特別支援教育について

特別支援教育関係 ボランティア活用事例集 はじめに

 我が国が目指すべき社会は、障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会です。
 その実現のため、障害者基本法や障害者基本計画に基づき、ノーマライゼーションの理念に基づく障害者の社会への参加・参画に向けた総合的な施策が政府全体で推進されており、その中で、学校教育は、障害者の自立と社会参加を見通した取組を含め、重要な役割を果たすことが求められています。
 そうした中で、文部科学省では、小・中学校等の通常の学級に在籍している発達障害のある子どもを含め、すべての障害のある子どもの教育的支援のために、制度の改正や事業の実施など様々な施策を通じて特別支援教育を推進してきました。
 特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものです。
 その特別支援教育を適切に実施するために、文部科学省では、全都道府県教育委員会に対し、平成15年度から「特別支援教育体制推進事業」を委嘱し、特別支援教育の体制を整備する取組を全国で推進していただいております。
 この事業は、幼稚園から高等学校までを対象に実施しており、医療・保健・福祉・労働等の関係機関と連携した「個別の教育支援計画」に基づき、乳幼児期から就労に至るまでの一貫した支援体制の整備を目指しています。
 本事業も4年目を迎え、各推進地域を中心に全国で体制の整備がなされつつあります。そうした中、新たに地域の人材を特別支援教育のボランティア等として活用する試みも始まっております。
 このたび、支援体制の一層の充実を図るため、上記のような先行の優良事例を集めた事例集を作成し、配付することとしました。
 関係各位において、今後、地方財政措置により拡充が期待されている特別支援教育支援員の配置や、新たに特別支援教育体制推進事業の対象となる学生支援員の活用など、特別支援教育の体制の充実を図られる際の参考にしていただければ幸いです。
 終わりに、本事例集の作成に当たりまして、各教育委員会の指導主事並びに関係地域・学校の教職員の皆様の多大なご協力をいただきました。この紙面をお借りして、ご協力いただいた皆様に、心から感謝申し上げます。

平成19年3月

文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課長
瀧本 寛

-- 登録:平成21年以前 --