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特別支援教育について

小学校と特別支援学校(病弱)との交流及び共同学習

学校の現状

 本校と相手の特別支援学校(病弱)は徒歩で7~8分の距離にあります。移動時間の面から考えると非常に恵まれた環境にあります。本校では、学校目標である「広く、明るく、たくましい子ども」の育成に向けて、特に「人と人とのかかわり合い」を深める教育活動の推進に力を入れています。そして、その重点努力事項として特別支援学校との交流及び共同学習の推進を掲げています。
 一方、特別支援学校では、学年の子どもの数が少ないことから、入院期間における集団での活動や同学年の子ども同士の遊びといった経験の不足を課題として抱えています。本校と特別支援学校との交流及び共同学習は、互いの学校の目指す子ども像実現に向けた共同・協力的な取組として学校・学年行事の中に定着した活動となっています。

ガイド:両者の教育目標にどのように合致しているのかを確認しておく。

 交流及び共同学習が、両校の教育目標に対してどのように貢献するか整理しておくことが大切です。これにより、この活動が両校の子どもたちの成長につながることが共通理解されます。

交流及び共同学習の実際

 学年ごとに年間4回の交流及び共同学習を軸とし、その前後における招待状や感想文のやり取り等を通してかかわりを深めています。活動は各教科、特別活動、総合的な学習の時間として実施し、互いを理解し合うために子どもたち同士のかかわり合いが多く引き出せるような内容を工夫しています。活動内容が違っても事前から事後までどの学年も同じ流れで交流及び共同学習を進めています。そのため、子どもたちは学年が進むにつれて見通しをもって内容を工夫したり、かかわりを深めたりしながら活動に取り組んでいます。

ガイド:活動の流れを一定にしておく。

 障害のある子どもたちにとってばかりでなく、障害のない子どもたちにとっても活動の流れを見通すことができると主体的に活動ができるようになります。このように、学年が進むにつれて活動の質が向上したのは、上記の理由によります。

1 主な活動内容

  内容
学年ごとの活動 低学年
  • 特別支援学校の学校案内、ゲーム集会(学活)
  • ロケットや転がるおもちゃなどを作って遊ぶ活動(図工)
  • ビッグバレーボール(体育)
中学年
  • 特別支援学校まるばつクイズ、ビデオレター交換(学活)
  • リコーダー演奏(音楽)
  • ビッグバレーボール、ドッジボール(体育)
  • 車いす体験、学校まつりコーナー作り(総合)
高学年
  • 手話を取り入れた歌(音楽)
  • ゲーム集会(学活)
  • 英語を楽しもう、車いすリレー、床移動体験(総合)

学校まつり 小学校で7月に行われている児童会行事です。3年生以上が学級ごとに2つのコーナー(お化け屋敷、ゲーム、製作等)を出し、一緒に運営したり、遊んで回ったりします。昨年から特別支援学校のコーナーも設置されました。
学芸会 11月に小学校で行われる児童公開日に特別支援学校(全学年)の子どもたちを招待します。特別支援学校の児童公開日には小学校4年生全員が見学に行きます。
運動会 互いに招待状を交換し合い、学校・学年で紹介します。当日の見学を呼びかけています。

ガイド:障害のない子どもが日常的に行う行事に、障害のある子どもが参加する。

 小学校で通常行っている学級、学年、学校の行事に特別支援学校の子どもたちも参加するという取組が継続的な交流及び共同学習につながります。

 本校と交流及び共同学習を行っている特別支援学校の子どもたちの大部分は治療のために入院生活を送っています。車いすを使用している人は多数いますが、活発に活動し、大変元気のよい子どもたちです。

