2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会(第5回)

1.日時

平成28年7月28日(木曜日)13時~15時

2.場所

スタンダード会議室 虎ノ門ヒルズFRONT店 大ホール

3.議事

1.教育情報セキュリティについて

2.「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」最終まとめ(案)について

3.討議

4. 配布資料

5.議事概要

(1)座長挨拶

(2)教育情報セキュリティについて

【清水座長】
 ありがとうございました。
 それでは、早速、本日の議事に入らせていただきたいと思います。
 本日は、本懇談会の最終まとめについて議論していただくこととしておりましたが、先月、ICT教育の最先進県であります佐賀県におきまして、教育情報システムからの個人情報流出事案が報道されまして、大変大きな関心を呼んでいるところでございます。
 そこで、本事案におきましては、お手元にありますように、既に文部科学省から各教育委員会に対しまして、「教育の情報化に伴う情報セキュリティの確保について」という通知が出されているところでございます。また、通知におきまして、「事実関係を踏まえて必要な対応方針について検討の上、改めて連絡する」とされているところでございます。
 情報セキュリティにつきましては、大変重要な件でございますので、本懇談会におきましても不可欠な検討事項として検討してまいりましたが、特に「スマートスクール構想検討ワーキンググループ」におきまして、本件事案も踏まえて、緊急に提言すべき事項について討議・整理をしていただいたところでございます。
 本日は、まず、佐賀県の宮崎副教育長より事案の概略につきまして御報告いただきました上で、「スマートスクール構想検討ワーキンググループ」の藤村主査より、緊急提言について御説明いただきたいと思います。
 最初に、宮崎副教育長、お願いいたします。

