平成26年度公立学校教員採用選考試験の実施方法について

 文部科学省では、各都道府県・指定都市教育委員会が実施した公立学校教員採用選考試験(以下「採用選考」という。)
の実施方法について、例年調査を行っています。
 このたび、平成26年度採用選考の実施方法を取りまとめましたのでお知らせします。

1.調査の概要

 本調査は、全68都道府県・指定都市・豊能地区(大阪府)教育委員会(以下「県市」という。)において平成25年度に実施された平成26年度採用選考を対象として、模擬授業・場面指導の実施状況、特定の資格や経歴等を持つ者を対象とした特別選考等、採用選考の透明性の確保や不正防止の取組などの実施方法について調査したものです。

2.結果のポイント

○模擬授業・場面指導の実施状況
 ・模擬授業や場面指導は実践的指導力を観察できる試験方法として、模擬授業は54県市(前年度55県市)、場面指導は38県市(前年度37県市)で実施。
○特定の資格や経歴等を持つ者を対象とした特別選考等
 ・教職経験者や社会人(民間企業等での勤務経験を有する者)経験者など、特定の資格や経歴等を持つ者を対象とした特別選考が62県市(前年度61県市)、一部試験免除が49県市(前年度48県市)で、それぞれ実施。
 ・障害のある者を対象とした特別選考は67県市(前年度65県市)で実施。
○採用選考の透明性を高めるための取組
 ・採用選考基準の公表は全68県市(前年度67県市)で実施。そのうち、47県市(前年度44県市)で採用基準を全て公表。
○新たな試験免除・特別選考の実施
 ・個性豊かで多様な人材を確保するため、新たな試験免除・特別選考を24県市が実施した。

平成26年度 公立学校教員採用選考試験の実施方法について

調査の趣旨

 文部科学省では、教員採用の改善に資するため、毎年度、各都道府県(47)・指定都市(20)・豊能地区(大阪府)教育委員会(以下「県市」という。)が実施する公立学校教員採用選考試験の実施方法について取りまとめ、その概要を公表している。本調査は、平成25年度に全68県市において実施された平成26年度採用選考試験の実施方法について取りまとめたものである。
※ 教員採用選考試験を共同で実施している道県と指定都市については、それぞれ1県市として集計している。
※ 石川県、堺市は1次・2次と試験を区分していないため、1次試験に含めて集計している。

1 試験実施区分・実施時期等(第1表)

 教員採用のスケジュールについては、以下の時期で実施されている。北海道・札幌市においては、1次試験実施時期を7月から6月へ、相模原市においては、採用内定時期を9月から8月へ変更した。

1.1次試験  
6月:2県市   
7月 1日~7月 7日: 5県市  
7月 8日~7月14日:19県市
7月15日~7月21日:29県市  
7月22日~7月28日:13県市 

2.2次試験  
8月:57県市  
9月:  9県市

3.3次試験  
9月:  2県市

4.合格発表 
8月:  1県市  
9月:18県市
10月:49県市

5.採用内定  
8月: 1県市  
9月: 5県市
10月:54県市  
12月: 2県市
2月: 2県市  
3月: 4県市

2 採用選考試験内容

 教員採用においては、教育者としての使命感、豊かな人間性や社会性、様々な体験に裏付けられた確かな指導力などを備えた、優れた人材を確保することが重要な課題となっており、人物評価を重視した選考に一層移行させることが求められている。
 各県市においては、受験者の資質能力、適性を多面的に評価するため、教養・専門などの筆記試験のほか、面接、実技、作文・論文、模擬授業等の多様な方法を組み合わせて採用選考が実施されている。以下、平成26年度採用選考における選考方法等の状況について概観する。
※ 以下、( )内は前年度の数値である。

