複合化公立学校施設PFI事業のための手引書 第3章 複合化公立学校施設PFI事業の進め方1(1)


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1. 複合化公立学校施設PFI事業の一般的な進め方
 公立学校施設の整備に当たっては、教育内容や教育方法の多様化に伴う他の施設の積極的な活用、地域住民の様々な活動の拠点となる施設との有機的な連携、複数の公共施設の効率的な整備等の観点から、他の公共施設との複合的な整備が行われる場合が考えられます。このように、公立学校施設を含む複数の公共施設(以下「複合化施設」という。)を一体的に整備する場合において、PFIの導入を検討するときは、公立学校施設のみの場合と比較して、PFI事業の手続、内容等が複雑なものとなるため、その進め方について以下で説明することとします。
 なお、この手引書において対象とする「複合化施設」とは、学校施設と他の公共施設を一体的に整備することを指すこととし、学校施設を他の目的に使用する場合(学校施設の地域開放など)を含まないこととします。また、複合化施設において学校施設とは別に整備される他の施設を「併設施設」ということとします。

(1) 複合化公立学校施設PFI事業の基本的な枠組み
 公立学校施設の整備等に当たり、PFIを導入する場合、学校教育に係る業務についてはPFI事業の対象とはなりませんが、複合化施設における併設施設の整備等に係るPFI事業については、その運営の在り方により複数のパターンが考えられます。
 下記の図は併設施設の運営がサービス購入型(公共が費用を負担)を前提とした主な枠組みですが、独立採算型事業や一部公共が運営費用を負担する形の事業も考えられます。また、PFI事業の範囲や、併設施設の運営事業者とPFI事業者の関係などにより、別のパターンも考えられます。
<パターン1:併設施設の運営が公共の場合>
併設施設の運営が公共の場合の図
PFI事業者は学校施設及び併設施設の設計・建設及び維持管理を行い、公共よりサービス対価を受け取ります。
公共はPFI事業者の業務の履行を確認し、サービス対価を支払います。また、併設施設については自ら運営を行いサービスの提供を行います。利用者から支払われる利用料は公共の収入となります。
<パターン2:併設施設の運営がPFI事業者の場合>
併設施設の運営がPFI事業者の場合の図
PFI事業者は学校施設及び併設施設の設計・建設、維持管理を行うとともに、併設施設の運営を行い、公共よりサービス対価を受け取ります。利用者から支払われる利用料はPFI事業者が代行的に徴収することも可能です。
なお、併設施設が公の施設で、PFI事業者が指定管理者とされた場合、利用料をPFI事業者の収入とすることも可能です。
<パターン3:併設施設の運営が第三者の場合>
併設施設の運営が第三者の場合の図
パターン1と同様、PFI事業者は複合化施設全体の設計・建設及び維持管理を行い、公共よりサービス対価を受け取ります。
公共はPFI事業者の業務の履行を確認し、サービス対価を支払います。一方併設施設の運営については、公共がPFI事業者とは別の運営事業者に運営を委託します。
併設施設の維持管理業務は運営事業者が行う場合も想定されます。

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-- 登録:平成21年以前 --