2 活動の様子

  教師の働きかけ 引き出された子どもの言葉や姿
事前の活動 一緒に活動する子どもを紹介し、親しくなろうとする気持ちを高める。
  • 身体状況の説明
  • 入院生活の状況の説明
  • 手紙や写真の交換
  • まるまるさんってどんな子かなあ」
  • 「みんなの顔を覚えてくれるかなあ」
  • 「この前会った時よりも元気になっているかなあ」
  • 「一緒のグループになりたい!」
  • 中には放課後や休みの日にお見舞いに行ったという子どももいました。
活動可能な内容の見通しをもたせ、みんなが楽しめる活動になるような計画を立てさせる。
  • 「校内を車いすが通りやすいように代表委員会で呼びかけよう」
  • 「互いの学級紹介がしたい」
  • 「車いすはゆっくり押すようにしよう」
  • 準備は一緒にできないが、当日はスタッフの一員として参加できるように役割を考えていました。
本時の活動 子どもたちの力で計画通りに活動できるように支援する。
  • 思っていたよりも車いすの幅があり、通れないコースがありました。子どもの中から「これじゃあ通れないよ。みんなで(物を)片付けようよ」という声があがりました。また、車いすが通りやすいように先導する子どもも現れました。
  • 時間、場所、用具の整備
  • 安全面の配慮
  • 「ぼくたちも特別支援学校の遊びのコーナーのお手伝いがしたい!」
  • 車いすに座ると目の位置が低くなることに気付いた子どもが、「まるまるさんが見やすいように場所をあけてあげよう」と友達に提案する様子が見られました。
  • 特別支援学校の友達が来てくれたことを喜んで、自分たちが作った作品や遊びのコーナーを案内する中で自然と会話が弾んでいました。
よいかかわり合いを引き出すために、必要に応じて雰囲気作りや場作りに努める。
  • 互いのよいところの紹介
  • グループ作りの工夫
  • 会話のきっかけとなる話題提供
  • まるまる君は足に装具をつけているけど、鬼ごっことかで早く動けてすごかったなあ」
  • まるまる君は工作が得意なんだよ。羽をとっても上手に付けていたね」
  • 音楽の合奏では役割交換をしながら演奏したことで互いに教え合う姿が見られました。
  • 小グループを作ったり、材料や道具を共同で使う設定にしたりしたことで親近感がわき、楽しい雰囲気で活動することができました。特別支援学校の子どもから「今度はさんかくさんかくをしよう」と積極的に提案してくる姿が見られました。
  • 初めに仲間作りゲームを取り入れました。好きな食べ物等を紹介し合う中から共通の話題が見つかり、会話のきっかけとなりました。
  • 特別支援学校の友達を見て、「緊張しているみたいだね」と温かく見守る姿が見られました。
  • 「次の交流はさんかくさんかくだよ。待ってるね」と自然に声をかけている姿が見られました。
事後の活動 交流及び共同学習を行って楽しかったこと、よかったことを振り返り、次の活動への期待感を高める。
  • 礼状や感想文の交換
  • 写真の教室掲示
  • 「車いすや病気の友達が明るくて自分たちと変わらないことが分かりました」
  • 「学芸会も見に来てくれるんだって。がんばろう!」
  • よかったことだけではなく、「この高さなら車いすでも手が届くと思ったけど、届かなかった。今度はもっと考えよう」といった次の活動への課題も出されました。
  • 特別支援学校の友達がどんな様子で、どんなことを話していたのかを紹介し合って、また会えることを楽しみにしていました。
  • 掲示してある写真を見て、「まるまる君も今勉強してるのかなあ」と思い出して話す子どもがいました。

ガイド:よかったことを中心に振り返りをする。

 子どもたちの活躍をほめることが基本です。よかったことを中心に振り返りをすることで、「楽しかった」「うれしかった」という気持ちが特別支援学校の友達ともっと親しくなりたいという気持ちを育てます。また、次の交流及び共同学習に対する意欲も生まれます。

3 指導の効果

 本校の子どもたちは、特別支援学校の子どもたちとの交流及び共同学習をとても楽しみにするようになりました。それは、「何かしてあげよう」といった気持ちではなく、友達の一人として一緒に活動したり、自分たちの学校や学級のよいところを紹介し合ったりという「共に学び合う」ことにうれしさを感じているからです。
 子どもたちは初めからそのような姿勢でこの活動に臨んでいたわけではありません。1年間に複数回の交流及び共同学習を1年生から6年生まで継続的に行ってきたことによりはぐくまれてきたものと考えています。この活動を始めたばかりの低学年の子どもたちの多くは、特別支援学校の友達を見ると、「車いすで入院生活を送っていて、かわいそう」という気持ちをもつ傾向にあります。しかし、活動を重ねるたびに互いをよく理解し合い、身体や生活の状況が違うことに対しては相手を気遣う優しさが育っていきます。また、活動においては、自分たちと変わらない対等の立場で競い合ったり協力したりという子どもらしい自然なかかわり合いが見られるようになっていきます。
 現在、本校の子どもたちにとってこの交流及び共同学習は、互いの活躍を認め合う機会として大きな励みとなっています。そして、それは当初のねらいであった「人と人とのかかわり合い」だけではなく、自主性や行動力をも伸ばすきっかけにもなっています。

-- 登録:平成21年以前 --