【宮崎委員】
 佐賀県教育委員会危機管理・広報総括監を兼ねて副教育長をしております宮崎と申します。
 このたびの不正アクセスによりまして、当県の県立学校の情報が大量に窃取されまして、その中には多くの生徒や、その保護者の方々の個人情報も含まれておりました。このことは学校教育への信頼を損なうものでございまして、私どもとしても極めて重く受けとめております。また、文科省をはじめ、関係の皆様方には多大なる御心配をおかけしておりますことを大変申し訳なく思っております。
 それでは、資料に基づきまして、事案について御報告申し上げます。資料は1-1でございます。
 1ページは項目でございますけれども、下の方の2ですけども、まず、佐賀県の学校教育ネットワークの概要についてご説明をいたします。
 下の図の上の方、SEI-Netというのがございますけれども、これは佐賀県が平成25年度から運用開始いたしまして、今の機能、姿になっているのが平成26年度からでございます。教職員が出席や成績処理などを行います校務管理機能、それから学習者と教員で教材等のやりとりを行います教材管理機能、学習管理機能、これをクラウド上で提供いたしております。
 このSEI-Netに接続するネットワークにつきましては、専用回線とインターネットがございますけども、重要な情報が入っております校務管理機能につきましては、専用回線からの接続のみとなっております。各県立学校は、専用回線でこのSEI-Netに接続されております。市町立学校の場合は、現在、県内7つの市町で県立学校同様に専用回線でSEI-Netと接続されておりまして、校務管理機能等の機能を利用しております。
 そのほか、13の市町がございますけども、こちらの学校はインターネット経由でSEI-Netに接続されておりまして、メールなどの一部の機能を利用しているというところでございます。
 また、県立高等学校の生徒は学習用パソコンを持っておりまして、インターネットを経由いたしまして学校外、自宅等からSEI-Netの学習管理機能、あるいは教材管理機能を利用することができます。
 右下に校内LANというのがございますけども、各県立学校には学習系ネットワークと校務系ネットワークからなる校内LANを整備いたしております。それぞれのネットワークには、学習用のファイルサーバと校務用のファイルサーバが設置されているところでございます。
 今回の事案でございますけども、校内のLANとSEI-Net、両方に不正アクセスがございました。まずSEI-Netの方につきましてですけども、逮捕された少年は、事前に取得いたしましたSEI-Netの学習者用のID、パスワードによりまして、学習管理機能にログインをしておるところでございます。また一方、生徒の方も1名が不正アクセスしていますけども、こちらは自分のID、パスワードでログインをしております。SEI-Netにつきましては、システムの脆弱性がございまして、こちらの方が突かれたというところでございます。
 学習管理機能の中に、先生と生徒の連絡手段でございますメッセージ機能というのがございます。こちらの方の脆弱性を発見いたしまして、情報を窃取されたというところでございます。メッセージ機能では、あて先を検索する画面に通常、教職員の氏名が表示されるわけでございますけども、特殊な操作を行って、それに加えて教職員のID、業務用のメールアドレスが見られることを発見して、それを取得したと考えております。また、特殊な操作によりまして、生徒の権限を教師権限に変更するという操作を行って、本来見ることができない生徒の情報、これは氏名とIDでございますけど、これを見るようにして、それらを窃取したと考えております。
 さらに、少年の方は、これらを効率的に行うために、自動的にそれらを取り出すアプリケーションを作成しているようでございます。
 なお、SEI-Netの校務管理機能への不正アクセス及び情報の窃取は行われておりません。
 一方の校内のLANの方でございますが、少年は校内のLANの接続設定を何らかの方法で入手した上で、学校の敷地内で校内LANに不正に接続しております。生徒の方も不正アクセスをしておりますけども、こちらは自分の学習用のパソコンから校内LANに接続しております。そして、何らかの方法で管理者権限のあるユーザーのID、パスワードを入手して、それら利用をいたしまして、学習用ファイルサーバに侵入して、そこに置いてある情報を取得したというところでございます。さらに少年の場合は、校務系ネットワークの方の校務用サーバまで侵入いたしまして、そちらにある情報を窃取いたしております。
 次に、資料のページ3ですけれども、被害の概要について御報告いたします。
 今回、9校が被害に遭ったわけでございますけども、表を御覧のとおり、それぞれ学校によって内容が異なっております。校内LANの校務用サーバのみの学校もございますし、あるいはSEI-Netのみである学校もございます。あるいはSEI-Net、学習用サーバ、校務用サーバ全てというところもございまして、様々でございました。そのうち校内LANが、7校が被害に遭っておるところでございますけれども、校務用サーバが、4校が被害に遭っております。1校は中学、高校の共用ということで、同じ場所にあるところでございます。
 校務用のサーバには、学校運営上必要な情報が保存されておりまして、様々な個人情報も含まれております。そのファイルが7,000ファイルぐらいあったんですけども、そのうち約1,600件程度のファイルに個人情報が含まれておりました。
 主なものでございますが、教職員や生徒、あるいは保護者の方の住所、氏名、電話番号、あるいはID、成績関連書類、あるいは生徒指導関連書類なども含まれておりました。
 もう一方の校内LANの方の学習用サーバにつきましては、6校が被害に遭っております。学習用サーバの方は授業に必要な情報が主に保存されておりますので、主に教材関係が主となっておりますが、ただ、個人情報として生徒の氏名なども入ったのももちろん取得さているところでございます。その辺はまだ確認作業を続けているところでございます。
 教育情報システムSEI-Netの方でございますが、こちらの方はシステムの中のファイルを窃取されたというより、先ほど御説明しましたが、メッセージ機能のところで教職員のID、氏名、メールアドレス、生徒のID、氏名を取得されまして、それを少年によって一覧として7ファイルに保存されておりまして、それは少年が作ったファイルということになろうかと思います。
 現在、個人情報が取得された生徒、あるいは卒業生の方には文書でお知らせをいたしますとともに、相談窓口を学校と教育委員会に設置いたして対応しているところでございます。
 4ページ3の覚知後の対応でございますけども、2月中旬に警視庁の方から、この不正アクセスに関する情報提供がございまして、その段階では、まず被害の拡大を防ごうということで、校内LAN、SEI-Netに係る各種パスワードの変更を実施いたしました。その後、警察の方の協力をしつつ、警察の方から御提供を頂いた情報を基にシステムの運用面、システム自体の問題点について調査を行いまして、SEI-Net、あるいは校内LANともども脆弱性の解消、それからセキュリティの強化、運用面の改善などの手立てを講じてきたところでございます。
 5ページ、今後の取組でございますけども、まず、情報セキュリティ対策の強化といたしまして、1つは、第三者委員会を設置いたします。情報セキュリティに詳しい有識者などからなります第三者委員会を設置いたしまして、今回の事案につきまして、情報技術あるいは情報セキュリティの観点から、しっかりと検証を行って、今後の強化対策に係る提言を頂くということにしております。名称は、佐賀県学校教育ネットワークセキュリティ対策検討委員会、まだ仮称でございます。情報セキュリティに造詣のある大学教授の方、あるいは弁護士の方、マスコミ関係者などを予定しておりまして、4人程度を想定して現在就任の打診をしているところでございます。会合そのものは3回程度と予定しておりますけど、随時、メール等での意見交換を活用しながら十分議論していただきたいと考えております。会議そのものはセキュリティ上の必要性から非公開といたしますけども、議論の経過については、きちんと県のホームページで公開をしていくということにしております。8月から10月頃までで、10月頃に提言を頂くということにしております。それを受けまして、事業化の検討を私たちがしていくことになります。
 6ページでございますけども、システム面における対策強化。これは現在行っている当面の対策でございますけども、学校教育ネットワークをインターネットから分離することで不正アクセスを排除して、より安全なネットワークを実現するための調査を現在実施中でございます。それから、情報セキュリティソフトウエアを導入して、監視あるいは不正利用の検知能力を向上させること、それから、そのほかのサーバのセキュリの強化を図っております。さらに、ファイルサーバの監視機能の強化、あるいは専門業者によるセキュリティ監査の実施などにつきまして検討を進めているところでございます。
 2として、セキュリティ体制の強化でございます。体制の強化を図るために県教委内に情報セキュリティ対策を担当する対策チームをまず編成いたしました。それから、情報通信技術に関する専門家でございます県の情報監を教育総務課の方に併任いたしました。情報監につきましては2月以来ずっといろいろ御助言等を頂いておったところでございますけども、今回、併任ということで、きちんと教育委員会にも身分を置きまして、対策チームや県教委における情報セキュリティ強化対策について指導・支援を得ることとしたところでございます。さらに、教育委員会におきます専門性を持った体制づくりというのが課題というふうに考えておりまして、今後、専任組織を含む体制強化について、さらに検討を行っていくこととしております。
 以上が私からの報告でございます。

【清水座長】
 ありがとうございました。
 ただいま宮崎副教育長から御説明いただきましたように、本事案につきましては、佐賀県におきまして情報セキュリティ体制が大変強化されまして、その上で今後、第三者委員会を設置され、10月頃を目途に提言が行われるということでございました。そのことから、この懇談会といたしましては、佐賀県の取組を見守ることにさせていただきまして、この場での質疑は行わないということにしたいと存じます。
 なお、佐賀県におかれましては、ICT教育の最先進県の御立場から、第三者委員会の中で、なぜこのようなことが起こったのかしっかり分析していただきまして、他の教育委員会、学校の教訓としてお示しいただくことが非常に重要なことではないかというふうに考えておりますので、是非よろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。
 それでは、「スマートスクール構想検討ワーキンググループ」におきまして取りまとめていただいた「教育情報セキュリティのための緊急提言(案)」につきまして、藤村主査より御報告をお願いいたします。

