健全育成のための体験活動推進事業実施要領

平成27年3月31日
一部変更 平成29年3月31日
生涯学習政策局長・初等中等教育局長決定

 学校・家庭・地域連携協力推進事業費補助金交付要綱第22条の規定に基づき、学校・家庭・地域連携協力推進事業費補助金(学校を核とした地域力強化プラン)の実施について必要な事項を、本実施要領で定めるものとする。 

1.事業の目的

  児童生徒の健全育成を目的として宿泊を伴う体験活動を実施する学校等の取組を支援する。

2.実施主体

  本事業の実施主体は、都道府県及び市町村(特別区及び市町村の組合を含む。
以下同じ。)とする。また、間接補助事業として行う場合は、市町村とする。

3.事業の内容

  本事業は、次の内容を実施することができる。

(1)宿泊体験事業

1)小学校、中学校、高等学校等における取組
 児童生徒の健全育成を目的として、小学校・中学校・高等学校等が実施する2泊3日以上の宿泊を伴う体験活動を実施する事業。
 補助を受ける都道府県(間接補助事業の場合は、市町村)・市町村教育委員会等は、本事業を実施する学校(以下「活動実施校」という。)を選定し、活動実施校は連続した2泊3日以上の宿泊を伴う集団宿泊活動を実施する。
 活動実施校は、学習指導要領等を踏まえ、体験活動を適切に教育課程に位置付けるとともに、体験活動前後の児童生徒の意識の変容についてアンケート調査等を実施し、体験活動による成果を把握する。
 また、活動実施校は、次のア~カの体験活動を実施する活動計画を作成し、都道府県・市町村教育委員会等に提出する。
ア、ボランティアなど社会奉仕に関わる体験活動
イ、交流に関わる体験活動(異なる地域の人々や異学年・異年齢との交流、高齢者との世代間の交流)
ウ、自然に関わる体験活動
エ、勤労生産に関わる体験活動
オ、文化や芸術に関わる体験活動
カ、その他の体験活動

2)学校教育における農山漁村体験活動等の導入のための取組
 都道府県・市町村教育委員会等において、学校教育への導入を前提に、希望者を募り、農山漁村等における1泊2日以上の宿泊を伴う体験活動を夏休み期間中等に実施する事業。
 補助を受ける都道府県(間接補助事業の場合は、市町村)・市町村教育委員会等は、農山漁村等における1泊2日以上の宿泊を伴う集団宿泊活動を実施する。
 その際、体験活動を適切に教育課程に位置付ける上で必要な取組や課題を検討するとともに、体験活動前後の児童生徒の意識の変容についてアンケート調査等を実施し、その成果を把握することで、今後学校教育へ導入するに当たり必要な取組や課題を明らかにする。
 なお、本事業の実施に当たっては、農山漁村等における体験活動の導入を検討している学校と十分に連携を図ることが望ましい。

3)適応指導教室等における体験活動の取組
 都道府県・市町村教育委員会やその設置する教育支援センター(適応指導教室)等において、不登校児童生徒等を対象に、1泊2日以上の宿泊を伴う体験活動を実施する事業。
 補助を受ける都道府県(間接補助事業の場合は、市町村)・市町村教育委員会等は、不登校児童生徒等を対象に、1泊2日以上の宿泊を伴う集団宿泊活動を実施する。
 その際、体験活動前後の児童生徒の意識や行動の変容についてアンケート調査等を実施し、体験活動による成果を把握する。

(2)体験活動推進協議会

 都道府県・市町村において、地域の実態等を踏まえ、体験活動を円滑に実施するために、様々な体験活動を推進していく上での課題や成果についての議論、好事例の収集、学校への情報提供、取組の普及等を行う体験活動推進協議会を設置・運営する事業。
 体験活動推進協議会では、体験活動の円滑な実施のため、児童の発達の段階に応じたカリキュラムなど教育課程を通じた体験活動の在り方等について協議、情報交換等を行う。
 体験活動推進協議会の構成員としては、活動実施校、都道府県・市町村教育委員会、学識経験者等が考えられる。
 体験活動推進協議会においては、体験活動の円滑な実施のため、次のような事項について協議、情報交換を行う。

