改正司書養成科目に関するQ&A

平成21年7月
文部科学省生涯学習政策局社会教育課

1 新課程に関する手続き関係 

Q1 新課程を設置する全ての大学は書類の提出が必要か。

A1 全ての大学が必要です。平成23年中に必要書類を文部科学省に提出していただく予定としています。

Q2 どのような書類の提出が必要になるのか。

A2 図書館に関する科目のシラバス案,養成課程の教員の体制,担当する教員の研究業績書等を予定しています。なお,書類の様式等は文部科学省のホームページに掲載する予定です。

Q3 申請手続に関するスケジュールのロードマップを示してもらいたい。

A3 以下のスケジュールを予定しています。

1 平成23年5月 提出書類・申請時期の周知
2 平成23年8月~平成24年1月 書類提出(ヒアリング含む)
 ※提出された大学の書類から適宜内容の確認
3 平成24年1月~3月 確認通知送付
4  平成24年4月 新カリキュラム実施

Q4 平成23年度の提出書類にシラバスがあるが,通常の大学ではシラバスを作成する際には学則を改正し,教授会に諮った上で作成すると思うが,学則は平成23年8月の時点で提出が必要か。

A4 平成23年8月から平成24年1月にかけて必要書類を提出していただくことにしていますが,必要な提出書類については学則まで必要かを精査の上,別途周知させていただきます。

Q5 担当する教員の審査はあるのか。また,担当する教員の経歴・業績によって養成課程が認められないことがあるのか。

A5 教員の経歴の確認のために,平成23年度の書類提出の際と新たに養成課程を設置する大学には研究業績書等も求める予定としています。しかしながら,担当教員の経歴や業績によって養成課程を認めないといったことは考えておりません。

Q6 専任教員について,人数や役職等の望ましい基準はあるのか。

A6 役職には拘りませんが,養成科目全体の科目の内容や開講状況,履修者・資格取得者数の推移,資格取得者の進路等を把握できる総括的役割を担う専任教員を原則として複数の者を配置してもらいたい。

Q7 専任教員の人数として原則として複数を配置とあるが,1名で書類を提出した場合には課程が認められないのか。

A7 法令上の根拠はありませんが,従来から文部科学省では専任教員を複数配置していただきたいことを説明しています。このため,大学には複数の専任教員配置にできるだけ対応願いたい。

Q8 同一の敷地内に四大と短大が併設されている場合であっても,専任教員はそれぞれに必要か。

A8 それぞれに配置していただく方が望ましいことは言うまでもありませんが,四大・短大における上記の役割を実施できるのであれば,いずれかの大学の配置でも差し支えありません。

Q9 3年に1度開講科目に関して文部科学省の調査が行われると聞いているが,具体的にどのような形式で実施されるのか。

A9 開講科目の内容が適正か確認するため,文部科学省から調査の当該年度に関係大学に依頼し,シラバスや教員の一覧などの提出を求める予定です。

Q10 平成24年度の改正省令施行前に新科目を設定できるとのことであるが,どのような手続きが必要なのか。

A10 現行省令では図書館に関する科目が規定されていないため,司書講習相当科目と認定される必要があります。このため,科目内容や教員に変更があった場合には,必要な書類を提出していただいているところです。なお,現行の提出書類は煩雑・大量であるため,大学の負担を考慮し,できるだけ精選したいと考えていますので,今年の8月を目途に必要書類を別途周知する予定です。

Q11 現行課程の内容に変更があった場合,どのような様式を提出すればよいのか。

A11 科目一覧,教員一覧及びシラバス案等を提出していただきたい。なお,様式については従来のものが煩雑な様式であったため,現在見直しを行っているところであり,新しい様式が決定次第,各大学には周知する予定です。

2 経過措置関係 

Q12 新科目の適用は平成24年4月1日以降の入学者との理解でよいか。

A12 はい。なお,平成24年度より前に入学した者が修得した科目については,改正省令附則を適用して,適宜読み替えることとしています。

Q13 平成24年度より前に新科目を設定することは可能か。

A13 教員やテキスト等の体制が整うのであれば,施行日前に開講することは可能です。

Q14 現行省令の下で必要な科目・単位数を修得した者は,改正省令の下の不足単位を修得する必要があるのか。

A14 改正省令附則第3項及び第4項の規定により不要です。

Q15 すでに修得した旧科目は相当する新科目に読み替えるとあるが,対応関係はどこをみれば良いのか。

A15 改正省令の附則第6項の表を御覧いただきたい。なお,この読み替えについては,経過科目が新科目とみなされるだけで,単位数が付加されるものではないことに御留意いただきたい。