【藤村主査】
 それでは、スマートスクール構想検討ワーキンググループにおいて、校務の情報化を進めに当たっての大前提である教育の情報セキュリティについて、ワーキンググループ設置段階から重要課題としておりまして、教育情報のセキュリティの専門家、また自治体情報セキュリティの専門家にも御参加いただき、第3回、第4回の2回にわたり検討してまいりました。
 その際、ただいま御報告のあった佐賀県で発生した教育情報システムからの情報流出事案がちょうど発生したわけでありますが、本件については佐賀県だけの問題ではなく、全国の学校現場で生じ得る課題と受けとめております。このため、スマートスクール構想検討ワーキングにおいて、佐賀県の事案について現在分かっている事項を確認しつつ、関連する学校関係のインシデント等も踏まえまして、特にシステムの脆弱性に関する事項を中心に、早急に行うべき対策として緊急提言をまとめましたので御報告いたします。
 お手元の資料1-2、緊急提言(案)を御覧ください。
 1、情報セキュリティを確保するため、校務系システムと学習系システムは論理的又は物理的に分離し、児童生徒側から校務用データが見えないようにすることを徹底すること。
 2、児童生徒が利用することが前提とされている学習系システムには、個人情報を含む情報の格納は原則禁止とし、個人情報をやむを得ず格納する場合には、暗号化等の保護措置を講じること。
 3、各学校において情報セキュリティの専門家を配置することが困難な現状を踏まえれば、重要な個人情報を扱う校務系システムは、教育委員会が管理もくしは委託するセキュリティ要件を満たしたデータセンター(クラウド利用を含む)で一元的に管理すること。
 4、校務系ならびに学習系システムにおいても、教職員や児童生徒の負担増にならないよう配慮しつつ、二要素認証の導入など認証の強化を図ること。
 5、セキュリティチェックの徹底の観点から、システム構築時及び定期的な監査を実施すること。
 6、セキュリティポリシーについて、実効的な内容及び運用となっているか検証を行うこと。その際、アクセスログの6か月以上の保存、デフォルトパスワードの変更等について確認すること。
 7、教職員の情報セキュリティ意識の向上を図るため、全学校・全教職員に対する実践的な研修を実施すること。
 8、情報セキュリティの強化の観点から、教育委員会事務局への情報システムを専門とする課・係の設置や首長部局の情報システム担当との連携強化等、教育委員会事務局の体制を強化すること。
 以上が、スマートスクール構想検討ワーキングにおいて取りまとめた緊急提案となります。
 なお、本提言は、あくまで情報セキュリティに適切に配慮すれば、学校で安心して無線LANやクラウドなどのシステムを活用できることを教育委員会、学校にお伝えする趣旨であり、本事案をもって教育の情報化に向けた取組が遅れることがあってはならないことと考えております。このため、今後、各教育委員会及び学校において、これら緊急提言を踏まえ、学校現場における情報セキュリティ対策を徹底していただきつつ、積極的に教育の情報化を進めていただきたいと考えます。
 文部科学省においても、その趣旨をしっかりと各教育委員会、学校にお伝えいただきたいと存じます。
 以上になります。

【清水座長】
 ありがとうございました。
 「スマートスクール構想検討ワーキンググループ」には、情報セキュリティの専門家の先生も委員として加わっていただいております。こういったことから、佐賀県の事案のみならず、学校で生じているその他のインシデント等も踏まえて、この緊急提言(案)を策定していただいたところでございます。このため、この緊急提言(案)につきましては、本懇談会としての提言といたしたいと考えるところですけれども、御異議はございますか。

(「異議なし」の声あり)

【清水座長】
 ありがとうございます。
 それでは、異議がございませんので、懇談会としての緊急提言として文部科学省にお渡ししたいと思います。文部科学省におかれましては、本緊急提言に基づいて適切な対応を早急に進めていただきますようお願い申し上げます。ありがとうございました。

(3)「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」最終まとめ(案)について

 それでは、最終まとめ(案)について議論をしていただきたいと思いますが、最初に、3つのワーキングの主査から一言ずつ簡単にお願いしたいと思います。
 堀田主査からお願いします。

【堀田主査】
 ワーキング1の基本問題検討ワーキングの主査をいたしました堀田でございます。少しだけ補足をさせていただきたいと思います。
 13ページの下から2つ目の丸のあたりなんですが、ICTはどういう学習場面で使い得るかということと、ICTをこれからどういうふうに各教室等で整備していくかということは非常に重要な関係がございます。整備そのものはワーキング3でも御検討いただいたところですが、私どもとしては、授業の場面とICTの整備の関係をはっきり打ち出したいところでございます。
 しかしながら、これから中教審の審議が固まっていき、学習指導要領が策定されていき、アクティブ・ラーニング等の新たな授業の視点が明確になっていくという状況ですので、これからは豊富な事例等を収集し、一定のモデル化等、これから取り組んでまいりたいということでございます。
 続いて15ページですが、その整備については、第2期の教育振興基本計画、現在動いているものでございますけれども、その一番下の方に、大型提示装置が普通教室に入るというのが第2期の教育振興基本計画に入ってございますが、これがまだ十分徹底してない自治体があると。この後、第3期の振興基本計画を作っていくに当たり、これからタブレット等の情報端末が子供たちに配られたとしても大型提示装置はやはり情報共有に必要ですので、そういう観点から、第2期の整備を今のうちにしっかりとやっていくことが確認されております。
 続いて、16ページの情報端末のBYODかどうかという話ですけれども、これにつきましても、今のところ、教具と学用品のすみ分けで、概念の検討したところでございまして、次の学習指導要領で、子供たちが1人1台使う場面が推奨されるようなことがあった場合は、教育課程内の話ですので、これは確実に実施できるように整備を進める必要があり、そのことを地方公共団体に働き掛けていく必要があるということでございまして、続いて18ページの教育ICT教材整備指針は、そういう観点からも、ICTの整備を目安として国が示していくことが重視されるということが検討されました。
 22ページですが、そのためにも、官民連携コンソーシアムというのは非常に重要であるという認識でございまして、特にプログラミング教育等が話題になっていますが、一番下のところにありますように、教育課程内の学びのための教材開発にも期待をされるというところでございます。
 続いて37ページ、教員の資質・能力、とりわけICTを活用した指導における資質・能力の観点から、37ページの上から2つ目にありますように、大学の教職課程のこと、あと、一番下の丸にありますように、大学が教員養成だけではなく、現職教育の場にもなっているという観点から、大学もこの点について御配慮いただきたいというようなことです。
 38ページに参りますが、教員研修センターでリーダーの研修を行う際に、管理職や指導的教員の立場のことで、とりわけワーキング1では、管理職や指導的立場の方の理解が非常に重要であるというの意見が管理職をしている委員から多く上がりましたので、ICT担当の研修だけではなくて、管理職等の研修をしっかりと進めていく必要があるだろうと。
 また、広く、全ての教員に対しては、その下にあります教員のICT活用指導力の調査の項目のチェックリストの見直しをすることによって、全ての先生に働き掛けていくというようなことが出ております。
 以上でございます。

