教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(平成24年8月28日 中央教育審議会答申)(抄)

3.当面の改善方策 ~教育委員会・学校と大学の連携・協働による高度化


2.教員養成、採用から初任者の段階の改善方策 

 (採用の在り方)  
○ 選考方法を一層改善するとともに、30代、40代の積極的採用を推進する。 

                 
(2)修士レベルの教員養成・体制の充実と改善
1教職大学院の拡充
○ 教職大学院修了者について、初任者研修の一部又は全部免除、教員採用選考における選考内容の一部免除、採用枠の新設等の取組を進め、教職大学院で学んだことを適切に評価するとともに、教職大学院への進学を促進するため、教員採用選考合格者の名簿登載期間延長等の取組を進め、教職大学院で学びやすい環境を整備する。

 

(5)教員採用の在り方
○ 任命権者においては、教員としての適格性を有し、個性豊かで多様な人材を確保するため、選考方法の改善に努めているが、今後も、優秀で意欲のある人材を教員として確保するため更なる選考方法の改善に努めることが期待される。

○ その際、例えば、受験者の身に付けた資質能力を採用側が適切に評価するための手法の開発や、大学での学習状況や教育実習の状況について採用選考の際の評価に反映する方法の検討などが考えられる。また、養成段階で長期インターンシップを経験した学生について、インターンシップ時の評価において、教員としての適性が認められると判断された場合の、採用選考実施方法について研究することも考えられる。さらに、理科について高い指導力を有する小学校教員の確保など、最近の学校現場の課題に対応した選考方法の改善を行うことも考えられる。

○ 任命権者においては、採用年齢の上限を撤廃するなどの取組により、あらゆる世代の優秀な人材を確保する工夫を行っているが、特に、年齢構成上少なくなっている30代、40代を積極的に採用する方策について、資質能力を担保しながら、更に進め、教員の年齢構成の改善に努める。

○ 地方公務員法の規定に留意しつつ、臨時的任用教員や非常勤講師等の教職経験者の中からも優秀な人材の確保に努める。

○ 近年、大都市圏の教育委員会において、優秀な人材を確保するため、教員採用選考試験の倍率の高い教育委員会と連携したり、複数回選考試験を実施するなどの動きが見られる。優秀な人材を全国レベルで教員として迎え入れるため、採用選考の共同実施、複数回実施を推進することが考えられる。その際、例えば、共同実施する教育委員会や一次試験の実施時期が同一の地域単位で、筆記試験問題の共通化を進めることも考えられる。

 

5.多様な人材の登用
○ 複雑・多様化する教育課題に対応するためには、教職に関する高度な専門性と実践的指導力を有する教員に加え、様々な社会経験と、特定分野に対する高度な知識・技能を有する多様な人材を教員として迎え、チームで対応していくことが重要である。今後、社会の中の多様なルートから教職を志すことができるための仕組みを検討する必要がある。

○ ICTの活用やグローバル化に対応した教育など、新たな教育課題に対応するには、社会人経験者をはじめ当該分野に関する知見を有する外部人材を幅広く登用することも必要である。特別免許状や特別非常勤講師制度の活用等により、こうした取組を一層推進する。

○ 理数系の人材や英語力のある人材等多様な人材が教員を目指せる仕組みを構築するため、例えば、博士課程修了者等高度の専門的知識を有する人材について、履修証明制度等を用いて、教職に関する基礎的素養の修得や、学校現場の体験等により一定の教職専門性を身に付けた上で特別免許状の活用を促進する仕組みの構築や、理科支援員等としての勤務実績の評価など今後更なる検討が求められる。  また、中学校、高等学校の理科や数学の教員を志望する学生が増えるよう、情報提供等支援の充実が求められる。  その際、特に女子学生に対する支援に留意する。

 

6.グローバル化への対応
○ 特に英語教員志望者に対しては、指導力向上のため海外留学を積極的に推進することが求められる。また、採用に当たっては、こうした海外経験が評価されるよう選考方法の更なる工夫が求められる。

 

7.特別支援教育の専門性向上
○ 特別支援学校における特別支援学校教諭免許状(当該障害種又は自立教科の免許状)取得率は約7割であり、特別支援学校における教育の質向上の観点から、取得率の向上が必要である。このため、養成、採用においては、その取得について留意する。特に現職教員については、免許法認定講習の受講促進等の取組を進める。

 

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総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)

-- 登録:平成25年01月 --