。
  • エ 教育課程上の位置づけ
      活動内容(ア)~(オ)は、総合的な学習の時間に位置づける。ただし、(エ)の除草は夏休み中ボランティアを募っ て行い、教育課程外である。(ウ)の一部は家庭科の授業として行う。また、(イ)は5年生の内に収穫できないので、6年生になってからボランティアが放課後、教育課程外で行う。(オ)の管理は環境委員会が教育課程外で行う。(カ)は特別活動の学校行事で行う。
      このうち、総合的な学習の時間として取り組んだ(ア)(イ)(ウ)(エ)は、3年社会「私たちの暮らしとものを作る仕事」、4年社会「県の人たちの暮らし」、5年社会「私たちの暮らしと食料生産」、5年理科「花粉のはたらき」、5年家庭科「作っておいしく食べよう」と関連させている。また(オ)は5年理科「花粉のはたらき」と関連させて指導している。
  • オ 期間 平成15年4月から平成16年2月まで 全52時間

2 活動の実際

(1)事前指導

  米・小麦・サツマイモの栽培及びその料理の体験のため、熊谷の農産物について調べ発表し合う時間をとった。各家庭・地域の人に聞いたり、農業普及員を学校に招いて話を聞いた。そして、本校学区には田畑が少ないが、熊谷市は昔から二毛作が普及し穀物生産が盛んな地であり、その料理もたくさんあることを理解させた。また穀物が人類を養ってきた歴史を教え、生産してみたいという意欲を高めさせた。
 また、平成16年度に行われる国民体育大会のメーン会場が本校からほど近い所となることから、来られる方を迎えるために自分たちができることは何かを話し合い、街をきれいにし、花と緑がいっぱいの学校にしたいという意識を高めた。

(2)活動の展開

  • ア 稲作体験活動(総合的な学習の時間18時間)
    • (ア)活動の場や施設学校のベランダや中庭、及び地域の人に借用した田
    • (イ)児童の活動
      • 4月 地域の農産物、米・小麦について調べる。
      • 5月 稲の育て方を調べる。バケツに種籾を蒔く。
      • 6月 借用した田に田植え。
      • 7・8・9月 バケツ稲の水の管理、除草、追肥、観察
      • 10月 稲刈り、一部の稲わらを自分たちで干し乾燥させる。
        脱穀し、もみすり。学習したことをまとめ発表する。
    • (ウ)指導者・協力者
        熊谷市農政課職員、農業普及員、地元のJA支店長、田の地主、地域の農業専門家
      田植えの写真  稲刈りの写真  脱穀の写真
  • イ 小麦作り体験活動(総合的な学習の時間2時間)
    • (ア)活動の場や施設校地内の畑
    • (イ)児童の活動
        6月 前年の5年生が栽培した麦を観察
        11月 麦蒔き 1~2月麦踏み
  • ウ 米・小麦を使ったふるさと料理調理活動(総合的な学習の時間20時間、家庭科2時間)
    • (ア)活動の場や施設校地、家庭科室
    • (イ)児童の活動11・12月
      1. ふるさとの味について調べ発表
      2. 昔から伝わる米・小麦料理に挑戦
        • 米を精米して、おにぎりにして食べる。自分でも精米。
        • 米と小麦を粉にする。木槌や石臼を使って自分でも製粉。
        • 団子、うどん、すいとん等の料理を作って食べる。
      3. ふるさとの味の発表会を行い、レシピを作成する。
        製粉している写真  料理を作っている写真
    • (ウ)指導者・協力者
      児童の祖父母、地域の敬老会員
  • エ サツマイモ作り体験(総合的な学習の時間4時間)
    • (ア)活動の場や施設地域の人に借用した田
    • (イ)児童の活動
      5月 サツマイモ苗植え
      6~8月 ボランティアによる除草 10月 収穫
    • (ウ)指導者・協力者地元のJA支店長、地域の農業専門家
  • オ 学校内の花と緑を増やす活動(総合的な学習の時間4時間)
    • (ア)活動の場や施設 学校内で地域の人たちにも外から見える花壇等
    • (イ)児童の活動 4~5月,10月に各2時間ずつ芝や草花等を植え、花と緑を増やす。
  • カ 学校周辺や地域の公園の清掃を行う活動(特別活動2時間)
    • (ア)活動の場や施設 中央公園
    • (イ)児童の活動 毎月行われているJRCクリーン活動の日に合わせ、学級ごとに順番で交代して中央公園を清掃する。
      中央公園を掃除する写真

(3)事後指導

  • ア お世話になった方へお礼の手紙を送った。
  • イ 活動後、児童が発表し合う機会を作り、お互いが繰り返し学び合う機会とした。
  • ウ 児童の活動の様子を写真で撮り、その様子を校内に掲示し、他学年の児童にも紹介した。
  • エ 学習した内容を、学校のホームページ(5学年)に載せたり、郷土料理のレシピを各家庭に持ち帰り、広めるようにした。

3 体験活動の実施体制

(1)学校支援委員会の体制

  • 学校職員は、管理職、5学年主任、総合的な学習主任、特別活動主任が入り、校外からはPTA役員、JA支店長、隣接の保育園長が加わり組織した。
  • 活動の場や指導者確保は教頭が窓口になり進めた。委員にJA支店長が加わっていることで、穀物生産の準備等も早く、体験がスムースに行えた。

(2)配慮事項等

  • 他教科等との関連から、米作りの体験は5年生が有効である。稲刈りは慣れない刃物を使うので危険なことから、農家の方に多く参加して指導していただき助けられた。

4 体験活動の評価の工夫と指導の改善

  • 児童には、自己評価カードに記入させ、活動の小さなステップごとに反省させることで、次の活動をより改善して行えるよう指導した。
  • 体験活動は、児童が思いや願いを持って主体的に活動することから、教師が観察による評価がしやすくなる。この観察結果からその都度児童を指導し、まとめの発表会での成果も加えて評価していった。

5 活動の成果と課題

(1)成果

  • 地域で生産される米や小麦から多くの料理ができることを知り、地域に愛着が持たせられた。
  • 今回の体験は、祖父母や地域の高齢者からの援助を受けることが多かった。このことからお年寄りを大切にし、その智恵を学んでいこうという気持ちが児童に育てられた。
  • 学校の中の環境を整えたり、公園清掃をしたりする体験を通し、児童に協力し合うことの大切さを理解させると同時に、自分も地域の一員だという気持ちが育てられた。

(2)課題と今後の取り組み

  • 稲作り等体験場所が学校から離れていると、移動の時間を工夫する必要があると同時に安全面でも心配である。学校内で行える体験の工夫がより必要である。
  • 直接体験する活動は児童の心を感動させ、広げていくことが分かったので、工夫して様々な体験の機会を作りたい。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成21年以前 --