[子どもと話そう] News letter Vol.2
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子どもと話そう

 [子どもと話そう]

News letter Vol.2

   平成10年6月10日号


[子どもと話そう]全国キャンペーン
  最近、ナイフを使用した殺傷事件、学校でのいじめ、性をめぐる問題など、子どもたちをめ ぐる問題は極めて深刻な状況にあります。この現状を真剣に受け止めて、文部省では、昨年8  月来、家庭や地域社会全体で子どもとふれあい話し合う機会を充実するとともに、心豊かな子 どもたちを育むため、「[子どもと話そう]全国キャンペーン」を実施しています。
 私たちは、大人たちが、日頃から子どもたちとふれあい話し合う時間を持つことによっては じめて、彼らの心のシグナルに気づき、受け止めることができるようになる、と考えます。心  の奥で悩み、救いを求めている子どもたちに正面から、暖かくかつ毅然と向かい合うことがで きるようになる、と考えます。

 各機関、団体・企業におかれては、このキャンペーンの趣旨を御理解いただき、引き続き積極的な取組を行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。 
 キャンペーンの現況 

文部省では、[子どもと話そう]全国キャンペーンについて、国立の施設等機関、関係省庁、各都道府県・指定都市教育委員会、民間の法人、団体、企業など幅広く関係方面に呼びかけ、「キャンペーン」の趣旨に即した取組を呼びかけてきました。文部省における関連の事業や広報活動の実施はもとより、関係の19省庁、全都道府県・指定都市教育委員会の参加の下、「キャンペーン」は着実に広がりつつあり、それぞれの立場から積極的に様々なプランが実施・計画されつつあります。また、民間の法人や団体、企業などにおいても、「キャンペーン」の趣旨に賛同して様々な取組が実施・計画されつつあります。

◎ 取組事例紹介コーナー 

ここでは、民間の団体・企業のキャンペーン協賛事業の一例や、地方公共団体、そして文部省におけるキャンペーン事業についていくつかの事例を紹介します。 

 ☆ 民 間 団 体 の 取 組 よ り 

○財団法人農林漁業体験協会
「第14回まちとむらの交流大会」(平成9年10月25日〜26日)
  農村に接する機会の少ない都市の人たちに、農業・農村と国民生活とのかかわりあいついて理解を深め都市と農村の結びつきについて考えてもらうという趣旨の「まちとむらの交流大会」において、本キャンペーンコーナーを設置し、餅つき、竹とんぼ作り等の「親子体験ラリー」を実施するほか、本催事全体でも親子ともに参加できる「農業・農村体験コーナー」を設置。

 ○東京セサミプレイス
「はたらくクルマ大集合!」(平成9年11月)
  消防車や白バイ、パトカーをはじめ様々な工作車両・輸送車両など、子どもたちに人気のある44種類54台の「はたらくクルマ」を集め、子ども達が普段目にしながら、直接ふれる機会のない車両のハンドルを握ったり、じっくり観察したりしてもらう。

 ○姫路市八幡校区空手道協会
「ヤング空手のつどい」(平成10年1月11日)
  練習発表会と併せて、空手道教室の練習生と地域の自治会役員など、青少年育成関係者が会食、対話集会を行う機会を設ける。

 ○北海道新聞社
「〜子どもと話そう〜北海道キャンペーン・親子ふれあい記者団」
(平成10年1月16日〜19日)

 親子対話の機会を第一の目的に、東京FM、羽田飛行場整備工場見学、文部省見学・文部大臣訪問などを取材実習して親子で体験レポートをまとめてもらい、新聞紙上に掲載する。

 ○栃木県PTA連合会
「子どもと大人の井戸端会議」 (平成10年3月14日)

 栃木県立宇都宮高校講堂にて、子どもと大人が互いに理解し合い、子どもが抱える問題と大人の認識の間のズレについて考える機会を得るための会議を開催。児童生徒、保護者、教員等422名が参集した。合唱やゲームを交えたり、ディスカッション形式での話し合いを行ったりして、子どもたちが自由に伸び伸びと話せるよう配慮した。 

 ○生涯体験活動振興協会親子で楽しむ「ネイチャースキー」(平成10年3月)
 小・中学生の親子及びネイチャースキーに興味のある人を対象に、スキーを着けて歩きながら専門家の説明を受ける。 

 ○中学生の子供をもつおばさんとおじさんの会
「アマチュアバンド・コンサート」(平成10年3月28日)

 中学生の子供を持つ大人及び当会の目的に賛同する大人による会で、群馬県にある。子どもの表現活動の支援、家庭教育環境の改善を目的とした催事を行う。今回は、観客に中学生とその親を迎えた高校生のアマチュアバンドのコンサートで、楽しみながらも、親と子どもに様々なことを考えてもらう機会とする。 

 ○かながわ親業研究会
第1回かながわ親業フォーラム「つなごうよ手と手」(平成10年5月30日)

 神奈川県民を対象に、現在小・中学生が置かれている状況を報告するとともに、親と子、及び教師と生徒が本音で語り合うために効果のある対話法を紹介する。「スクールカウンセラーからみた小・中学生の姿」、「親子の絆を作るコミュニケーション」の講義の後、不登校や人間関係についての分科会に分かれ、討議する。 

