(平成18年4月28日)
文部科学省初等中等教育局児童生徒課
1.4月になり、児童生徒課の職員も半分ほど異動しました。私も、いつの間にか児童生徒課の在籍期間は長い方から数えた方が早くなっています。
2.さて、「春」といえば、何を思い浮かべるでしょうか。卒業、入学などいろいろなことが考えられますが、私の場合、それらの場面で「桜」というのが欠かせない一つの要素なのかなと思っています。私もその一人ですが、毎年桜前線の上昇とともに、人がお花見に興じる桜はもともと神様が宿る木であり、桜の下で飲食をするのは、神様と共同飲食するためというような説もあるそうですが、何よりも桜自身がもつ強さ、美しさがその根底にあるのではないかとも思います。
3.他の植物にも当てはまることですが、桜は誰に頼ることもなく、厳しい冬を乗り越え、春にあのような美しい花を咲かせます。逆に考えると、冬の寒さがあるからこそ、あのような美しい花を咲かせることができ、人々もその希少な美しさを賞賛しているのだと思います。仮に、一年中桜が咲いていれば、お花見という行事も生まれなかったかもしれません。
4.多少無理やりかもしれませんが、これは人間にも通じるところがあるのではないでしょうか。人も、苦しい時期を乗り越えたところに自己実現が達成されるものです。何も苦労せずにずっと成功し続ける人間というのはそうそういないものだと思います。そのような苦しい時期は本来であれば一人一人が自己の置かれた状況をしっかり見つめ、解決していくものなのでしょうが、成長の途中にある子どもたちには、乗り越えるための手助けが必要となることが必然的に多くなってきます。生徒指導とは、一人一人の子どもの学校生活を充実させ、将来しっかりと花を咲かせる(自己実現できる)よう支援する活動なのだと考えています。課題を抱えた子どもに対しても、教師をはじめとする周りの支える人たちからの、その子の将来を見据えた根気強い支援は、その子の肥料となり水となり、ひときわ素晴らしい自己実現に繋がっていくものだと思います。
5.今回の巻頭言を書いていて、ふと自分が通っていた高等学校の校訓を思い出しました。
「終始一誠意」、何が必要なのかを考え、はじめから最後まで一貫して誠意を持って進む。教育に関して言えば、大人が誠意を持ち続けて、子ども達へ支援を行っていくことで子ども達もそれに応えてくれるという、教育の基本的な理念も示している言葉なのかなと考えています。このように、学校で習った事柄が今の自分の基礎となっていると感じるにつけ、学校教育の大切さを改めて実感します。
いじめ,不登校,暴力行為などの問題行動に加え,新たに軽度発達障害等に起因すると思われる学校不適応など,生徒指導に関する課題が多様化,複雑化している状況にある現在,本県教育委員会においても,重要な課題ととらえ,「おかやま教育ビジョン」の基本目標「たくましく心豊かな人づくり」に基づき,次のような基本方針の下,生徒指導に取り組んでいる。
問題行動の未然防止については,児童生徒の「心」のサインへの早期対応,家庭や地域社会,関係機関との連携を一層深めながら,各学校が生徒指導体制の充実に取り組んでいくことが重要であり,本県においては,「心の問題への対応」と「行動連携」をキーワードに各種の事業を実施し,各学校を支援している。
本県においては,生徒指導に関する事業を「校内指導体制整備」「教育相談体制整備」「児童生徒健全育成推進」「学校適応推進」の4つの柱に体系付け,教員研修に関する内容,教育相談に関する内容,非行・暴力等への対応に関する内容,不登校・いじめ等への対応に関する内容について,総合的に取り組んでいる。
まず,教員研修については,小・中・高等学校の生徒指導担当者等に対する生徒指導連絡協議会,不登校研修講座,いじめ研修講座の中で,近年の生徒指導上の問題についての現状と課題や,それぞれの学校における取組の研究協議等の研修を通して,生徒指導の意義や役割についてや,校内の生徒指導体制の強化,家庭・地域とのネットワークづくりの重要性についての理解を図っている。
