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特別支援教育について

小学校と特別支援学校(知的障害)との交流及び共同学習

学校の現状

 本校は、特別支援学校(知的障害)に隣接しています。本校が開校した翌年の昭和57年から、特別支援学校との交流及び共同学習が始まりました。最初は、児童会役員と6年生のみの活動でしたが、現在は、両校の子どもたち全体の活動になっています。
 実際の活動としては、交流会を年間5回程度行っています。その計画は、両校が交互に立案し、連絡会も交互に開くようにしています。
 交流会は、教育課程上、総合的な学習の時間に位置付けています。

ガイド:両者が役割分担し、交互に連絡会を実施する。

 活動場所や連絡会の会場をあらかじめ計画しておきます。どちらか一方に負担がかからないように交互に進めていくとよいでしょう。

<交流の1年間>

 年度の初めに行われる交流会を「なかよくなろう会」と称しています。学年全体で6月までに実施します。時間割は3校時に固定しています。
 以降の交流会をしばらく「なかよしタイム」と呼び、学級単位で3回程度の計画を組みます。そして、年度最後の交流会を「ありがとうの会」と呼び、2月中に学年全体として交流会を行います。こうして1年間の活動は終了します。
 これらの活動は、毎月発行する交流便りで保護者に知らせています。その中で、子どもの感想や活動の様子を掲載しています。

<交流の1年間-職員の視点から->

 年度初めに両校の全教員で「交流全体会」を行い、交流及び共同学習のねらいを確認し、年間計画を作成しながら、両校の子どもたちの実態を共通理解していきます。年度末には全教員で「交流ありがとうの会」(反省会)を行います。1年間を振り返り、次年度の交流会を円滑に進めるための引継ぎをします。
 年度初めは、交流会の実施予定の月行事がはっきりしません。そこで、交流会の年間計画については、おおまかに日にちを決めておきます。予定される日が近づいてきたら当番校が事前に相手校に連絡をとり、交流会の詳細を決定していきます。この手順により、両者の綿密な連携の必要性を実感することができます。
 また、事前に交流会の活動内容を共通理解しておくことも重要です。特に特別支援学校の子どもたちは事前に活動の内容を知っていることで、安心して参加することができます。

ガイド:全教員を対象として交流及び共同学習をテーマにした研修会を実施する。

 子どもたちが相互理解を深めるためには、まず教員が障害や障害のある子どもについて理解しておくことが必要です。その際、知識だけでなく、子ども一人一人の実態についても理解できるとさらによいでしょう。

交流及び共同学習の実際

1 ねらい

  • ア 障害を認め、どの子どももかけがえのない仲間として互いに協力しながら育つことの大切さが分かる。
  • イ 障害を理解し、友達に対する接し方を身に付ける。
  • ウ 様々な人々に出会った時、人間尊重の温かい思いやりのある行動をとることができる。

 さらに、本校ではキャリア教育の視点から「特別支援学校で働く人々の姿に触れ、人のために尽くし、人を育てる仕事を知る」こともねらいとしています。特に、キャリア教育推進のための中核である「かかわる力」を育成するための具体的方策として、特別支援学校との交流及び共同学習の果たす役割は大きいのです。

2 指導計画

 交流会を円滑に実施するために、以下のようにしています。

  • ア 当番校が1週間前までに計画書を相手校に送り、活動の具体的内容を両者が理解しておくこと。
  • イ 交流会を終えた後は、毎回反省会で両者の記録を交換し、次の交流会に生かせるようにすること。

3 実施例

<5年生の計画「なかよくなろう会」>

○ 内容
  • 歌「きみとぼくのあいだに」
  • 自己紹介タイム(グループごと)
  • ゲーム「マットに入れ!」(いす取りゲームの要領で音楽が止まったらグループでまとまってマットに乗る)
○ 「なかよくなろう会」反省(特別支援学校教員の記録用紙より)
  • 小学校の子どもたちが特別支援学校の子どもたちに合わせて歩いてくれて、グループみんなでやる意味が分かっていてとてもよかった。

