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特別支援教育について

第2章 交流及び共同学習の展開

 ここでは、小・中学校等で交流及び共同学習を実際に推進していく際のおよその手順を説明します。
 どのような活動においても共通して重要なことは、節ごとに2~3項目ずつ太字で強調しました。また、それを達成するためには、具体的にどのようにしていけばよいのかをガイドという形で示しました。各ガイドをクリックすると事例につながります。

1 関係者の共通理解

 交流及び共同学習については、小・中学校等の通常の学級と特別支援学校や小・中学校の特別支援学級等との間で行うことが考えられます。その両者で交流及び共同学習を計画する場合には、関係者が互いにその必要性、意義等について十分に理解し合うことが大切です。
 特に、交流及び共同学習は、
  太字ここから両者の成長につながることを共通理解しましょう。太字ここまで
 具体的には、両者の教育目標にどのように合致しているのかを確認しておくとともに、両者にどのような教育的効果があるのかを明らかにしておくことなどが大切です。こういったことを理解するために、
  太字ここから両者が話し合う機会を計画的に確保しましょう。太字ここまで
 そのためには、打合せを年間計画に位置付けるなどの工夫が考えられます。
 両者の組織の有機的な連携や協力体制が確保されることで、活動の意義やねらい、相手校や相手学級の教育の実際、障害のある子どもへの接し方等についての関係者の共通理解が進みます。

2 組織づくり

 様々な活動を効果的かつ円滑に進めるためには、例えば、両者が役割分担し、交互に連絡会を実施したり、全教員を対象として交流及び共同学習をテーマにした研修会を実施したりするなどの工夫が考えられます。
 具体的には、
  太字ここから交流及び共同学習のための組織づくりを行うことが必要です。太字ここまで
 教職員や組織の担当者が、互いに相手の学校や学級、団体の状況、子どもたちの実態を正しく理解し、必要な準備を行います。
 こういった組織は、交流及び共同学習の実施後に、反省会を行ったり、指導計画や指導内容・方法等の改善を行ったりするためにも欠かせないものです。
 また、教職員の組織づくりだけでなく、場合によっては、児童会や生徒会等の活動に組み込んで、担当する役割を明確にすることもできます。子どもの発達の状況に応じて工夫しましょう。

3 指導計画の作成

 交流及び共同学習の実施に当たっては、年間指導計画や活動ごとの指導計画を作成する必要があります。その際には、教育課程上の位置付け、評価計画、交流及び共同学習の形態や内容、回数、時間、場所、両者の役割分担、協力体制等について事前に十分検討することが大切です。その際、
  太字ここから活動を無理なく継続的に繰り返すことができるようにしましょう。太字ここまで
 活動内容には、例えば、
  太字ここから体験的な活動を取り入れる太字ここまで
と効果的です。また、どのように工夫すれば、その活動に障害のある子どもが参加できるかを検討する際には、複数の教員の視点から、また様々な角度から、慎重に吟味することが必要です。
 さらに、特別支援学級に在籍する子どもたちとの交流及び共同学習においては、活動の時間を継続的・計画的に設けることができるようにするため、全校の時間割を特別支援学級の事情を考慮しながら決定することなどが大切です。時間割は、随時変更することが困難な場合もあることから、年度当初に活動を見越して決めておくことが重要です。
 なお、障害のない子どもが日常的に行う行事に、障害のある子どもが参加することなどは、無理なく継続的に実施できる交流及び共同学習につながるでしょう。

4 事前学習

 交流及び共同学習を円滑に進めるためには、実際の活動内容や役割分担等について、事前学習を行うことが大切です。そのためには、
  太字ここから障害の特性やその子どもの個性についての理解を進めます。太字ここまで
 例えば、実際の活動を行う前に下駄箱や机、椅子等を双方に用意するなどして、まず、障害のある子どもがそれぞれの活動場所で所属意識をもつことができるように工夫することが大切です。こうしたことは、子どもたちが安心して活動に参加することにつながると同時に、障害のない子どもたちにとっては、自然に友達を受け入れるための大切な事前学習にもなります。
 障害のない子どもたちや関係者が行う事前学習には、障害についての正しい知識、障害のある子どもたちへの適切な支援や協力の仕方等についての理解を促すことなどが考えられます。
 例えば、子どもの代表者が事前に相手校を訪問し、親しくなっておくことは、子どもの立場からの理解を推進することに役立ちます。そういった理解をもとにして活動の手順の伝え方等を工夫し、その方法に慣れておくことも有効です。
 事前学習を充実させるには、担当する教員同士が事前の打合せや情報交換等を入念に行い、互いに理解を深めておくことが必要です。
 また、障害のある子どもたちに対する事前指導には、積極的な行動、支援や協力の求め方・断り方、自分の気持ちの表現の仕方等についての理解を図ることなどが考えられます。例えば、視覚障害のある子どもが点字教科書等の教材・教具を持参して使用する場合には、持参する教材・教具について、本人が障害のない子どもに説明できるようにしておくことなどを、事前学習に組み入れるように依頼しておけばよいでしょう。