(1)実技試験(第2表-1、第3表、第4表)
 小学校の受験者に対しては、58県市 (59)で何らかの実技試験が実施されている。概要は次のとおりである。
    ・理科        2県市(2)
    ・音楽       45県市(45)
    ・図画工作      6県市(8)
    ・水泳       46県市(46)
    ・水泳以外の体育  49県市(51)
    ・外国語活動    20県市(21)

 中学校及び高等学校の受験者に対しては、音楽、美術、保健体育、英語等を中心に、中学校では全68県市(67)、高等学校では56県市(55)で何らかの実技試験が実施されている。概要は次のとおりである。
  ・音楽  中学校:68県市(65) 高等学校:39県市(38)
  ・美術  中学校:64県市(63) 高等学校:39県市(39)
  ・英語  中学校:66県市(65) 高等学校:55県市(53)

(2)面接試験(第2表-2、第5表)
 面接試験は全68県市で実施されている。概要は次のとおりである。

 1.個人面接を実施  68県市(67)
   集団面接を実施  54県市(55)

 2.面接担当者は主に教育委員会事務局職員や現職の校長、教頭等であるが、これに加えて民間企業の人事担当者、臨床心理士、保護者等の民間人等を起用している。

 3.面接内容は、個人面接では自己PR、教員としての適格性を判断する質問等、集団面接では集団討論を行う県市が多い。

(3)作文・小論文、模擬授業・場面指導・指導案作成、適性検査 (第2表-3、第2表-4、第6表)
 作文・小論文試験は48県市(46)、適性検査は46県市(49)で実施されている。
 各教科の授業や学級活動などを課題とする模擬授業は54県市(55)、指導案作成は15県市(16)、学校生活での様々な場面を想定した場面指導は38県市(37)で実施されている。

3 試験免除・特別選考(第7表、第8表、図1)

 個性豊かで多様な人材を確保するため、教職経験や民間企業等での勤務経験を有する者、英語に係る資格を持つ者、スポーツ・芸術での技能や実績を持つ者等を対象とした選考は、以下のとおり行われている。
・試験の一部免除  49県市(48)
・特別選考     62県市(61)

 平成26年度からの新たに実施された主な取組は、以下のとおりである。
・スポーツでの実績による試験免除・特別選考(3県市) 
 徳島県、三重県、愛媛県
・民間企業等経験者に対する試験免除・特別選考(3県市)
 佐賀県、熊本県、大阪市
・国際貢献活動経験による試験免除・特別選考(3県市) 
 熊本県、浜松市、大阪市
・教職経験による試験免除・特別選考(8県市) 
 岩手県、福島県、福井県、高知県、長崎県、熊本県、浜松市、大阪市
・大学推薦特別選考や教職大学院修了見込者特別選考(2県市)
 愛知県、堺市
・理数教育を推進するための試験免除・特別選考(7県市)
 大阪府、岡山県、山口県、京都市、神戸市、岡山市、豊能地区

4 障害のある者への配慮(第8表)

 障害のある者を対象とした特別選考を67県市(65)で実施している。また、多くの県市において筆記試験や実技試験等実施時における配慮、会場等の配慮が行われている。

5 受験年齢制限

 受験年齢制限については、新たに4県市(栃木県、岡山県、山口県、岡山市)が満39歳から満44歳へ緩和を実施した。受験可能年齢の上限は次のとおりとなっている。

受験可能年齢の上限県市数(前年度)
制限なし   18県市(18)
51歳~58歳    1県市( 1)
41歳~50歳  22県市(17)
36歳~40歳  27県市(31)
30歳~35歳    0県市( 0)   ※ 年齢は平成25年度末時点

6 情報公開・不正防止のための措置(第9表)

 採用選考の透明性を高めるための取組、不正を防止するための取組については、以下のとおり行われている。

・試験問題の公表  68県市(67)
・解答の公表        68県市(67)
・配点の公表       68県市(67)
・採用選考基準の公表 68県市(67)
 そのうち、47県市(前年度44県市)で採用基準を全て公表。
・成績の本人への開示 68県市(67)

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

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(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成26年01月 --