はじめに

○ 平成20年度教員採用選考における特色のある取組

【京都府】スペシャリスト特別選考(平成19年度試験より)

  • 「文部科学時報平成19年11月号」から抜粋

1.導入の経緯

 京都府では、社会での豊富な経験をもつ者や特定分野に秀でた能力を有する者に教員採用への門戸を開放し、より幅広く多様な人材の登用を図るため、また、府立高校の学科改編等に伴い、より専門性の高い人材を採用するため、これまで実施してきた社会人特別選考をリニューアルし、平成19年度採用選考試験(平成18年度実施)から、新たに教員免許状取得者のみに限定しない選考を設けることとなった。

2.学校現場にもたらす効果と今後の課題

 本選考により採用、学校に配置された教員は、意欲的に教育活動に取り組み、その高度な専門性を生かした授業のほか、最先端の研究についてわかりやすく生徒に紹介するなど、学習意欲および学力の向上に大いに貢献している。
 また、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の研究指定に係る企画立案にも積極的に参画するなど、周りの教員にもよい刺激を与えており、本選考の開始により、現段階では期待どおりの教員が確保できている。
 今後の課題としては、引き続き高度の専門性を有する人材の採用に向け、その趣旨等について広く周知を図っていく必要がある。
 さらに、実際に教壇に立つにあたっては、教育現場の現状と制度等の理解を図るため、大学と連携して、学校教育や法制度等の講義や演習を行う「採用前特別研修」を3日間程度実施しているが、その内容の充実についても検討が必要である。
 今後は、本選考により採用・配置された教員同士のネットワーク作りや特色ある授業作り、大学・企業との連携等、さまざまな場面での活躍を期待し、本選考の充実に努めていきたいと考えている。

3.平成20年度「スペシャリスト特別選考」概要(平成19年度実施)

【受験区分】
  • A区分:教員免許状を有することを要件とする
  • B区分:教員免許状を有することを要件としない
  • 両区分とも、特定教科等に限定して募集を行っている。
【出願資格および選考】

 志願する教科等に関する民間企業、大学または研究機関等における経験が5年以上(高等学校英語については日本国内において、関係の職の勤務経験が3年以上)で、50歳未満の者を対象とし、小論文および面接試験等により、優れた技能や豊富な経験、専門的知識を重視して選考している。

【採用状況】
平成19年度教員採用選考試験(平成18年度実施)
  • A区分:小学校、中学校(数学・理科)、高等学校(数学・理科・英語・情報・工業)で募集
  • B区分:高等学校(理科・英語・情報)で募集

志願者73名のうち、5名を採用

平成20年度教員採用選考試験(平成19年度実施)
  • A区分:小学校、中学校(数学・理科)、高等学校(数学・理科)で募集
  • B区分:高等学校(理科・英語・工業)で募集

志願者28名のうち、5名を内定

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