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2.5.沖縄県那覇市立銘苅小学校

自然・人と共に生き、最後までやりとげる力を育む自然体験活動

【活動のポイント】

 多くの自然は、開発のため宅地や商業地等へ変容しているが、「沖縄の社」という緑地帯を残したり、公園を随所に設ける等の努力がなされている。

  • → 子どもたちが生きていく上で今後重要な力となる「自然と共生する力」「人と共に生きる力」「自分で最後までやり遂げる力」を育むことを目的とし、年間を通じた自然体験や農業体験学習を行った。

全体の指導計画

活動内容(対象:5、6年)

<事前指導>

  • 「食について考える活動」に向け、学校給食の残量調査を実施するとともに、生ゴミの堆肥づくりを行った。
  • 授業参観日を活用し、モンゴルで親に見放された子ども達が真っ暗なマンホールの中で必死に生き抜いたマンホールチルドレンの講演会「懸命に生きる子ども達」、8〜9名で1グループとした「食についての子どもワークショップ」を実施し、食の大切さの理解や農業体験についての考えを深めた。

【ワークショップ】

<学級活動>
  • 食に関する学習の事前・事後意識実態調査を行う。
  • 給食残量調査を6月と9月にそれぞれ一週間ずつ行う。
  • 朝食摂取状況調査の結果と食べ残しの理由等をワークシートに記録させる。
<総合的な学習の時間>
  • NPOエコライフ代表の西江重信氏による、環境問題について考えるための講演会を行う。
  • 講演は「地産地消」、「野草食・伝統食」、「食べ残しとその活用」、「世界の富の偏在」の内容で行う。
  • NPOアジアチャイルドサポート代表の池間哲郎氏の講演で、モンゴルの子どもたちの生活や食べることの大変さについて学ぶ。
<家庭科>
  • 自分たちの残量記録をもとに、ライフスタイルの見直しにつなげることなどを目標に、給食センターの栄養士と「学校給食で何を食べているの?どこで作っているの?」のテーマでTT授業を行う。
  • 「バランスのよい食事をしよう」、「ご飯を炊いてみよう」の調理実習を行う。

<活動の展開>

  • 学校の屋上の緑地帯に、手作りの水田「メダカの学校、田んぼの学校銘苅分校」を作り、稲を植えた。地域間交流の前に、本校で農業体験を試みながら、興味・関心を高めていく活動を展開した。
  • 8月後半、環境教育に関心の高いNPO(注1)の協力を得て、総合的な学習の時間での活動として、沖縄県北部にある国頭村で田植えを実施した。田植え体験では、水田の環境を学ぶとともに、農家の方の指導を受けながら田植えを行い、農家の方々と昼食を共にし、心の交流を図った。
    • (注1)開校時から学社融合による教育を「3つの教育」のひとつとして推進しており、その実践のひとつとして、国頭村を拠点に児童生徒に対して農業体験活動等を提供している「NPOエコライフ」代表との連携による体験学習を計画・実施することができた。
  • 11月には、植えた稲の稲刈り・脱穀等を体験するとともに、学校で栽培した稲と農家の水田で栽培された稲の成長を比較し、田植えの時季、土作りや施肥、手入れ、病害虫防除等について学習を深めた。
  • 農家の人々の喜びや苦労を時間をかけて体験させる活動として、2泊3日のハートフルスクール(注2)を実施した。そのうち一日は、農家での農業体験・宿泊体験を実施し、直接体験による学習の深化と地域の方々との心の交流を図ることができた。
    • (注2)ハートフルスクールは、5年生と6年生の異学年合同による宿泊体験であり、2泊3日の日程で「国頭・東村村民の森」に宿泊する。豊かな体験活動と地域間交流をかねてキャリア教育につなぐ事業である。体験活動を通して、「豊かな心」を育み、夢や希望を描ける子どもの育成を目指す。

<事後指導>

 子ども達の自然と共生する心、人と共に生きる心、自分で最後までやりとげる心がどのように変化したかを振り返る「心の成長を見つめて」の時間を設ける。体験的活動から得られた心の成長を子ども自身が感じ取り、今後の生活に役立てるようにする。

体験活動の支援体制

【配慮事項】

  • 地域間交流の受け入れ地(東村)、稲刈り活動支援(NPO)、ボランティア等への連絡等連携を密にする。
  • 全体計画について校内での意思疎通を図り、体験活動について保護者への説明を実施。
  • 随時、評価活動を行い、全体計画の見直しを実施し、よりよい体験活動を創出する。

期間中の評価・指導の工夫等

  • 年間を通した体験活動のねらいをしっかりととらえさせる。
  • 子ども自身に「ポートフォリオファイル」を作成させ、1年間の心の成長を見つめさせる取組を実施。
    • ポートフォリオファイルは、計画・実践・評価の各段階における活動の記録をファイルし、活動の振りかえりや自己発見につなげることを目指している。内容としては、活動計画やワークショップ中のワークシート、活動中の写真、事前・事後のアンケート調査結果、自己評価表、感想等である。
  • 豊かな体験活動の評価票を作成し、児童に対し評価を実施するとともに、次年度活動に活用する。
    評価項目例
    • 自然体験、農業体験、塩づくり体験等を通して、自然と共生する力が身についたか。
    • 農業宿泊体験や魚のセリ市体験を通して、人と交流し、共に生きる力が身についたか。
    • ハートフルスクールの活動を通して、最後までやり通す力が身についたか。
    • ハートフルスクールで一番心に残った体験は何ですか。
    • ハートフルスクールで自分が成長したことは何ですか。 等

体験活動の成果と課題

成果

 自然体験や農業体験を体験させることにより、自然の大切さ、友達との協力、最後までやり遂げることの大事さについて学習を深めさせることができた。受け入れ地や活動支援NPO、ボランティア等との協力が推進され、子どもたちの体験活動がより安全で円滑な状態で実施できた。

課題

 ポートフォリオ、意見発表等、心の成長をみとる評価活動の充実を推進する。体験を通して成長した児童の発達段階を踏まえた体験プログラムの充実を図る。各体験活動の系統性と相互補完を図る取組を推進する。


-- 登録:平成21年以前 --