次に,教育相談に関しては,教育相談員・進路相談員を教育事務所及び青少年総合相談センターに配置し,児童生徒や保護者の学校生活や進路についての悩みの相談を受けるほか,年2回3会場で,不登校生徒や高校の中途退学者に対して進路相談会を開催している。
また,非行・暴力等への対応については,本県独自の事業として,問題の早期解決を図るため,教育事務所に生徒指導ネットワーク相談員(警察OB)を配置し,児童生徒の問題行動が発生した場合に生徒指導ネットワーク相談員が警察や関係諸機関とのケース会議等をコーディネートする生徒指導ネットワーク事業を実施している。各学校が種々の問題行動に対して,どの関係機関とどのようにして連携をとり,問題解決を図ればよいかの助言が得られる等成果があげられている。
不登校・いじめ等への対応については,国のスクールカウンセラー活用事業により,県下の65中学校へ臨床心理士の配置を行っているが,スクールカウンセラーを配置していない中学校には,県独自の事業として,民生委員・児童委員,元教員などの地域の人材を活用し,家庭訪問による児童生徒や保護者の教育相談や保健室登校の児童生徒に対する相談活動を行うスクールサポーター配置事業を行っている。さらに,スクールカウンセラーを配置していない教育委員会に対しては,要請により,臨床心理士等の専門家を学校に派遣し,教員とのケース会議で指導助言を行う「心の専門家」派遣事業を小・中学校を対象に実施している。高等学校については,いじめ・不登校・問題行動等の生徒指導上の課題に対して,従来から様々な取組を行い,体制を整えてきているが,近年,新たに軽度発達障害等に起因すると思われる学校不適応など,課題が多様化,複雑化したため,総合的な生徒指導の体制を強化する目的で,新たに,高等学校生徒指導マネージメント事業を平成17年度から実施しており,事業内容については,次の項で詳しく記述する。
本事業は,様々な研修を1年間受講し,学校内での生徒指導の核となり,活躍する教員を養成する「生徒指導コーディネーター事業」と各々の課題を持った学校がその課題に応じて研修を行うことを支援する「生徒指導校内研修支援事業」,臨床心理士等の定期的な訪問により学校の生徒指導相談体制の充実を推進する「カウンセラー派遣事業」から成っており,各学校の実態等に応じ,学校の生徒指導体制の一層の充実に向け支援するものである。
生徒指導の諸課題に対して専門的な知識を持ち,適切な指導方針や指導内容の決定を行うとともに,生徒・保護者への支援,他の教員への助言,関係諸機関との連携等を積極的に行うことができるコーディネーターを養成するため,大学教授等による生徒指導理論や法規などの講義・演習等(5日),児童相談所,サポートセンター,自立支援施設,教育支援センター等関係機関での研修(5日),県外の先進地・先進校の取組調査(2日)を行う。
平成17年度においては,15名の教員が,軽度発達障害や虐待などに起因する生徒指導上の新たな課題に対する指導の在り方や具体的な生徒指導の対応や体制づくりの方法を学び,それらをもとに,関係機関での研修や先進地等の取組調査において,より実践的な研修を行うことができた。
教師一人一人の生徒指導に対する指導力の向上や校内生徒指導体制の充実を図ることを目的として,多様化・複雑化する生徒指導の諸課題に関する校内研修の実施に際して,カウンセラーを派遣していない学校40校について経費を予算措置し,各学校の課題に応じた研修の実施を可能としている。学校においては,精神科医や大学教授を講師として招へいし,「生徒指導に活かすアンガーマネジメント研修」「不登校生徒の事例検討会」等の生徒指導上の諸問題への対応や生徒指導理論,LD・ADHD等軽度発達障害,児童虐待への対応などについて研修をし,各課題についての理解を深めるとともに,教員が連携した相談体制の構築などが推進されている。
県立高等学校35校に年8回,臨床心理士や大学教授等を派遣し,生徒や保護者へのカウンセリングや生徒の心理状況の把握や支援方針についての教員への助言等を行うことにより,生徒の心の問題等への学校の対応力の向上を図る事業である。成果として,教員個々のカウンセリング能力の向上や自信につながっており,家庭との連携や教師間の連携など,相談体制の推進が図られている。