5 交流及び共同学習の実際

 実際に交流及び共同学習を行う際に、
  太字ここから安全確保を最優先することは非常に大切です。太字ここまで
 普段何気なく過ごしている教室や校舎が、障害のある子どもにとっての思いもよらない危険を潜ませている場合があるからです。
 バリアフリー化された校舎を活動場所にすることが可能な場合は、大いに活用するとよいでしょう。
 その際には、次のような点に配慮することが必要です。

  • 太字ここから子どもたちが主体的に活動に取り組むことができるようにする。
  • 障害のある子どもたちの活動の状況や周囲の者の支援の様子を常に把握し、円滑に活動できるよう指導・助言する。
  • 事故防止に努めるとともに、活動が負担過重にならないように留意する。太字ここまで

 主体的に活動に取り組むことができるようにするためには、活動の流れを一定にしておくことが役立ちます。そうすることで、小・中学校等の子どもも、特別支援学校等の子どもも互いに見通しをもって自分から活動することができるようになります。また、活動によっては、実際の活動の様子を見ながら内容を調整していくことで、両者のねらいに即した柔軟で円滑な活動を行うことができます。
 両者が活動に意欲的に取り組むことができるならば、その中からは自然に触れ合いが生まれ、交流及び共同学習も継続していくでしょう。そのためには、共に活動を楽しむことを大切にするよう工夫してみましょう。
 なお、身体的あるいは精神的に疲れやすい子どももいます。表情や動き等をよく見て、負担過重とならないよう留意しましょう。

6 事後学習

 交流及び共同学習を実施した後、活動してみてどう感じたか、今後どのような活動をしていきたいかなどについて、振り返ってみたり、周囲の人に伝えたりすることで、交流及び共同学習に対する
  太字ここから関心を一層深めるようにすることが大切です。太字ここまで
 例えば、その結果や活動の様子等を学校便り等を活用して広く伝えることは、相互の理解を深める絶好の機会です。また、子どもたちが感想や印象を作文や絵にまとめる機会を設けることなどもよい方法です。その際には、よかったことを中心に振り返りをすることで、更に意欲的に取り組むことができるようになります。
 さらに、写真やビデオ等を効果的に利用することにより、子どもたちが、具体的に活動を想起できるようになり、次回への期待を高めることができるようになります。保護者の理解を得るなどして、できる範囲で撮影しておくといいでしょう。
 このように
  太字ここから様々な手段で、次回への期待を高めていきましょう。太字ここまで

7 評価の方法

 小・中学校等において交流及び共同学習の評価を行うに当たっては、

  • 太字ここから各教科・領域等の学習においてどのような力が身に付いたか。
  • 活動を通して、相互理解がどのように進んだか。太字ここまで

 の両面を適切に評価したいものです。
 そのためには、双方の子どもに対して事前にねらいを明確にしておくことが大切です。このねらいに応じて活動を具体的に評価し、各教科・領域等の学習においてどのような力が身に付いたかを明らかにします。
 そして、交流及び共同学習の大きな目的である「共に助け合い支え合って生きていくことを学ぶ」ことにつながったかどうかを評価するためには、作文や絵等に表現されたものや交流及び共同学習の活動場面での変容だけでなく、学校以外の地域の生活等で子どもがどのような姿を見せているかをとらえること、交流及び共同学習以外の場面での姿をとらえることなどが有効です。子どもの変容をできるだけ幅広くとらえるようにしたいものです。また、学校独自に交流及び共同学習に関する評価の観点を定めるなどの工夫も大切です。

8 実施上の留意点

 そのほか、活動全体を通して以下のような点に留意するとよいでしょう。
 できるだけ、障害のある子どもと障害のない子どもの人数のバランスが大きく異なることのないよう、最初は小さな集団から活動をスタートすることも一つの工夫です。
 また、幼いころから共に活動する経験の少なかった子どもが、交流及び共同学習に対して漠然とした不安感を抱いている場合もあります。その際には、担当者が事前に理解促進のための話をすることも大切な配慮です。
 さらに、交流及び共同学習には保護者の協力が不可欠です。保護者や本人に事前に説明し、計画について理解を求めることで、一層の協力体制が整っていくことにもつながるでしょう。

9 事例

10 事例・写真提供校

 本ガイドでは、下記の学校の実践例を参考として、各事例を掲載しています。

  • 盛岡市立上田中学校
  • 仙台市立上野山小学校
  • 宇都宮市立峰小学校
  • 葛飾区立青葉中学校
  • 長野県飯島町立飯島小学校
  • 沼津市立原東小学校
  • 愛知県立一宮聾学校
  • 鹿児島市立田上小学校

-- 登録:平成21年以前 --