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きみまち塾実行委員会(秋田県)

実行委員会名 きみまち塾実行委員会
実行委員会構成 二ツ井町商工会、二ツ井町建築技能組合、梅内聚落協議会、白神森林組合、二ツ井町教育委員会、梅内婦人会、秋田県立大学木材高度加工研究所


1. 事業の目的
 二ツ井町梅内地区の江戸期から続く集落共有林が、地区住民の手によって現在も維持管理されている。人やもの・情報が地域内、世代間で循環する里地・里山の生活がまだ残っていると言える。
 当実行委員会は、「きみまち塾」を開塾して、この地区のしくみを町内外の多くの人々と体験・理解することによって、自然環境と密着した人・もの・情報など地域社会を構成する資源が循環する、二ツ井町らしい資源循環型社会を推進する住民自治組織(コミュニティビジネスを含)の形成などを目的としている。
 事業推進に当たっては生業だけではなく、食生活や廃棄物、住まい方、或いはエネルギーのあり方など生活全般にかかわる諸問題も取り扱う必要がある。そのため、古くから伝わる生活の智恵のほか、大学の最新の知見や技術を合わせて活用することによって生涯学習の推進を図る。

2. 事業の概要
 本事業では、集落共有林の管理運営を通して歴史や風土をふまえた里地・里山の生活を学び、伝統の知恵に最先端技術や研究成果を加えた新たな資源循環型の仕組みを体験しながら歴史文化を学習した。また、地域資源を生かした家並みや町並みづくりの先進地視察を行うと共に、公開フォーラムでは各地の様々な先進事例を紹介し、地域内外の参加者と塾生が交流する中で、まちづくりについて意見交換を行った。

3. 高等教育機関との連携
  (人的側面)    秋田県立大学木材高度加工研究所(以下、木高研)は、開塾や里地・里山体験学習会の準備・実施に際して中心的役割を果たし、特にその準備には多くの人手が必要であったため、強力な支援となった。
  (知的側面)    木高研は、本事業の計画作成から実施及び成果報告書作成まで一貫して参加し、二ツ井町のまちづくりを共に考えてきた。また、里地・里山体験学習会の資料作成や事業の記録・ホームページ用資料の作成にも中心的役割を果たした。秋田公立美術工芸短期大学は、地域資源の利活用によるものづくりとビジネスへの展開に関して、先進事例の紹介や二ツ井町の可能性について情報提供を行った。
  (物的側面)    木高研は里地・里山体験学習会時にプロジェクタやパソコンの持込を行ったほか、炭焼き小屋周辺の整備あるいは炭焼きに際し、樹皮ボードや端材などの必要資機材の提供を行った。

4. 地域住民の参画実績
1実施時期 2事業名 3事業内容 4参加者数 5参加者の反応
2003年7年21日 きみまち塾紹介ブース出展 「きみまち塾」の開塾案内が町商工会のお祭りで紹介され、塾生募集が行われた。 20 興味を持って参加登録してくれる人がいた。
2003年9月11日 開塾
写真1.2
開塾のセレモニーが町の施設、伝統芸能を伝承するホールで開催された。 講師を招き、まちづくりの取り組や成功例を紹介してもらい、意見交換時には二ツ井町のまちづくりの要点のまとめを行った。 35 予想以上の人が集まり、興味を持って講師の話を聞いていた。意見交換時には全員が自分の意見を率直に語り、互いの考えを知ることができた有意義な時間であった。
2004年2月10日 きみまち塾中間報告会 これまでの事業の活動報告とその反省、および今後に向けての提案がなされた。 10 事業の継続をしていくための方策について多くの具体的な提案がなされた。
2004年3月5日 きみまち塾最終報告会 今年度最終の「きみまち塾」が開催された。今後の塾のあり方が話し合われ、事業のとりまとめも行った。 32 中間報告会に参加できなかった人も加わり、事業の継続をしていくための具体的な方策について多くの提案がなされた。
2003年8月24日 里地・里山体験学習
写真3.4
山に行く→実物を知る→採取・収穫する→加工する→利用・飲食するという、里山の生活の流れを親子で楽しく参加して理解する体験学習会であった。 30 内容の難易度や開催時間は概ねちょうど良いとの評価であったが、小学校高学年には時間が短すぎ、幼稚園の年長には内容が難しく感じられた様子であった。大人にも子供にも、裏山の山歩きと樹木識別が印象に残った様子である。
2003年10月4〜5日 町並み景観学習 山形県金山町の視察を行い、具体的に町づくりを体感した。住宅材料としての地場の木材を見学し、家並みや町並みなどについて地元の方々にお話を伺った。 23 実物を見ることにより「まちづくり」を実感してもらえた。二ツ井町で今後、具体的に何をしていきたいかなど、考えをまとめるのに良い参考となった。
2003年10月24日 町並み景観学習 家づくりに関わる塾生と県外の参加者が参加して「職人塾」が開催された。木材や石材の住宅材料の生産現場を見学した。 35 生産現場の実情を反映した自分たちの家作りを考えるきっかとなった。
2003年10月25日 きみまち塾公開フォーラムの開催
写真5.6
まちづくりの先進地から多彩な講師を招き、講演を行った。先進事例の紹介などを通して二ツ井町の目指すべき資源循環型の地域社会のあり方、町並み・町づくりについて考える機会となった。 115 地域内外の人たちと協働して楽しい交流が行われた。梅内の自然環境や資源の豊かさを改めて感じることができた。
2003年10月26日 歴史・文化体験学習 地域の歴史や文化・町の現状を把握するため、白神山地の原生林や天然秋田スギ林などを訪ねて、郷土史家から木材産地の歴史・文化、集落協議会のしくみなどの説明を受けた。 50 地域の歴史や文化をふまえた町づくりの重要性を実感することができた。
2003年12月18日 歴史・文化体験学習 国有林内の植林された秋田スギの伐採作業の見学を通して、地場産業と地域の関わりを学習した。 12 現場を見ることによって、林業と家作りのつながりを実感することができた。
2004年2月28日 里地・里山体験学習 炭焼きや縄ない、保存食の利用など伝統的な冬の里山の生活を再現すると共に、炭を使ったオブジェ作りを通して新たな里山の可能性を検討した。 28 炭を使ったオブジェ作りの評価が最も高かったが、資料説明にも熱心に参加し、これも楽しかったとの評価があった。