また,緊急的な対応として臨床心理士を学校へ派遣し,生徒や教員等のカウンセリングや指導助言に当たることも考えている。
教育上の配慮を必要とする小・中学生(不登校傾向の児童生徒や屋内に引きこもりの傾向のある児童生徒)が,学校や家庭を離れ,自分を見直し,将来の自分を探して学んでいくための目標を見つけることができるように学校教育,社会教育関係者等が連携し,各社会教育施設の特性を活かした活動を通して,子どもたちの自立を支援する事業である。参加者は,対象となる小・中学生だけでなく,兄弟姉妹を含めたその家族と,支援スタッフである生涯学習課,指導課,県教育センター,県内の青少年の家の職員に加え,ボランティアとして大学生に呼びかけ,事前研修を受けてもらい,参加者の数と同じぐらいの学生に参加していただいている。また,保護者への対応としては,カウンセラーの方にも加わっていただき,様々な悩み相談の場を設けている。
具体的な活動内容は,各青少年施設において,シーカヤック体験,キノコ狩り体験,クラフト教室,親の集い等がある。平成17年度は,合計10回のプログラムを実施して,のべ約160名の子ども,約100名の保護者,約160名の学生ボランティアが参加した。参加した子どもたちや保護者の方々からは「元気が出た」等の概ね良い評価であるが,今後は,広報・PRを充実していくことで子どもたちの参加を促すこと,教育センターや適応指導教室等との連携を今まで以上に深めることを図っていきたい。
今後も,いじめ・不登校や道徳教育の充実,体験活動を重視した教育の推進などに取り組み,「思いやりの心があふれ,人間性豊かな人間の育成」を目指していく。
児童生徒の問題行動等への対応の在り方について,平成13年4月に「少年の問題行動等に関する調査研究協力者会議」の報告書「心と行動のネットワーク」が出されました。この報告書では,「心のサインを見逃すな,『情報連携』から『行動連携』へ」という副題が示すとおり,児童生徒の「心」のサインを見逃さず,問題行動の前兆を把握すること,そのためには,学校と関係機関との間で単なる情報の交換だけではなく,相互に連携して一体的な対応を行うことが重要であると提言されています。
文部科学省では,この報告を受けて,学校と関係機関との行動連携を推進するため,平成14年度から,モデル地域を指定し,学校・教育委員会・関係機関からなるサポートチームの組織化など,いじめや暴力行為,非行など問題行動を起こす児童生徒への地域における支援システムづくりについて実践的な研究を始めました。「問題行動に対する地域における行動連携推進事業」は、平成14年度から実施しているこの地域における支援システムづくりに加え,「あそび・非行」型の不登校児童生徒や学校内で深刻な問題行動を起こす児童生徒の学校復帰や立ち直りに向けた、学校内外での支援の場や機能の在り方について調査研究を行う自立支援教室の取組を実施するものとして、平成16年度に開始し、平成18年度で事業開始から3年目になります。
ここでは、当該事業を今年度実施するにあたり、配慮いただきたい事項を2点について説明をさせていただきます。
この事業におけるこれまで2年間の取組の中で、
等の成果が見られる報告されています。
一方で、サポートチームの成否を決めるのはサポートチームの形成を行うコーディネーターの資質による部分が大きく、今後、関係機関との連携をさらに有効なものとしていくためには、コーディネーターの資質の向上が課題であるとの声が多く聞かれます。配慮いただきたい事項の第一点は、このコーディネーターの資質の向上ということです。昨年2月に実施した問題行動に対する地域における行動連携推進事業の全国連絡協議会でも、「コーディネーターの資質の向上について」をテーマに非行少年等の立ち直りに関わる機関でご活躍されている方々によるパネルディスカッションを実施しました。関係機関と効果的な連携を行う際のポイントや、コーディネーターとして必要とされる資質等の観点から、パネルディスカッションの中から参考になると思われる発言と幾つか御紹介したいと思います。