Q16 平成24年4月1日より前に図書館に関する科目の一部を修得した者の取り扱いについて教えてもらいたい。

A16 1.平成24年4月1日前から大学に在学し,2.在学中に図書館に関する科目を全て修得し,3.当該大学を卒業する,という3要件が揃っている場合のみ,改正省令附則の規定により,旧科目の単位数の20単位で資格を取得することができます(留年した者を含む)。

このため,科目等履修生,卒業までに図書館に関する科目を取りきれなかった学生や中退した学生が再入学した場合には,1に該当しないため新科目の単位数の24単位が必要です。しかしながら,その学生の学習成果を適正に評価する観点から,改正省令の附則の規定により,既に修得した旧科目については,相当する新科目に読み替えることができるとしています。

Q17 平成24年度に3年次に編入学した者や大学院に進学した者についても,新科目の単位数24単位が必要になるのか。大学に引き続き在籍して平成24年度に3年次になった者については旧科目で良いにも関わらず,編入してきた者は新科目で対応する必要があるため,同学年であるにも関わらず2種類のカリキュラムを組むことが必要になる。これは大学側にとって非常に負担である。

A17 編入学した者や大学院に進学した者は引き続き在籍した者とみなせないため,新科目の24単位が必要になります。より質の高い大学における司書養成という制度改正の観点からも平成24年度からは新科目単位数での資格取得が原則であり,旧科目単位数での資格取得は例外的措置です。大学におかれては本改正の趣旨を御理解の上,御協力をお願いしたい。

Q18 旧科目の適用者についても,平成24年4月1日からは必ず新科目を受講させる必要があるのか。

A18 大学の事情により,旧科目を存続させて受講させ,旧科目の単位数20単位を修得させることは差し支えありません。

Q19 附則第6項の表は新科目と経過科目の相互読み替えができると考えてよいか。

A19 それぞれの読み替えの条件はありますが,そのとおりです。

Q20 生涯学習概論や児童サービス論のように同じ科目名のものを経過科目から新科目に読み替えた場合,足りない単位数を他の科目等で補填する必要はあるのか。

A20 必要はありません。経過科目で修得した1単位が,新科目に読み替える際に2単位に増えるということではありません。経過科目で修得している科目については,新科目制度下ではすでに修得しているということです。

Q21 同じ科目名の経過科目を新科目に読み替えた場合は,経過科目を修得していれば,実際の単位数としては少なくてよいということでよいか。

A21 はい。

Q22 平成24年4月1日前に旧科目を一部受講した者が平成24年度に編入学した場合や科目等履修生の場合はどのような取り扱いになるのか。

A22 どちらのケースも新科目の単位数の24単位が必要になります。しかしながら,その学生の学習成果を適正に評価する観点から,改正省令附則の規定により,既に修得した旧科目については,相当する新科目に読み替えることができるとしています。

Q23 平成24年度より前に新科目を開講した場合,平成24年度以降は何を根拠に経過科目を新科目に読み替えればよいのか。

A23 改正図書館法施行規則第1条第2項が根拠となります。

Q24 旧科目の新科目への読み替え期限は,共通的に設定する予定はあるのか。

A24 省令上は読み替えの期限は設けていないため,大学におかれては適切に対応をお願いしたい。

Q25 何故,改正博物館法施行規則と異なり,施行が2段階なのか。

A25 図書館法施行規則と博物館法施行規則では,現在の法構成上の違いがあるため,そこに由来するものです。現在,図書館に関する科目については,図書館法施行規則上では規定されていません。一方,博物館に関する科目については,博物館法施行規則において規定されています。そのため,まず平成22年4月1日に図書館に関する科目の根拠を現在の司書講習の科目と同じ科目(20単位)で省令に規定し,平成24年4月1日に養成科目の内容を拡充した科目(24単位)を施行するものです。