<2年生の計画「ありがとうの会」>

○ 内容
  • 歌とダンス「手をつなごう」
  • 電車で出発進行!(3グループ)
○ 「ありがとうの会」反省(特別支援学校教員の記録用紙より)
  • 小学校の子どもたちの手作り列車が心温まるものでうれしかった。一人一人のキャラクターが描かれていて特別支援学校の子どもたちもとても喜んでいた。

<年間計画(2、5年)>

交流会 2年 5年
なかよくなろう会
  • 6月・特別支援学校
  • 5月・特別支援学校
なかよしタイム(3回)
  • 6月・特別支援学校
    [手つなぎ列車、サファリバスケット]
  • 12月・特別支援学校
    [サンタリレー]
  • 1月・小学校
    [電車で出発進行!]
  • 5月・特別支援学校
    [マットに入れ!]
  • 7月・特別支援学校
    [かき氷作り]
  • 1月・小学校
    [なかよしパンツ]
ありがとうの会
  • 2月・小学校
  • 2月・小学校

<その他の交流計画>

 ほかにも交流及び共同学習として年間を通して、作品による交流を行っています。毎月学年を決め、両者の図工作品(絵画、立体作品)を相手校で掲示・展示しています。また、ペアの児童に年賀状を出すという交流も行っています。

4 指導に当たって工夫したこと

ア 交流及び共同学習の意識付け

 毎年一緒に活動するペアを決めます。その子どもと年間を通じて一緒に活動をします。最初の「なかよくなろう会」までにペアを決めておきます。互いに顔写真を撮り、両校の学級に名前を入れて掲示しておきます。特別支援学校の子どもにとって小学校のペアの子どもの顔写真を常に見ることができるので、本校の子どもと早く親しくなることができます。

イ 交流及び共同学習の支援

 交流及び共同学習で使用する手順表は、特別支援学校の子どもたちが見て理解しやすいように絵で表すようにしています。話もハンドサインやジェスチャーをつけて話すと伝わりやすいことを本校の子どもたちに伝えておき、事前に練習もします。子ども同士のコミュニケーションが円滑に進むよう、あらかじめ支援しておきます。

ガイド:活動の手順の伝え方等を工夫し、その方法に慣れておく。

 障害のある子どもに分かりやすいコミュニケーションの方法の工夫は、長期休業中に特別支援学校の教員を講師に招き、交流会での特別支援学校の子どもに対する接し方や本校に在籍する特別な支援を必要とする子どもに対する接し方を学ぶ研修を通してできあがったものです。さらに、障害のない子どももその方法に慣れておくことが大切です。

5 指導の効果

 2年生の交流「ありがとうの会」は、特別支援学校の保護者参観会を兼ねていました。終了後、保護者から以下のような感想が寄せられました。
「昨日の交流を見学する前は、普通の子どもたちはうちのような子どもを変な目で見たり、例えば、手をつなぐのも嫌そうな態度をとられたりするのではないかと実はドキドキでした。でも実際見てみると、ペアの子どもたちやその他の子どもたちもみんなよくかかわってくれていて、優しいなと思いました」
 本校の子どもたちを見ていると、低学年のうちは、「お世話をする」「面倒をみてあげる」という意識が強く働き、ややもするとお節介をやく場面も見受けられますが、中学年、高学年になるにつれて、特別支援学校の子どもの障害を本校の子どもたちなりに受け入れ、理解した上で、「一緒に楽しく活動する」という接し方へと変化していきます。
 特別支援学校の友達の障害や性格についてもよく分かってくるので、その子どもを全面的に理解した上で一緒に活動する姿が見られるようになります。
 こうした思いやりの心は、学級生活の中においても相手を受け止め、いたわる気持ちでかかわることができるまでに子どもたちが成長できることを期待させるものです。

ガイド:最初は小さな集団から活動をスタートする。

 本校では、交流及び共同学習のペアを決め、継続してかかわっていきます。小さな固定的な集団でかかわり方を身に付けることで、互いに深く理解し、相手に寄り添った接し方ができるようになります。こういったかかわり方を身に付けると、人間関係を広げていくことができるようになります。

-- 登録:平成21年以前 --