上記のような点も参考にしながら、コーディネーターの資質の向上といった観点から事業の実施を再度点検していただければと思います。各指定地域に配置している指導員の方々がコーディネーターとしての役割を担ってこられたところかと思いますが、この指導員の方が、他のコーディネーターを育成していく、例えば、実際の活動場面での助言、研修の実施、活動マニュアルの作成などの役割を担っていただくということも考えられるところです。これまでの取組をより地域に根ざしたものとしていくためには、コーディネーターの資質向上、育成ということが重要です。
もう1点は、問題行動の予防といった観点からの取組の充実です。問題行動への対応としては、予防、緊急対応、事後指導の各段階を通じた総合的な対策が必要であると考えています。これまでは、サポートチームの形成等の緊急対応が中心となっていました。当該事業においては、自立支援教室の取組を実施し、事後指導についても取組を進めていただいてきたところですが、残る予防の観点からの取組の推進が求められるところです。これまでの2年間で構築された関係機関とのネットワークを緊急対応だけでなく、予防の観点からも機能させていくような取組を検討いただければと思います。平成15年の3月に警察庁と共同で「非行防止教室等プログラム事例集」を作成しました。このプログラム事例集を元に関係機関と連携した非行防止教室の実施などはその一つであると考えています。予防・緊急対応・事後指導の各段階を通じた総合的な施策を進め、問題行動へのより効果的な対応に努めていただければと考えています。
今年度も、昨年度と同様、北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄の6ブロックで警察庁との共催により、問題行動に対する地域における行動連携を推進するための関係機関とのブロック協議会を開催する予定にしています。関係機関との連携を進めるための環境は少しずつではありますが、整いつつあるように思います。今後は、このような環境の中で、児童生徒の問題行動への対応に関わる者がそれぞれの立場で、具体的な取組をどれだけ積み上げていくかということが、行動連携をさらに進めていくための重要なポイントの一つではないかと考えています。上記のような点にご配慮いただき、これまでの取組を踏まえ、積極的な取組を進めていただければと思います。文部科学省としても、関係機関との連携を進めるための取組とともに、皆様方の取組の参考となる情報の提供に一層努めてまいりたいと考えております。
今後ともご協力の程よろしくお願いします。
非行防止教室については、本メールマガジン第4号において『非行防止教室等プログラム事例集』(平成17年1月)を紹介したとおり、現在、文部科学省と警察庁とがタッグを組んで、取組みを進めているところです。
そもそも、政府では、平成15年に「青少年育成施策大綱(平成15年12月青少年育成推進本部決定)」や「犯罪に強い社会の実現のための行動計画‐『世界一安全な国、日本』の復活を目指して‐(平成15年12月犯罪対策閣僚会議決定)」等において、非行防止教室の取組の推進を唱えてきたところでした。
上記のプログラム事例集は、この政府全体の流れを踏まえて、文部科学省及び警察庁において、「子ども達に社会のルールや自分の行動に責任を持つ」等の規範意識を育むとともに、犯罪に巻き込まれないようなスキル等を育成するため、省庁の壁を越えて、合同で作成し、全国の学校、警察署、児童相談所、保護観察所等に配布し、その普及を図ってきたものです。
しかし、現在もなお、岐阜県の中津川市での事件や和歌山県高野町での事件のように、重大な少年犯罪は続発しており、そこでは少年非行の凶悪化・粗暴化の傾向が見られるなど、少年による犯罪は、依然として深刻な状況が続いております。また、少年が加害者となるだけでなく、栃木県今市市での事件や広島県広島市での事件のように、犯罪被害者となるような事件も多数発生しているなど、少年を取り巻く犯罪は憂慮すべき状況にあり、このことに対しては社会全体として取組を進めることが急務となっております。