3 改正図書館に関する科目(総論)関係 

Q26 開講する科目名は法定科目名でなければいけないのか。また,科目の統合は可能か。

A26 改正省令施行通知の留意事項にあるように,科目名は省令上の科目名である必要はありません。また,科目のねらい・内容を網羅し,必要な単位数が確保されているのであれば,大学の事情により統合・分割は差し支えありませんが,安易な科目の読み替えは厳に慎んでいただきたい。

Q27 新科目の学年指定は大学に任されているのか。

A27 はい。ただし,図書館概論は図書館に関する科目の基本的な知識を習得する科目のため,やはり履修の冒頭で学ぶことが望ましい。

Q28 複数の大学と関係科目を共同開講する方法も考えられると思うが,そのような取組を文部科学省としてはどのように考えるか。

A28 近隣の大学と単位互換の協定を結び,共同開講することは可能です。また,そのような取組は教員確保の負担軽減にも繋がると考えます。

Q29 大学で未修得の「図書館に関する科目」の一部を司書講習において修得することは可能か。

A29 大学の判断で可能です。司書講習で修得した科目は,新規則第1条第2項の規定により,大学の判断により,大学の科目とみなすことができます。逆に,大学において修得した科目は,司書講習において,必ず相当する科目とみなされます。

Q30 演習科目の開講時間数の考えについて教えてもらいたい。

A30 演習の時間数については,大学設置基準により15~30時間までの範囲と定められています。しかしながら,今回の改正においては,演習科目を1単位30時間と想定して,科目の内容等の制度設計を行ってきたところです。このため,省令の2単位演習科目については,学則で1単位15時間と定めている大学においては,4単位として開講し,必要な時間数を確保していただきたい。

Q31 任意設定科目とはどのような科目なのか説明してもらいたい。

A31 任意設定科目とは法定上は資格取得要件としては必要ありませんが,大学がその特色や理念に基づき大学が法定科目以外に設けている科目を便宜的に呼んでいます。

4 改正図書館に関する科目(各論)関係 

(生涯学習概論)

Q32 本学では,生涯学習概論を学芸員養成科目と司書養成科目の共通科目として設定しているが,平成24年度以降も両方の課程を設置している場合には,両方の課程の学生を同一の授業で教えてよいか。

A32 生涯学習概論は,社会教育主事・学芸員・司書の共通科目として設定されているものなので,共通の科目として開講して差し支えありません。

Q33 新科目の生涯学習概論は,現在の1単位から2単位に拡充されているが,不足分の1単位はどのように満たせばよいのか。

A33 旧科目の生涯学習概論を修得していれば,改正省令附則第6項の規定により,新科目の生涯学習概論を修得したとみなされます。

(図書館情報技術論)

Q34 新科目「図書館情報技術論」の内容には,具体的にどのようなものが含まれるのか。

A34 図書館業務に必要な,ネットワークに関わるサービスに携わる際の前提となる最低限の用語や概念の理解を図る,ウェブページの構成・評価,個人情報の流出やウェブサイトの改ざんを防ぐための最低限の必要な知識等が考えられます。なお,改正省令施行通知の別添2をご参照いただきたい。

Q35 機能的に博物館と図書館が重複する部分もあると思う。図書館情報技術論や博物館情報・メディア論については,報告書に記載されている内容を満たしていれば,司書課程と学芸員課程の共通の科目とすることも可能か。

A35 共通の科目を2単位科目とするのであれば,内容の分量的に難しいと考えますが,報告書の内容が網羅されるのであれば,共通の科目とすることは可能と考えます。

Q36 情報関係の科目を図書館が専門ではない情報専門の教員が担当することは可能か。

A36 図書館学の教員が担当することが原則と考えますが,必要な内容を充当するために情報専門の教員とコラボレーションして担当することは考えられます。

Q37 ウェブJIS(JISX8341-3)はこれからの図書館のオンラインでの情報サービスにとって非常に重要だと思われるが,学生は学ぶ必要があるのではないか。

A37 図書館情報技術論や情報サービス論等において適宜扱っていただきたい。

(情報サービス論)

Q38 現行科目において,情報検索演習若しくはレファレンスサービス演習を2単位として開講している場合,いずれか一方の科目の履修をもって,新科目の情報サービス演習2単位と読み替えることは可能か。

A38 現行科目の両科目の内容を満たすことが必要であるため,いずれか一方の科目の履修では,新科目の情報サービス演習を読み替えることはできません。

(乙群科目)