 ○財団法人日本釣り振興会
  水産庁補助事業、本キャンペーン参加事業として、小中学生を対象として、自然保護の大切さやアウトドア・フィッシングのルールとマナーを理解させる、水産資源保護意識醸成CD−ROM「楽しい釣り 川に釣りに行こう!!」を作成。小学校などに配布。 

  この他、(社)日本PTA全国協議会、(社)全国子ども会連合会、(財)日本レクリエーション協会など多くの団体・企業等が現在キャンペーンに参加・協力しています。 

 ☆ 都道府県・政令指定都市の取組より 

○山形県 
「ゆとり都グリーン体験探検隊事業」(平成9年10月19日)

 県内4地域の小学生(原則社会科で農業について学ぶ5年生)とその父母を対象に、県内各地の農山村地域において、家畜や農産物、農村の自然とのふれあいや農業体験学習を通して、親子の話し合いの場を提供する。 

 ○茨城県
「若菜つみとそばうち」(平成10年3月14日)
  小・中学生を対象に、北浦湖畔散策を企画。春の七草つみ等をした後、そば作りを体験する。 

 ○群馬県榛名町
「青少年健全育成講演会」(平成9年11月22日)

 森田健作文部政務次官(当時)を講師に青少年育成に関する講演会を実施。会の後半は、会場の父母との意見交換、質疑応答。 

○東京都
「親子でwindows『一太郎』『ロータス』で簡単パソコン」(平成9年8月28日〜30日)

 都立の工業高校を会場として、親子で「デジタル社会とパソコンの役割」について学んだり、パソコンの操作について学習。 

 ○福井県越前町
「生徒と語る会」(平成9年11月15日)

 越前中学校の各クラス代表2名とPTA役員、生徒指導委員らが、「3年間の中学校生活を充実させるために」というテーマで学校生活や進路、親子相互間の要望などについて話し合う会を実施。 

 ○愛知県
「平成9年度『ストップ ザ いじめ』子供会議」(平成9年12月24日)

 平成9年度から、県内4中学校による生徒が主体となった,いじめ問題解決のための特色ある取組の実践研究として、4中学から代表生徒5名ずつが集まり、これまでのいじめに対する取組の成果を発表し合うとともに、いじめのない学校を目指して意見を交換する。
 参加者は、代表生徒、担当教諭、県教育委員会関係者等。 

 ○兵庫県
「身体障害者社会学級生の集い」(平成10年2月22日)

 身体障害者・一般県民800人が集まり、意見交換、体験発表をするとともに、親睦の集い、作品展示なども行う。 

 ○徳島県三好町
「子育てふれあい相談会」(平成9年12月7日)

乳幼児・小学生を持つ親を対象に、「乳幼児期の子育て・基本的生活習慣について」というテーマでのミニフォーラム、県教委・四国放送制作の子育て番組視聴の他、相談員による個別相談も行う。 

 ○福岡市 
「お父さんセミナー『神戸事件』の向こうに見えるもの〜父親として、子供に、どうしたらいいのでしょうか〜」(平成9年10月24日〜11月28日)

 父親の生きてきた道と重ね合わせながら、今の子供に何が大切であるかを考え、改めて父親の役割を考える、という趣旨で、「神戸事件はなぜ起きたのか」「子供の世界を知る」「父親の役割って何だろうか」等のテーマで全6回の講座を実施する。 

  この他、各地方公共団体が、キャンペーンに関する様々な取組を行っています。 

 ☆ 文 部 省 の 取 組 よ り 

 ○「一緒に夢を話そう」(平成10年4月2日) 
 一般から公募した子どもたち15グループ123人と、町村文部大臣、長野オリンピックの植松選手、長野パラリンピックの松江選手の参加により、「一緒に夢を話そう」を実施。メダルを直接手に取り見せてもらったり、メダリストへの質問をしたり、子どもたちから自分の夢について発表したりと、盛りだくさんの内容であった。大臣からは、「メダリストのお二人は夢を持って一生懸命頑張ってメダルを取った。ちょっとやそっとで『きれる』なんて言ってはだめ。お二人を参考にして頑張って下さい」と話しかけた。その後は、文部省の仕事に対する理解を深めてもらうため、文部省の見学も行い、子どもたちは、大臣室で記念写真を撮ったり、メダリストからサインをもらったりした。 

○ キャンペーンの御案内 
 キャンペーンに参加いただける場合、文部省で作成したロゴマーク、ポスター、チラシ等の図 案を御利用いただけます。
 これらの図案を使用したりキャンペーンの協賛事業を実施される団体や、ポスター・広報誌等の掲示によりキャンペーンの趣旨を普及宣伝していただける団体におかれては、各都道府県教育委員会や文部省生涯学習振興課までお問い合わせください。 
 キャンペーンの詳細については、文部省のホームページ(http://www.monbu.go.jp/kodomo/kodomo.html)もご覧下さい。 

○ 本ニューズレターへの掲載について
 本ニューズレターでは、これからも、民間団体、各省庁、地方公共団体などの取組事例を具体的に紹介していきたいと考えております。 
 掲載の御希望がございましたら、文部省生涯学習振興課まで御連絡ください。