【清水座長】
 ありがとうございました。
 藤村主査、お願いします。

【藤村主査】
 スマートスクール構想検討ワーキンググループにつきましてですが、33ページをお開きください。私どものワーキンググループで構想いたしましたことは、従来、学習系と校務系が完全に分断されていて、全く別物として扱われていましたが、そこを情報連携を図ることによって新しい可能性が生まれるということに着目してまいりました。
 とりわけ、ここの33ページの2つ目の丸、統合型校務支援システムを単なる帳票の電子化にとどめずというところの下に様々な効果が書いておりますので、今読み上げませんけれども、この辺、いま一度読み上げていただきまして、御理解いただければと思っております。
 3点のみ強調させていただきます。1点目は、このような学習系、校務系連携により、ここに書いてあるような教育の質的改善が図られると。しかも、思いつきではなく、データドリブンスクールマネジメント、データに基づいて学校経営を改善することができるようになります。
 2点目でございます。2点目は、日本の教員は世界一忙しいというデータが出ております。したがって、そのような先生方の負担を軽減しつつ、子供と向き合って、よりよい教育をしていただくためにも、これが必要になってまいります。
 3点目でございます。3点目は、冒頭でもお話し申し上げましたとおり、教育情報セキュリティの強化でございます。情報化のために安心して情報化できるんだと。先生方、子供たちはもちろん、保護者の皆様も社会も、皆さん、安心していただけるような世界を実現していくことが必要ですが、そこにはコストも掛かる部分がございます。先生方が責任を持ってということはもちろんですが、それを技術的な部分で支援することも図っていただければと考えております。
 1点だけ、訂正をお願いいたします。57ページ、スマートスクール構想のイメージですが、これは前回の最終のワーキンググループで用語の統一をしましょうという話になりましたので、その前のデータのものですから、ここがまだ整理されておりませんので、1点だけ訂正させてください。ここで「基幹系ネットワーク」と「学習系ネットワーク」と記述していますが、校務系の部分については「校務系ネットワーク」ということで今後用語を統一しましょうということになりましたので、「基幹系」を「校務系」と訂正していただければ幸いです。
 以上でございます。

【清水座長】
 ありがとうございました。
 それでは、福田主査、お願いします。

【福田主査】
 ワーキング3、教育情報化加速化検討ワーキングの報告でございます。これまで説明でありましたワーキング1及びワーキング2での検討を踏まえる形で、本ワーキングでは、地方公共団体の取組、これを加速するためということを主眼に協議を行いました。
 主には、地方公共団体の規模や整備段階等に応じた促進策、環境整備に向けた教育委員会、学校の体制強化、特に首長部局との連携の在り方について。また、産学官、これが連携した支援体制。そして、ICT活用に必要なシステム、ネットワーク環境、機器等の仕様や標準化、推進パッケージ等について検討を行い、本懇談会に御報告させていただきました。
 皆様のお手元にあります資料につきましては、特に59ページの別添5-1、60ページの別添5-2、こちらにいわゆる首長部局と教育委員会の連携、そして、今後の在り方等についてその概要をお示ししておりますので、こういったものをごらんください。
 以上でございます。

【清水座長】
 ありがとうございました。
 それでは、委員から御意見を頂く前に、つくば市長の市原委員からペーパーが出ておりますので、事務局から御紹介をお願いします。

【松本情報教育課課長補佐】
 失礼します。机上に、「2020年代の教育の情報化に関する懇談会」、つくば市長、市原健一委員の1枚物の御意見がございますので、私の方で代読させていただきます。
 「21世紀の予測困難なグローバル社会、日々加速する情報化の流れのなかで活躍する人材を育むためには、これまでの教育に加えICTを活用した新しい教育方法が有効だと考え、各自治体で先進的ICTに取り組んでおります。
 文部科学省においても、これからの社会に求められる資質・能力である様々な情報を主体的に活用し、問題を解決したり、新たな価値を創造したりする能力の育成でのICTの効果的な活用の重要性が指摘され、特別支援教育においても、合理的配慮の社会の中で、すべての子供たちがICTを使いこなし、地域社会の一員として参画してほしいと願っています。
 しかし、我が国におけるICT教育に対する理解やICT教育環境整備はまだまだ十分とは言えない状況です。また、ICT機器整備には予算がかかり、こうした新しい取り組みは、1自治体で推進するのはなかなか難しいのが現状です。
 そこで、昨年11月に文部科学省様に御協力をいただき、『つくば市ICT教育全国首長サミット』を開催し、発起人を含め55自治体の首長様にお越しいただき、未来の子供たちのために行政と教育委員会が連携してICT教育などの教育水準の向上と魅力あるまちづくりを推進するための『ICT教育全国首長サミットつくば宣言』を採択することができました。
 開催後、大きな反響をいただき、この会をイベントで終わらせることなく、『全国ICT教育首長協議会』として立ち上げることにいたしました。
 本協議会は、文部科学省が主催する『2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会』においてもその意義が位置付けられております。
 この度、文部科学省様の御協力のもと『全国ICT教育首長協議会』を8月3日、秋葉原ダイビル2階にて開催できる運びとなりました。現在、約100名の首長様に御賛同いただいております。まだ受付しておりますので多くの首長様、教育委員会の皆様にご参加いただき、一緒に、首長と教育委員会が連携し、子供たちのために先進的ICT教育など日本の教育水準向上のための整備を目指していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」。
 以上になります。

