バリアフリーパートナーに求められる支援は、区立小・中学校及び区立幼稚園(以下「小学校等」という。)に在籍する、特別な支援を要する幼児児童生徒へのサポートである。教育委員会は、小学校等から提出されるバリアフリーパートナー支援計画書兼支援者報告書の内容を精査し配置を決定する。バリアフリーパートナーは、原則として小学校等が募集をしているが、教育委員会が登録者を紹介することもある。
バリアフリーパートナー 教育委員会への登録 研修の実施 NPO法人との連携
障害の有無に関わらず、全ての人が共に生きる社会を実現するためには、共に支え合う心と、きめ細かな支援が必要である。教育の場においても、文部科学省から「特別支援教育」の方針が示され、幼児児童生徒一人一人がニーズに応じた教育を受けられるような支援が求められている。
そこで、文京区においては、平成16年度から通常の学級に在籍するLD・ADHD等の子どもたち及び心身障害学級に在籍する子どもたちに対する支援をより一層充実するために、バリアフリーパートナー(学校ボランティア)を登録・紹介する体制を整えた。
文京区には幼稚園10園・小学校20校・中学校11校があり、また、そのうち4小学校、2中学校に心身障害学級(東京都の呼称)を設置している。その全てを対象としている。
主な支援内容としては、幼稚園においては、保育中における保育室・プール・園庭での見守りや園外保育の付き添い等、小・中学校においては、授業中や校内行事における教室・プール・校庭での見守りや校外授業(社会科見学、音楽鑑賞教室、演劇鑑賞教室など)の付き添い等が挙げられる。また、心身障害学級においては、通常の学級との交流及び共同学習を行う際によりきめ細かな支援が必要となるため、活動の見守りや付き添い等が支援内容となる。
バリアフリーパートナーには、特別な資格を求めておらず、子どもたちに、温かい気持ちで接することができる方を第一に考えている。熱意のある大学生・大学院生や主婦等の区民の方を広く公募している。したがって、学校ボランティアと位置付け、謝礼についても交通実費相当額として、最低半日を単位として1回1,000円と設定している。なお、給食を共にして支援する場合やプールにおける授業を支援する場合は、それぞれ1回500円を加算する。
小学校等は、バリアフリーパートナー支援計画に基づき、校内での支援体制を整えると共に、バリアフリーパートナーの育成及び計画的・継続的活用を図っている。特に、特別な支援を要する幼児児童生徒のニーズに応じた具体的な支援内容について、学校側とバリアフリーパートナーとが事前に十分な打ち合せをするようにしている。
事業運営の一部をNPO法人「えこお」に委託し、バリアフリーパートナー事業を協働して推進している。事業全体の約15パーセント程度はNPOが担っており、人材の確保が急務となっている現状で、効果を上げている。また、人材育成の面でも研修等で連携して進めており、量的質的な両面からの連携を深めてきた。
バリアフリーパートナーの専門性を高めるため、特別支援教育への理解と幼児児童生徒への接し方など基本的内容について、年2回研修を行っている。講師は、文京区教育委員会指導室の指導主事等が行い、具体的な事例も交えながら支援のポイントについてアドバイスをし、実践的な内容としている。
-- 登録:平成21年以前 --