1)児童生徒の健全育成を図るための効果的な体験活動の在り方
2)教育課程上の各教科への位置付けに当たって解決すべき課題や検討事項
3)1週間程度の長期宿泊体験活動を実施するに当たって解決すべき課題や検討事項
4)不登校児童生徒等を対象とした宿泊体験活動の実施に係る留意点や効果的な体験活動プログラム
5)活動等を通じて実現したいねらいや重点
6)都道府県・市町村の連携や取組の進め方
7)都道府県・市町村内の学校で活用可能な体験活動プログラムの例示
8)体験活動受入地域や団体等の情報収集・情報提供
9)活動実施校の課題の解決や全体の成果の取りまとめ
10)活動実施校等との連絡調整
11)体験活動に資する研修等の実施、他で実施される研修等への関係者の派遣

 なお、都道府県が設置する体験活動推進協議会に、域内の市町村を含めて差し支えない(その場合、都道府県、市町村間で業務の分担等について適切な調整を図ること)

4.事業計画書の提出

 補助金の交付を受けようとする都道府県・市町村は、文部科学省が指定する期日までに事業計画書を提出するものとする。
 なお、3(1)1)の取組を行う場合、事業計画書には、各活動実施校が作成し、都道府県・市町村教育委員会等が承認した活動計画書を添付すること。

5.事業報告書の提出

 補助金の交付を受けた都道府県・市町村は、文部科学省が指定する期日までに、事業報告書を提出するものとする。
 なお、3(1)1)の取組を行う場合、事業報告書には、各活動実施校が作成し、都道府県・市町村教育委員会等が承認した活動報告書を添付すること。

6.費用

(1)補助対象経費

 国は、上記3の要件を満たす次の事業(その一部を委託して実施する場合も含む。)に対して補助するものとする。
1)都道府県又は市町村が実施する事業
2)市町村が実施する事業に対して、都道府県が補助する事業

(2)補助対象経費の取扱い

 健全育成のための体験活動推進事業に係る補助対象経費の取扱いについては、以下のとおりとする。取扱いに際しては、都道府県・市町村が負担する他の経費と紛れることのないようにすること。また、一部を委託して実施する場合の経費も以下に準じた取扱いを行うこと。
 なお、本事業においては、体験活動中の食費・食材費、鉄道・航空機での移動に係る経費は補助対象外とする。
1)宿泊体験事業
・謝金(体験活動での児童生徒の指導や支援、活動のコーディネート等を行う人材への謝金)
・旅費(事前調査や打合せ等の旅費)
・消耗品費
・印刷製本費
・通信運搬費
・借料及び損料(宿泊費、バス借上料、船室借上料等)
・会議費
・保険料(当該活動のため新規で加入する傷害保険等)
・雑役務費(施設入館料、体験活動料、手数料等)
・委託費(市町村・業者等への委託費)
・補助金(市町村への間接補助)
2)体験活動推進協議会
・謝金(講師、指導助言、会議出席、原稿執筆等の謝金)
・旅費(講師、会議出席、研修等の旅費)
・消耗品費
・印刷製本費
・通信運搬費
・借料及び損料
・会議費
・保険料
・雑役務費
・委託費
・補助金(市町村への間接補助)

7.第三者への委託を行う際の留意事項

 全ての業務を直接執行することが困難な場合は、その一部を第三者に委託することができる。ただし、第三者に委託する場合には、事業の趣旨を踏まえた適切な委託をすることとし、その業務遂行に係る責は補助事業者に帰するものとする。

8.その他留意事項

(1)事業計画は、「学校を核とした地域力強化プラン」中の他の事業との連携及び経費の効率的な執行を念頭に作成するものとする。

(2)3(1)宿泊体験事業のうち、1)、2)の事業においては、長期の宿泊体験活動について優先的に予算措置を行う。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成27年08月 --