【清水座長】
 ありがとうございました。
 それでは、委員から御発言いただきたいと思いますけれども、事務局から御説明がありましたように、この最終まとめ(案)が作られるに当たりましては、各3つのワーキングで4回ずつ会議を開きまして、精力的にまとめていただいたのを合本して統一したものでございます。そういったことから、この懇談会の委員の方もワーキングにも入っておられますので、かなり貢献度が高かったのではないかと感謝しているところでございます。
 きょう、特に御発言をお願いしたいのは、この最終まとめを踏まえて、今後どうしたらいいのかというようなアドバイス的なお考え等がありましたら、時間も限られていますので、お一人、長い演説なしの簡単な発言でお願いしたいと思います。どなたからでも結構ですけれども、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

【奈須委員】
 済みません、少し細かいことなんですけれども、48ページの別添1-1の図なんですけれども、私の参加したワーキングでも出された図で、ちょっと気になっていたことなので、最後にと思います。アクティブ・ラーニングという今回の指導要領の方法に関することが、Stage3のところからStage4のところにかけて出ています。この絵ですと、Stage3に達さないとアクティブ・ラーニングが実現できないかという誤解を招くといけないな。あるいは、Stage3のような様式を取れば、それがアクティブ・ラーニングであるという誤解も、またまずいかなと思います。アクティブ・ラーニングというのは非常に多様な方法、多様な様式の中で実現可能で、資質・能力の育成を目指す多様な実践について使っていこうということですので、Stage1、2でもできないことはない。だから、アクティブ・ラーニング、3で止まっているところの裾野を左に伸ばしていただくということなどができればなと思いました。
 済みません、以上です。

【清水座長】
 ありがとうございました。
 三宅委員、お願いします。

【三宅委員】
 2点、今後に向けてということで申し上げたいと思います。
 1つはICTの環境整備の目標ですが、今御発言いただいたところにも関連するんですが、やはり私は、Stage3のところ、プラス、この下に小さく書かれています「個人フォルダ」という、個人別に管理していくということが非常に重要だと思っておりまして、そのことをまずお願いしたいと思います。
 そのときに、一律、このStage3を目指していくのかということですが、やはり私は、高校生のところをより重点的に急いでやるべきではないかと考えています。1つの理由は、高校生は社会人に近い環境にあるということ。もう一つは、ICTの持つ機能を高いレベルで使いこなせる力を持っているためです。Stage3においても予算上の制約があるのであれば、まず高校から優先的に、ということを御検討いただいたらどうかというのが1点であります。
 第2点目として、官民連携コンソーシアムの在り方でございます。ここでは、デジタル教材の開発とか指導体制のサポートということでミッションが定められておりますが、各地域それぞれ事情がバラエティーに富んでいると思いますので、もっと実践的なレベルでのサポートにも、役割も広げてはどうかと思っています。そういう意味では、このコンソーシアムも、中央レベルというのに加えて、地域レベルでも設置してはどうかと考えます。企業の実践知も生かしながら、実践をサポートしていくようなことも検討してはどうかと思っておりますので、申し添えます。
 以上です。

【清水座長】
 ありがとうございました。ほかにございましたら、お願いします。
 はい、どうぞ。

【関委員】
 幾つかあるんですけど、まず1つ目は、今の御意見とちょっとかぶっているんですけれども、1人1台という話と、個人PCあるいはタブレットの利用と、両方関係していると思うんですが、できるだけ実質的に1人1台、常時使えるような環境を早期に実現すべきだろうと強く思っていまして、全体を同時にということでなくても私もいいと思います。高校からまず始めるということでも結構ですし、一部積極的な自治体については、まず先行してやると、小中学校まで含めてやるということでも結構だと思うんですが、いずれにしましても、常時持つことによる学習の道具としてのPC、タブレットの習熟は非常に意味があると。1人1台というのは意味があると思いますので、できるだけ早期にそれを実現することを、何とか少しでも盛り込んでいただけたらなというのが、まず第1点です。
 もう一つは、教育情報化主任のところがあったと思うんですが、非常に責任の重大なポジションだと思います。ワーキングでも申し上げました。これを担当される先生は非常に大変だと思いますので、ICT支援員がそれに当たるのかもしれませんが、この人を技術的な面でサポートする環境をしっかりと整備する必要があると思います。
 特に学校側のセキュリティも含めた環境を維持していくというのは、セキュリティの意識というのは非常に重要になりますので、例えば、新たにシステムをどかんと作る際には、一生懸命業者が考えてくれるんですが、それ以降、例えば、機材を追加したであるとか、ネットワークの構成をちょっと変更したであるとか、そういったことのたびにセキュリティの穴が空くというケースがよくありますので、そういったことも含めて、その都度、セキュリティ設計をちゃんと考えるとか、セキュリティのオペレーションをちゃんと維持していくといったことを考えられるようなサポート体制をしっかり併せて持たせてあげる必要があると思います。
 とりあえず以上でございます。ありがとうございました。

【清水座長】
 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

【小林委員】
 小林でございます。先日、佐賀県の教育委員会の情報漏洩問題ということで、校務情報は情報として非常に機微な情報だということを改めて認識したということだと思います。今後、セキュリティの検討ということを、全国的にガイドラインとかで、30ページ、31ページで御説明いただいておりますけれども、推進母体として、そういった組織をもうちょっと強化をしていく必要があるんじゃないかなと思います。自治体の行政側では、地方自治行政情報センターみたいな、J-LISのような組織、それから、標準化においてはAPPLICといった、そういった組織がございまして、こういった教育委員会に対しての全国推進組織としても、このような推進母体が、加速化という意味で必要になってくるのではないかなと思いまして、発言をさせていただきました。
 以上でございます。

