まえがき

  子どもたちが豊かな人間性や社会性などを育むためには,学校教育において様々な体験活動を充実させることが重要であることから,文部科学省では,平成13年7月,学校教育法及び社会教育法を改正し,学校においては,その教育の目標の達成に資するよう,教育指導を行うに当たり,ボランティア活動など社会奉仕体験活動,自然体験活動その他の体験活動の充実に努める旨を新たに規定し,学校内外を通じて体験活動の推進を図っているところであります。
  これらを踏まえ,平成14年度より,学校教育において,「豊かな体験活動推進地域」及び「豊かな体験活動推進校」を指定し,他校のモデルとなる体験活動に取り組む「豊かな体験活動推進事業」を行っており,平成15年度から開始した「地域間交流推進校」では,例えば都市から農山村漁村や,自然が豊かな地域などに出かけ,異なる環境の下で体験活動に取り組んでいただいております。
   また「豊かな体験活動推進事業」では「推進地域・推進校」及び「地域間交流推進校」で得られた先駆的な取組を,地域ごとのブロック交流会や事例集の作成を通じて広く全国すべての学校に普及させることとしておりこうした取り組みを通じて,全小・中・高等学校等における豊かな体験活動の円滑な推進を目指しております。
   本事例集では,平成14年度・平成15年度(「地域間交流推進校」においては平成15年度)に指定を受けた「豊かな体験活動推進地域」,「豊かな体験活動推進校」及び「地域間交流推進校」のうち,「平成15年度豊かな体験活動推進事業ブロック交流会」で事例発表を行ていただいた学校等の中から,学校種や体験活動の活動内容を勘案して取組みを紹介をしています。
   平成15年12月の中央教育審議会においても「学力に関連して,自然体験,社会体験など子どもたちの学びを支える体験が不足し,人やものとかかわる力が低下していることなどの点で課題等が明らかになっている」ことが指摘されており,今後も,学校における体験活動の充実が引き続き求められていることから,本事例集が広く関係者に利用され,各学校において,様々な体験活動が展開されることを心より期待しています。
   終わりに,紙面の都合上掲載できなかった学校の関係者をはじめ熱心に本事業の取組みに当たられた教育委員会並びに関係者各位に心から感謝の意を表します。

平成16年3月
文部科学省初等中等教育局
児童生徒課長 関 靖直

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初等中等教育局児童生徒課

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