1 調査研究の趣旨:
上記のように、「児童虐待に関する学校の対応についての調査研究」(平成14年~平成15年度文部科学省科学研究費補助金・山梨大学人間科学部玉井邦夫助教授他)においては、学校等における児童虐待防止に向けた取組として、学校の教職員等に対する虐待防止に関する周知活動については広く行われているものの、家庭・地域への周知や研修・人的配置等の支援策は未だ不十分であるということが示されている。
また、平成16年に改正された児童虐待防止法においては、通告されるべき児童虐待の対象が拡大されるとともに、学校及び教員の責務が増えたのみならず、平成17年4月より施行された改正児童福祉法においては、要保護児童に対する支援ネットワークの運営等児童相談に関し市町村が担う役割などが規定されており、学校や教育委員会においても、支援ネットワークの構成員になるなど、今まで以上に関係機関と連携して虐待防止の取組に当たることが求められている。その一方、身体的虐待と異なり、一見しただけでは分かりにくい心理的虐待の件数が増えていることや、虐待者が全体として実母又は実父であるケースが多いことから、教員にとっては、早期発見・早期通告について、虐待の発見及び保護者との関係をどうしていくべきかについて、難しい対応が迫られることとなっている。
このような状況を踏まえ、今回の調査研究においては、
各地方公共団体が作成している教師向け指導資料・啓発資料等に関する調査研究、
教職員研修等における各地方公共団体の実施状況に関する調査研究、
関係機関との効果的な連携に関する調査・分析、
家庭や地域への適切な支援の在り方に関する研究等について、国内外の事例を通じて検討することとして、平成17年4月から各分野の専門家を集めて調査研究を実施してきたところである。
2 調査研究における実施概要:
(1)調査研究内容:
各関係機関の取組の紹介及び協議:(下記(2)を参照。)
調査研究会議の際に、各委員により各所属機関における取組を紹介し、関係機関間の連携のあり方を協議した。
保育所、学校(幼稚園、小学校及び中学校)に対する書面による実態調査:(第
章第2節1を参照。)
[内容]:厚生労働省科学研究「保育所、学校等関係機関における虐待対応の在り方に関する調査研究」により、各関係機関における虐待対応の実態や職員の意識調査等について、無作為抽出により書面調査を実施した。
教育委員会に対する書面による実態調査:(第
章第2節2を参照。)
[内容]:全ての都道府県・指定都市・市町村教育委員会における虐待対応の実態について悉皆による書面調査を実施した。
海外実状視察:(第
章第2節を参照。)
[内容]:アメリカ合衆国(シカゴ市)及びカナダ(トロント市)における児童虐待対応の実態等について、現地において各機関関係者に対するヒアリング調査を実施した。
(2)調査研究の実施日程:
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