【清水座長】
 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
 新井委員。

【新井委員】
 何点か、意見を申し上げます。まず最初、12ページから御説明いただきましたけれども、その前のページも含めて、非常によく書かれているなという思いがいたしまして、この内容は、恐らくこれから環境整備するときに、各自治体さんが資料を作るときの、いろいろ情報の材料になるのではないかなと思いましたので、こういった情報がまとまって出ると非常にいいなと思いました。
 あとは、先ほど来、環境整備の話が出ましたけれども、御意見が出ましたが、18ページの一番下のところ、当該指針を超えて環境整備を図る自治体を妨げるものではないということは非常に重要な観点だろうと思います。一応目安は示すけれども、それ以上の整備をするところは妨げないという姿勢が非常に大事だなと思います。
 それから、ガイドラインが、幾つかこの中でガイドラインを作るということになっておりますけれども、ガイドライン間の整合性とか用語の統一とか、そういったところに齟齬がないような配慮が必要だろうと思います。例えばセキュリティについても、先ほどのセキュリティの提言の内容を肉付けしていく形で、恐らくガイドラインが出ると思うんですが、あの提言だけですと、読み違えたり考え違いをしたりすることがありますので、ガイドラインでしっかり肉付けをして読めるようにするということと、そのことと整備ガイドラインとの整合性とか、そういったところのガイドライン間での食い違いがないようにということが1つです。
 それから、スマートスクールについての実証研究なんですが、これは実証研究に入るときに、実証研究そのもののKPIも設置した方がいいのではないか。実証研究で何が分かるのか、何ができるのかということができていればいいのかなと思います。
 全体としては、本当に短期間でよくまとめていただいたなという印象を受けております。
 以上でございます。

【清水座長】
 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
 西田委員。

【西田(光)委員】
 今回示していただいて、ありがとうございます。これまでのものはどうしても将来像を示すものが多かったのに対して、現在の状況からの道筋として段階的に示していただいたということで、多くの自治体が取り組みやすいものができてきたのかなと思います。これが進むことによって、現場の教員、私たちにとって授業、あるいは子供に向かう時間の確保、特に授業につきましては、各教室に大型提示装置が来たりとか、そういうことは非常に助かる環境になっているのではないかなと思っています。
 その推進体制として、どうしても今、セキュリティの話とかを伺っていると、弱い自治体とか弱いところが、まだちょっと心配かなというところはあろうかと思いますので、是非そういったところへの手厚い対応もお願いできればと思います。
 なお、管理職、私も管理職なんですが、管理職の意識につきましては、私たちの身の回りを見ても、認識は共通できていません。一斉の研修とかの中では、情報についてというのはほとんど取り上げられない部分もありますので、是非、管理職等の研修の中でも、何らかの形で入っていく形が取れるといいのではないかなと思います。
 以上です。ありがとうございます。

【清水座長】
 ありがとうございます。ほか、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 太田委員。

【太田委員】
 千代田区立神田一橋中学校、太田でございます。今日、来させていただいて、この最終まとめ(案)の厚さに非常に驚きました。事務局の方々の御苦労と御努力に敬意を表するとともに、お礼を申し上げたいと思います。御苦労さまでした。ありがとうございました。
 幾つかお話をさせていただきたいんですけれども、まず、現場の教員としては、授業準備の負荷の少ない形で、必要なときに必要なICT機器が活用できるようと入れていただいたことについては大変ありがたく思います。ただ、先ほど、お話の中で、大型提示装置を運ぶのは大変だというような話があって、だから、できるだけ大型提示装置を全教室にというような話が進んでいるんですけれども、何も大型提示装置だけではなくて、40台のタブレットがあっても、タブレットを持っていって、1人ずつに配って接続してというのが、現場の教員にとっては物すごく手間の掛かるものであって、常設されることができれば、使うようにはなると思います。ですから、その辺のところが、授業準備の負荷が少ない形がどういう形なのかという認識の違いがないような形で進められればうれしいなと思いながら、聞かせていただいていました。
 それから、もう一つ、コンテンツの話題がありました。官民コンソーシアムの話で、安い値段でソフトがという話があったんですけれども、安い値段が必要なのは何もソフトだけではなくて、1台1台の機器もそうですし、それから、ネットワークを構築する価格が下がることも必要でしょうし、クラウドでサーバーを使う使用料が下がってくることも必要なんではないかなと。全てのもので安価になっていくことが、学校にとって、あるいは自治体にとって広く広まっていくことの大きな条件の一つになっていくのではないかなと思います。
 それから、今、西田先生からも話がありましたけれども、教員の研修につきましては、学校の現場としても頑張ってやっていかなきゃいけないことかなと思います。情報教育主任の法的な改正も含めて考えていただけるというようなことだったんですけれども、管理職も含めて、情報教育主任であるとか、それから、養成課程のところからの学校現場との協力関係とか、そういうところも考えていかなきゃいけないところかなと思います。
 ただ、若い先生たちを見ていると、ICTを使う云々の問題よりも、授業力そのものを上げていくことの必要性ももちろんあって、若い先生たちが子供を掌握できないままタブレットを配っていくと、ただタブレットがおもちゃになってしまうというような事例もありますので、教員の授業力そのものを上げていくことが我々にとっては大事なところかなと思いながら聞かせていただきました。
 以上です。