このため、文部科学省と警察庁とが再び、タッグを組んで、非行防止教室等の取組の推進をさらに進めるべく、今回、非行防止教室等を実施するための「教師用指導資料」を作成することとし、現在、その作業を行っているところです。
文部科学省は、全ての児童生徒の規範意識を育むことを目指しており、そのため、全国の学校において、子ども達の発達段階や実態又は地域状況等に応じて、規範意識を育むための取組が進むよう促していきたいと考えております。その一環として、単に学校内や家庭内だけで通用する規範意識だけではなく、「実社会においても通用する規範意識を育む」一助とするため、全国の学校において非行防止教室の実施が進み、各学校の日頃の指導の一層の充実を図っていきたいと考えております。
もとより、規範意識は、非行防止教室の実施だけで育まれるものではありません。
規範意識は、家庭において、躾、規則正しい睡眠や食事等の基本的な生活習慣、又は家庭の手伝い等に関する教育を土台とし、その家庭教育での土台のもとに、学校教育において、きまりを守ること及び他者との関わりを大事にするための具体的な活動を通じて育まれるものであると考えております。特に、学校教育において、規範意識は、生徒指導、教科指導、道徳教育や特別活動での指導及び人権教育など学校におけるあらゆる教育活動の中で養われるものであり、挨拶指導、服装指導、遅刻指導、集団活動に関する指導、清掃指導、授業中の私語の禁止などの具体的な指導を通じて、児童生徒がルールや法の重要性やそれを守ることの必要性を自覚し、実際に、それを守るようにすることによって育まれるものであると考えております。
そして、規範意識を育む取組については、家庭内又は学校内だけで通用する規範意識のみならず、社会においても通用するような規範意識を養うものでなければいけません。
学校において「非行防止教室」を実施する趣旨は、家庭や学校で学んだ規範意識を、社会における具体的な活動と結びつけることで、具体的かつ実践的な行動として示すことに意義があるのです。
このため、非行防止教室の実施の際には、単に抽象的に規範意識を教えるだけでなく、具体的な事例の紹介を通じて、
非行防止教室の実施に向けた校内体制としては、特別な体制が必要となるものではありません。既存の校内体制で十分対応が可能です。そして、非行防止教室は、校長のリーダーシップのもと、生徒指導主事が中心となり、生徒指導における取組の一環として実施するものと考えております。ただ、非行防止教室の実施に際しては、単に生徒指導部だけの取組とならないよう、学校全体の年間指導計画に位置付けるとともに、全教職員が共通理解を持って、積極的に協力して実施することが必要です。
そのためには、校長がリーダーシップをとって、校内の役割分担を明確化し、各教職員に対する共通理解を図るなどの校内体制の整備と、警察等の関係機関との連携や保護者や地域の関係者達への周知等に努めるなどの校外の協力体制の整備を図ることが重要です。
非行防止教室等の実施においては、教育課程の中に適切に位置付けて実施することが重要です。教育課程上の位置付けについては、子どもの発達段階や実態、又は各学校の状況に応じて様々でしょうが、例えば「特別活動」の学級活動又は学校行事において、1~2時間を使い、学年単位又は学校単位で実施することが考えられます。特に、その教育的効果を高めるためには、教科指導、道徳又は特別活動等の事前・事後の指導をあわせて行うことが重要です。
非行防止教室等の効果としては、学校と警察等関係機関、保護者・地域との連携の促進、子どもの規範意識の向上、開かれた学校づくりの推進、学校と関係機関等との問題意識の共有化などが挙げられます。
現在の非行防止教室の実施状況としては、警察庁のデータによれば、平成16年中に、学校教育において非行防止教室が実施された回数は、のべ20,685回であり、開催校数(以下カッコ内は前年のデータ)では、小学校で約39パーセント(22パーセント)、中学校で約57パーセント(40パーセント)が実施している状況です。このように、非行防止教室の取組みは着々と進行しておりますが、上述のとおり、その一層の推進が重要であり、そのためには、昨年のプログラム事例集や今回の教師用指導資料等を通じ、非行防止教室等に関する情報を積極的に発信していくことが求められます。
