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特別支援教育について

中学校の通常学級と特別支援学級(知的障害)との交流及び共同学習

学校の現状

 本校の特別支援学級は知的障害3学級と肢体不自由1学級が設置されています。それぞれの生徒は、通常の学級に交流学級があり、主に全校行事や学年行事の際、一緒に活動します。
 入学してきた1学年の生徒に対して、入学した最初の学年集会の際に特別支援教育担当者が特別支援学級についての講話をします。「この学校には、特別支援学級(知的障害と肢体不自由)があり、この学級には皆と同じ個性的な生徒が在籍しています」、「この学級の生徒は、一人一人、得意なこともあれば苦手なことがありますが、同じ仲間として大切にしてください」などと伝えます。

ガイド:担当者が事前に理解促進のための話をする。

 「子どものころから一緒に活動することを繰り返すことで障害のある子どもと障害のない子どもの相互理解は進むものです」とは言っても、中学生になって初めて障害のある生徒に接する場合には、事前に正しい知識をもっていたほうがよいと思われます。

 本校は、生徒会活動を中心とした合唱や応援の取組が盛んで、年度初めには、1年生対象の応援練習に特別支援学級の1、2年生が参加し、交流学級で練習を行います。そこで学んだ応援がもとになり、更にレパートリーを増やして5月の体育祭での応援に生かしています。体育祭前の練習は全校が四つの縦割りグループに分かれて行われます。また、合唱の取組は、年間を通して学級ごとに行われており、秋の文化祭が大きな山場です。3学期には卒業式に向けた合唱の取組があります。
 特別支援学級の歴史は古く、知的障害学級が開設されてから54年、肢体不自由学級が開設されてから31年が経過しました。歴代担当者の取組を生かして、全校での取組の際には、まず特別支援学級のことを優先的に考えています。時間割の編成も最初に特別支援学級から編成し、その後全体の時間割が決まります。
 生徒会では、生徒会執行部の生徒が特別支援担当者と、生徒会行事への参加方法等について事前に打合せをします。執行部の生徒は、生徒会運営上、必ず特別支援学級への配慮が組み込まれていることを1、2年生のころから学んできているので、このような打合せはごく自然にできるようになります。これは本校の慣例となっていて、執行部は特別支援学級をしっかり配慮する担当であるという意識が定着しています。

ガイド:児童会や生徒会等の活動に組み込んで、担当する役割を明確にする。

 生徒会の組織として、特別支援学級を担当する部署が決まっていることはとても大切です。このようなことが受け継がれていくことで、生徒たち自身が、特別支援学級の生徒を自分の仲間として認め、教員任せではない交流及び共同学習が進んでいくのです。

交流及び共同学習の実際

 特別支援学級の生徒は少人数での活動が多いためか、大きな集団の中では積極的に活動していくことが少ないように思われます。そこで、同年代の多くの仲間と共に活動することで、意欲をもって主体的に活動することができるようにしたいと考えました。また、迎える交流学級の生徒にとっても、共に活動する中で相手が困っていることを理解し、手を差し伸べることができるようになることを願っています。

1 ねらい

 教育課程上、特別活動として位置付け、応援練習・修学旅行・体育祭・文化祭等の行事の中で、以下のことをねらいとしています。

  • 自分の目標を明確にし、努力しようとする意識をもつ。
  • 思いやりの気持ちをもって仲間と接することができる。

 特別支援学級の生徒は、これらに加えて「自分の得意なことや苦手なことが分かり、できることは自信をもって活動する場面を増やしていく」こともねらいとしました。

2 指導に当たって工夫したこと

 文化祭や卒業式に向けての合唱の練習が始まる前には、特別支援学級の音楽担当者は、特別支援学級担任や他の音楽担当者と、どのようにしたら中学生が取り組む合唱に、特別支援学級の生徒が無理なく参加することができるのかを相談します。生徒の音楽に対する興味・関心の度合いや歌の技能等の個別の事情を考慮して、パート決めについて本人に助言することもあります。しかし、相談の中心になるのは、通常の学級の生徒と同じ教材を用いることを前提として、どのような工夫をすれば、無理なく一緒に活動ができるのかということです。
 実際に文化祭や卒業に向けての練習が始まると、特別支援学級での授業で、自信をもって歌えるまで十分に練習します。音楽の時間のほか、特別支援学級で朝の会・昼休み・放課後にも練習します。
 特別支援学級の音楽担当者は、他の音楽担当者と共に事前に楽譜の準備やパート録音テープを作成しておきます。楽譜には、各パートが分かりやすいように蛍光ペンでアンダーラインを引いておきます。パート録音テープは、歌のみ、ピアノ伴奏のみ、歌とピアノ伴奏の両方を吹き込んだものを作成します。各学年4クラス分のソプラノ、アルト、テノール、バスのテープを一人一人に作ります。この楽譜や録音テープを使えば、家でも練習することができます。

ガイド:どのように工夫すれば、障害のある子どもが参加できるかを検討する。

 障害のある児童生徒が参加できるかどうかを検討するのではなく、参加することを前提として、どのような工夫をすればよいのかを考えていくことが重要です。大切なのは、本人が主体的に参加し、共に活動してやり遂げた喜びを味わえるようにするための工夫です。

3 指導の効果

 合唱に関しては、特別支援学級の生徒が練習を重ねて、ある程度自信をもつようになると、交流学級での練習にも円滑に参加することができるようになります。強弱のつけ方や口の開け方等について音楽担当が指導すると、友達の歌う様子を見て、自分で課題を決めて練習に取り組むことができるようになります。
 このようにして3年間取り組む中で、生徒同士の関係は深まり、好ましいかかわり方ができるようになります。
 また、肢体不自由特別支援学級の存在も大きな意味をもっています。肢体不自由のある生徒に対する周囲の目はとても温かいと感じます。おそらく、誰もが校内のいたるところで、先輩がこの学級の生徒たちの支援を行う姿を見ていることが、理解につながる無意識の学習になっているのでしょう。その気持ちをもとにして知的障害のある生徒の理解も進んでいくように思われます。

-- 登録:平成21年以前 --