【清水座長】
 ありがとうございました。ほか、よろしいでしょうか。
 はい。

【牛来委員】
 町田高校の牛来です。今、ちょうど小学校、中学校と来ましたので、高校からも少しお話しさせていただきます。私、ずっと一読して、お話を聞いていて一番思ったことは、時間の掛かるものと検討していくものがたくさんあるなということが分かったんですけれども、現場からすると、ICTを活用して、いかにいい授業とか興味、関心を高める授業をやるかとか、分かりやすい授業をやるかとか、授業の効率化とか校務運営の効率化をやるのかというのは、今進んでいるわけですね。ですから、これを一読したときに、「2020年代に向けて」とか「新しい学習指導要領」というのが結構入ってくると、もっと先のことでいいのではないかと捉えられてしまう部分があるんですね。ですから、どこかで、最後の、これ、「まとめ」となっていますので、「終わりに」という言葉を起こすか何かして、今、同時並行として、すぐに各学校がやらなければならないことは何なのかというメッセージも入れておく必要があるのではないかと思うんです。これ、読み間違えると、2020年だから、新しい学習指導要領だから、4年後まで待てばいいのかなという印象に取られてしまう危険性もあります。ですから、そうではないんだと。今、大事なんだというメッセージが欲しいなというのを思います。
 以上です。

【清水座長】
 ありがとうございました。そろそろよろしいでしょうか。
 はい。

【市川委員】
 私も、48ページのこの図についてなんですが、先ほど、奈須委員からも御意見ありましたけれども、Stage1、2、3、4とあるのが、実際には、このStageの間に、かなり中間的なものがあると現場でも認識していただけるといいと思うんですね。1人1台、完全に専有したものを持つというのと、教室の中だけで使うということの間には、例えば、ここに個人フォルダってありますけれども、例えば、USBメモリーは各自1つずつ持っている。学校で、授業の中でやったことを一応保存しておいて、続きをやろうと思えば、放課後には自由に使える部屋があって、そこではできるとか、あるいは家庭に持ち帰って、さらにその続きをやるとかいう。これ、1人1台のタブレットPCは大変ですけれども、1人1台のUSBメモリーだったら、今でもやろうと思えばできること。実質的には、かなり個人として利用できることにもなります。そういう中間の可能性がいろいろあることを含めて受け取られるといいなと思います。
 それから、アクティブ・ラーニングについては、先ほど奈須委員がおっしゃったとおりで、Stage3から引いてあると、どうもStage3以上にならないとアクティブ・ラーニングとは言えないと受け取られてしまうと、ちょっとまずいかなと。
 あと、物すごく細かいことですけれども、教科指導におけるICT活用。最近、中教審の答申でも、「教科等」という言い方が随分出てきましたが、総合的な学習の時間とか、これ、「教科等」になると総合的な学習の時間も入ってくると。むしろ、ICTの学習での利用というと、総合での利用は子供にとっても相当大きな利用場面だと思いますし、このあたり、言葉遣いの問題ではあるんですけれども、いわゆる教科の授業内だけではないと受け取られるような表現をした方がいいかなと思いました。
 細かいことですが、以上です。

【清水座長】
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 大川委員。

【大川委員】
 様々なことが非常にきれいにまとまって、分かりやすくなっていると思います。ありがとうございました。
 1点というか、1つ気になっているところですが、情報モラルの取り扱いについてです。情報モラルというのが、今、授業の部分の1つとして単元が切られているんですけれども、これ、環境整備と2つの柱を両方一緒にやっていかないといけないことだということは、多分、社会として認識していることだと思うんですね。新しい社会になったら、その社会でどうビヘイブするのかというのは両方大きな柱だと私は認識しています。特に大学なんかを見ていますと、きちんとした教育がしてあるから悪いことが起きないというのと同じだと思うんですね。道から石を投げればガラスは割れるんだけど、割れないようにするよりも、割らないようにする方が正しい国民の教育だと思うので、できれば情報モラルというのを、例えば、5ページから6ページに書かれている、「次世代に求められる情報活用能力の育成」と書いてあるような、活用かどうか分からないんですが、その中に一言でも入れておいていただけると、重要性をアピールできるのではないかと考えました。
 もう一つ、関連してなんですが、4ページ目に大きく「グローバル」という言葉がたくさん出てくるんですけれども、実は中に入ってきますと、ほとんど見当たらないという状況になっています。それで、1個の提案としましては、24ページにある、やはり情報モラルのところに、「グローバルな情報社会に関する理解」というような一言を入れるだけでも、情報モラルというのは、何もセキュリティのことだけではなくて、グローバルになってしまった情報社会をきちんと理解することが多分大前提だと思うので、それは一言入れていただくと、中にもグローバルということをきちんと記述というか、言及することができるんじゃないかと思いました。両方とも、情報モラルについてのコメントです。どうぞよろしくお願いします。

【清水座長】
 ありがとうございました。あとはよろしいでしょうか。
 はい、あと、お二人手が挙がっている。お一人1つということで、2回目はなしにしてください。

【関委員】
 いや、質問は、細かい点が幾つかあるんですけど、それはこの会議が終わった後で、紙とかで提出できるんでしょうか。それとも、きょう、この場で言わないとだめなんでしょうかという質問。

【清水座長】
 後ほど頂いても構いません。最後に申し上げようと思いましたが、本日の意見、あるいは、今後ももし早急に出していただきましたら、事務局と座長とよく議論しまして、修正すべき点がありましたら修正させていただきたいと思いますが、恐れ入りますが、本日が最終委員会ですので、座長預かりといいますか、座長一任という形を取らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 ほか、よろしいでしょうか。先ほど発言されましたよね。だから、簡単に。

【牛来委員】
 簡単に終わります。

【清水座長】
 ごく簡単にお願いします。

【牛来委員】
 情報モラル教育のところなんですけれども、実際に学校でやっていますけれども、つくづく感じること、情報モラル教育よりも道徳教育なんですね。だから、道徳教育をしっかりやらないと、情報モラル教育って伸びないんですね。ですから、ここの表現の中に、「道徳教育との連携を図った情報モラル教育」とか、そういう言葉を入れていった方が私はいいかなと思っています。
 以上です。