各学校現場においては、上記の「非行防止教室等プログラム事例集」や今回作成している教師用指導資料などを効果的に活用して、家庭・地域・関係機関と連携しつつ、当該学校の実態や児童生徒の発達段階や実態等に応じて、非行防止教室等を実施するよう努めてください。そして、そのことにより、子ども達の規範意識が一層育まれ、彼らの人格が完成され、「平和的な国家及び社会の形成者」(教育基本法第1条)となるための一助となるよう期待しております。
実は、私は3月まではごく普通の小学校教員。担任していた子たちを卒業させ、次の異動先として告げられたのは、なんと文部科学省。徳島から東京へ。現在、研修生という立場でお世話になっています。こちらにきて意外だったのは、ここの生徒指導室は”現場を生徒指導の諸課題に対して専門的な知識を持ち,適切な指導方針や指導内容の決定を行うとともに,生徒・保護者への支援,他の教員への助言,関係諸機関との連携等を積極的に行うことができるコーディネーターを養成するため,大学教授等による生徒指導理論や法規などの講義・演習等(5日),児童相談所,サポートセンター,自立支援施設,教育支援センター等関係機関での研修(5日),県外の先進地・先進校の取組調査(2日)を行う。
平成17年度においては,15名の教員が,軽度発達障害や虐待などに起因する生徒指導上の新たな課題に対する指導の在り方や具体的な生徒指導の対応や体制づくりの方法を学び,それらをもとに,関係機関での研修や先進地等の取組調査において,より実践的な研修を行うことができた。
広島県教育委員会からの研修生で、研修2年目となります。昨年度は同じ初等中等教育局の教育課程課で研修をしていました。元々は小学校教諭でしたが、市教育委員会、県教育委員会を経て、現在に至っています。
「生徒指導とは、児童生徒にとって楽しく学びがいのある学校をつくっていくこと」…学校現場はもちろん、市・県教育委員会での経験を生かしながら、また、多くの方々とのネットワークを大切にしながら、まさに児童生徒にとって楽しく学びがいのある学校づくりにお役に立てたらと思っています。よろしくお願いいたします。
四月三日より児童生徒課に配属となりました。一人でも多くの人が、「自分の人生は幸せだった」と言える社会を作りたいと思い、国家公務員を志望しました。そんな社会を作るために教育が果たす役割は大きいと考え、よりよい教育を実現するために教育現場と行政の架け橋になりたい、地域・学校・行政が一体となって教育に取り組めるしくみの整備・充実に携わりたいという思いで文科省を志望しました。児童生徒課に配属され、現場との関わりを大切にしようという雰囲気を感じながら仕事ができるのがとても幸せです。一方で、学生時代のように理想や感情で意見を述べるのでは通用しないと実感し、勉強しなければという焦りも感じております。今は目の前の仕事に取り組むのに精一杯ですが、一日も早く、現場の思いを考えながら仕事ができるようになりたいと思っています。社会人として至らぬ点もたくさんあると思いますが、ご指導の程よろしくお願いいたします。
児童生徒課生徒指導第2係にお世話になっています島根県からの研修生吉岡正弘です。花の都での生活は初めてで戸惑うことも多い毎日ですが、田舎者の生活スタイルを崩さず、マイペースで業務遂行に邁進しようと思っています。
話題を変えますが、私が生徒指導を行う上で大切にしていることは「心技体運鈍根」ということです。つまり、1 心のエネルギーを持ち、2 様々な教育の諸課題に対する新技術を身につけ、3 体の健全さを保持し、4 運を呼び込んで、5 ある程度鈍感になり、6 根気の続く限りねばり強く生徒に向き合うということです。このことは、人生をよりよく歩むということに共通して重要なことと感じています。人生をよりよく生きるためには、生徒指導の考え方は切り離せないことであると考えます。
皆様方の1年間宜しくお願いします。
(以上、50音順)。
(全てを記載しているわけではありませんので、必ず正式文書で確認をお願いします。)
今回は特になし。
初等中等教育局児童生徒課
-- 登録:平成21年以前 --