Q39 省令に規定されている乙群科目を何科目開講するかは各大学の判断でよいか。また,隔年開講しても問題ないか。

A39 各大学の判断でけっこうです。また,学生が乙群科目を在学中に2科目履修できるカリキュラムであれば,隔年開講も差し支えありません。

Q40 乙群の図書館基礎特論は図書館活用・リサーチスキルやプログラミング等の科目で開講することは可能か。

A40 必修科目で学んだ内容を発展的に学習するという報告書の科目のねらいを担保できるのであれば,差し支えないと考えます。

Q41 乙群の図書館総合演習の内容は図書館実習の事前・事後学習とすることは可能か。

A41 図書館総合演習は,基本的にゼミや卒論指導等を想定しており,図書館実習の科目の内容とは異なるため,事前・事後学習を位置づけることはできません。

Q42 現行の乙群の情報機器論が移行にあたって全く考慮されていないのは何故か。また,図書及び図書館史,資料特論が読み替え対象となっていないのは何故か。

A42 附則第7項及び第9項の規定により,情報機器論に限らず乙群科目については,旧課程で修得していれば,新課程の乙群科目とみなされるため,考慮していないとはいえないと考えます。また,施行通知において,図書及び図書館史,資料特論をそれぞれ図書・図書館史,図書館情報資源特論にみなさないとしているのは,図書及び図書館史と図書・図書館史,資料特論と図書館情報資源特論を修得しても,この科目は内容がほぼ同一であるため,資格取得に必要な乙群科目2科目とはみなさないという趣旨です。

Q43 図書館実習は選択科目であるが,開設しないことは可能か。また,図書館実習を開設する場合,実習先を確保できた学生に限り実施することは可能か。

A43 選択科目であるため,開設しないことは可能です。なお,図書館実習を科目として開講する以上,実習先の確保は大学が主体となって行うべきであると考えます。

Q44 乙群の図書館実習を公立図書館以外の図書館(大学図書館・学校図書館等)で実施することは可能か。

A44 公立図書館における業務を経験させることを原則としています。

Q45 司書資格取得にあたって司書教諭資格取得のために必要な科目で読み替えられるものはあるか。

A45 司書講習において読み替えられる学修を指定する告示において,司書教諭講習のうち「読書と豊かな人間性」を児童サービス論に読み替えられるよう現在告示を整備中です。この告示は,大学における科目の読み替えを指定するものではありませんが,大学の判断により,相互乗り入れして開講することは考えられます。

Q46 司書教諭の養成に特化した科目を乙群の科目として開講することは可能か。

A46 図書館概論や児童サービス論を発展的に学習する観点から,図書館基礎特論や図書館サービス特論に位置付けることが考えられます。

Q47 選択科目で1単位設定の科目が増えたが,どのような開講形式を想定しているのか。集中講義形式をとってもよろしいか。また,本学では演習科目でも1単位15時間と定めているが,2単位の演習科目については,前期2単位,後期2単位の計4単位という開講形式でよろしいか。

A47 図書・図書館史等の講義科目については7~8コマ程度,集中講義で実施するならば15時間を想定しています。また,演習科目については1単位30時間を想定しているため,図書館総合演習のような演習科目であれば15コマ,集中講義で実施するのであれば必要な時間数を確保していただきたい。

また,必須科目の情報サービス演習や情報資源組織演習は2単位の演習科目であるため,学則で演習科目も1単位15時間と定めている大学におかれましては,御提示いただいたとおり4単位分を開講していただきたい。なお,前期・後期に分割することは差し支えありません。

Q48 ほとんどの大学では図書館情報学科として独立しているわけではなく,司書養成課程の教員も他の学部や学科に所属して卒論を担当することが多いと思う。図書館総合演習は図書館情報学科を有する大学のみを想定しているのか。

A48 図書館情報学科以外でも必修科目を深める内容のゼミであれば,図書館総合演習と位置づけて差し支えないと考えます。

5 その他 

Q49 旧科目での単位修得者について平成24年度以降に発行する証明書は新旧どちらの科目名で記載するのか。

A49 学生が修得した当時の科目名(旧科目名)で記載していただきたい。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

図書館振興係
電話番号:03-5253-4111(内線2970)

-- 登録:平成21年以前 --