【清水座長】
 ありがとうございました。
 あと、よろしいでしょうか。もしございましたら、またメール等で、できれば本日中にお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 本日の議論をまとめさせていただきますと、本日は佐賀県の事案を御説明していただいて、第三者委員会を作られるということですので、この懇談会としては見守りたいと申し上げたところでございます。ただ、佐賀県の事例というのは非常に貴重な事例ですので、他の自治体でも非常に参考になる結果が第三者委員会の中で出てくると思いますので、それを是非よろしくお願いしたいと思います。
 なぜ、こういうことが起こったかということを中心にやられるように思ったわけですけれども、重要なことは、こういう事案が起きたときに、迅速に誰がどういうふうに対応するかということを適切にやったかどうかということなんですね。それを怠ったことがあるとすれば、それは今後、他の自治体でもきちっとやらなきゃいけないということになりますので、その対応とか、そういったことに関しても第三者委員会でお願いしたいと思います。往々にして、第三者委員会と言うと格好いいんですが、自分たちの組織を守るための第三者委員会と批判される場合もありますので、その位置付けを明確にお願いしたいと思います。
 それから、本日は、WGにて御検討いただきました結果ですが、教育情報セキュリティのための緊急提言ということで、この懇談会の提言として位置付けさせていただいて、文部科学省にお願いしたところでございます。
 それから、本日が最終委員会ということで御礼申し上げたいわけですけれども、本日、最終まとめ(案)という形で出ておりますけれども、先ほど申しましたように、若干の修正があった場合には座長一任ということでお願いしたいと思います。分厚いということで感激していただいておりますが、この懇談会は普通の懇談会とかなり違っていまして、懇談会の委員が22名なんですね。基本問題ワーキングが20人、スマートスクール構想検討ワーキングが17人、教育情報化加速化検討ワーキングが21人、これ、全部足すとちょうど80人なんですね。ダブっている人もいるとしても、これだけ多くの方々の知見がここに集約されているということで、事務局の努力といいますか、貢献も非常に大きいわけですけれども、厚く御礼申し上げたいと思います。
 この懇談会は5回でありましたけれども、通常、我々はインナー会議ということで、傍聴者なしで、委員だけで議論する回ということを何回か開かせていただきましたし、座長とワーキングの主査、副主査会議も開いております。ワーキングは、先ほど申しましたように、それぞれ4回ずつやっているということでございます。さらに、堂故政務官とともに懇談会の懇談会もさせていただいたというところであります。そして、事務局に私は感謝したいんですけれども、座長の私のところに何回も大学に打ち合わせに来てくださいまして、そういうことで、トータル的に見ますと、7月までにまとめるという方針を最初に決めたら、そのとおりにできたという、これはスピード感が非常にあった懇談会だと思うところでございます。
 本日が最後ですが、これで懇談会は終わりですけれども、その後、事務局から簡単に3つの、これからの進め方のチームとかそういうのは作られますよね。それについて磯情報教育課長から一言、今後、これを受けてこうするということを、委員の方に御紹介していただくとありがたいと思います。

【磯情報教育課長】
 それでは、御紹介をさせていただきます。こちらの最終取りまとめ、少し参照しながら御報告いたしますけれども、まず最初に、20ページをごらんいただけますでしょうか。ICT環境整備の目標の考え方、特に第3期に向けた話については、きょう頂いた御議論も含めて、こちらのまとめを基に議論を煮詰めていく必要があって、こちらは一つ、検討体制を整備していく必要があるだろうと考えております。
 2点目が、26ページをごらんいただけますでしょうか。官民連携コンソーシアムの構築でございます。こちらも、総務省さん、経産省さんと連携しながら構築していくということでありますけれども、平成26年度からの構築を目指して、速やかに検討体制を整備していくということで予定をしておるところでございます。
 3点目に、32ページでございますけれども、「教育情報セキュリティの徹底」というところで、教育情報セキュリティ対策推進チームを直ちに設置ということで、今、ちょうど私どもの方で、事務的にメンバーを今、検討しているところであります。できるだけ早めに、こちらはICT活用教育の信用といいますか、こういったものをしっかりと維持する観点からも、早急に立ち上げる必要があると考えております。
 以上でございます。

【清水座長】
 ありがとうございました。この最終報告を受けまして、今後、精力的にまた進めてくださるという御説明でございました。委員の皆様方、本当にありがとうございました。

(4)堂故大臣政務官より御挨拶

【堂故大臣政務官】
 本日も熱心に意見交換をいただきまして、ありがとうございます。2月に始まりました懇談会、まさに限られた時間でございましたが、清水座長をはじめ委員の皆様に本当に精力的に議論を深めていただいて、まさにすばらしい最終案、骨太の案をお取りまとめいただきました。本当にありがとうございました。早速でありますが、加速化プランとして作成し、制度改正、そして予算の獲得に取り組んでいかなければいけないと思います。この間、私も先進的な学校等を随分視察もさせていただきました。その中で、ICT活用については、本当に子供たちの教育環境にとってなくてはならない、アクティブな人作りにとってもなくてはならないし、また、校務改善にとっても大変重要だということを見てまいりました。
 ただ、このまま放置すると、学校間によって、あるいは自治体間によって大変な格差が生じて社会問題になってしまうという心配もしながら視察をしてまいりました。きょう、しっかりとした方向を取りまとめていただきましたし、そして、つくばの市原市長をはじめ、自治体の皆さんにも随分立ち上がっていただいたということを大変心強く思います。この上は、文部科学省、国としてもしっかりとICT教育環境の整備、大事だということで施策をしっかり進めてまいりますので、どうぞ清水座長をはじめ委員の皆さんには、引き続き御指導御鞭撻を頂きますように心からお願い申し上げます。お取りまとめ、本当にありがとうございました。

(5)その他

【清水座長】
 堂故大臣政務官、どうもありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、第5回でございますが、最終の懇談会を終了させていただきたいと思います。本当にありがとうございました。この会議以外でたくさんの労力、あるいはアイデア、知恵を出してくださいまして、ありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。

―― 了 ――

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(初等中等教育局情報教育・外国語教育課)

-- 登録:平成28年08月 --