5. 事業実施のプロセス(困難点、工夫点、課題など)
(1) 準備段階
 各人の仕事の都合などもあり、時間調整や状況の把握に手間取り、スケジュールに余裕持って事前案内することができなかった。今回の経験で、「どのタイミングでいつ頃に何をすればよいのか」といったことがおおよそ理解できたので、次回は年間スケジュールを早めに組み、共通認識をもてるよう活動目的を相互に確認しながら、余裕ある対応ができるような環境づくりに努めたいと考えている。
(2) 実施段階
1  (1)と同様に、時間調整や状況把握に手間取り、余裕持って準備することができなかった。今回の経験で準備と実施の段取りについて理解できたので、次回からは共通認識をもてるよう活動目的を相互に確認しながら、スケジュール調整を行い、余裕ある対応ができるような環境づくりに努めたいと考えている。
2  二ツ井町では今回の事業のように、町内の各種団体が連携するのは初めてのことであったため、限られたメンバーに準備・運営作業の負担が偏り、役割を分担して効率よく進めることができなかった。今年度の活動を通して、団体相互の関係から人の顔が見える関係ができつつあり、今後はそれを生かしながら各人のネットワークを広げ、互いの得意・不得意を理解した上で役割分担し、活動していきたいと考えている。
3  本事業のテーマである「まちづくり」はさまざまなことが広範に含まれるため、活動していく中で中心メンバーにも意識の違いがあることが明らかとなった。これは、各人の事業への取り組みがより具体化した結果としての成果でもあるが、次回の事業計画をたてる前に話し合うことによってこのズレを整理し、発生が予測される問題を予め解消して、まちづくり活動を次の段階へつなげていくことが必要であると考えている。

6. 事業の成果
 二ツ井町で、はじめて民間主導のまちづくり運動が動き出した。二ツ井町は歴史的に天然秋田スギで栄えた地域であるが、その天然スギが枯渇し、また外材との価格競争で住宅にスギが使われなくなり、地域に元気がなくなっているのが現状である。「このままではいけない」「何かしなくてはいけない」「でも、何をしてよいのかわからない」と日頃何となく感じていた約30人が塾生として参加した。本事業では、元々この地域にあった里山の暮らしの智恵や仕組みを実際に体験しながら学ぶことができた。また事業を通して地域内の資源が循環する本来の「地産地消」の仕組みと、資源循環型地域社会のあり方を具体的に学ぶことができた。色々なイベントの準備や開催のために協働作業を行ったことで、組織を超えた顔の見える人のつながりをつくることができた。事業終了後も「きみまち塾」は継続され、引き続きまちづくり活動を行っていくことになった。




写真1
開塾の写真
写真2
開塾の写真
写真3
里地・里山体験学習の写真
写真4
里地・里山体験学習の写真
写真5
きみまち塾公開フォーラムの写真
写真6
きみまち塾公開フォーラムの写真
写真7
里地・里山体験学習の写真
写真8
里地・里山体験学習の写真


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