平成14年度・15年度ものづくり学習振興支援事業 報告書の概要

2004年4月

都道府県名 茨城県教育委員会
推進地域名 県全域

 研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ
 「ものづくり体験を通して,生きる力を育む指導の工夫」を研究テーマのもと,平成12、13年度のものづくり学習振興支援事業の研究成果を生かし,データベースの構築やGT活用の授業実践,ものづくり指導者(以下GTという)の研修会等の研究を推進した。

 ものづくり学習振興協議会の構成及び活動内容
<組織>
茨城県
教育庁
義務教育課
ものづくり学習振興協議会
茨城県ものづくりプロジェクト実行委員会
茨城県教育研究会家庭,技術・家庭教育研究部
各地区ものづくり学習研究推進委員会
学校




         
         

  <活動内容>
   本協議会では,学校等において教員が,地域のGTの技術力や専門性を積極的に活用したものづくり学習を,どのように実施すればよいかを中心に,児童生徒にものづくりの楽しさ,素晴らしさや大切さを認識してもらうための教育や学習はいかにあるべきかについて,教員及びGTのそれぞれの立場から検討を行うこととした。また,教育の現場でも研修等を通して,教員のものづくり学習に対する認識を変えていくことが必要であると受け止めた。

 振興地域における活動内容及びその成果
 茨城県教育研究会家庭,技術・家庭教育研究部のWebページに,ものづくり学習指導者データベース「GT室」と「作品室」を設け,活用できるようにした。
GT室には技能士会を中心に230名が,作品室には551点が登録されている。
 GTを活用した授業を推進し実践を行った。事前打ち合わせ会を充実させ,授業での効果を高めることができた。反省会をもとに次の授業に生かすこともできた。
 講演会を実施し,ものづくり学習の重要性を広めることができた。
 GT室を活用して県内各地区で教師を対象にものづくり実技研修会を実施した。教師の技能を向上させると共に,授業における指導力を高めることができた。
 中学生を対象にものづくり競技大会を実施した。県代表として全国大会へ出場した生徒が,素晴らしい活躍をした。
 茨城県技術・家庭科ものづくり作品展を開催した。基礎的・基本的な技術を踏まえた工夫ある作品が多く見られた。一般の方にも,ものづくりのすばらしさを広めることができた。

 今後の課題として残ったこと及びその原因
 GTデータベースの活用はまだ少ない。登録者が少ないことや登録されているGTが地域の人ではないことが原因である。セキュリティを考え,使いやすいデータベースに改善するとともに,データベースへの登録者数を増やしていきたい。
 GT活用には学校差がある。GTへの謝金,交通費,保険料等が課題となっている。

 2年間の研究の全体的な評価
 GT室,作品室の構築によりものづくり学習の振興をすることができた。
 GTを活用した授業は,生徒の興味・関心を高めたり,個に応じて生徒の技能を高めたりすることができた。また,事前打ち合わせ会を充実させることにより,効果的に授業を進めることができた。今後もGTを活用する学校がさらに増えるように推進していきたい。
 ものづくり競技大会やものづくり作品展を通して,児童生徒がものづくりの楽しさ,作る喜びや完成の達成感を味わうことができた。
 ものづくり講演会や実技研修会を通して,教師の意識や技能を高めることができた。実技研修会を継続して行い,さらに教師の技能と指導力を高めていきたい。


 

-- 登録:平成21年以前 --