ここからサイトの主なメニューです

2.2.岡山県和気町立日笠小学校

「楽しく学ぼう!海の学校」体験活動

【活動のポイント】

  • 自然に囲まれたのどかな町だが、海にはやや遠く、気軽に遊びに行くことは難しい。
  • 学校内、学級内では比較的仲がいいが、全校児童数も少なく、特に同年代の児童と触れ合う機会が少ない。
  • →豊かな自然の中で自然体験学習をしたり、課題をもって学習することで、自分たちの生活や自然環境との関わりについて考えるとともに、長期宿泊による生活時間を活用し、規律を守る・協力する・責任を持つ等、自立に必要な知識・技能や生活習慣を身につける。

活動内容(対象:5年生)

<事前指導>

宿泊体験に向けての準備

事前指導(生活指導、しおり作り等)、健康相談、初経指導

宿泊体験につながる学習的要素を持った体験・学習

水質検査、水生動物調査、魚調理体験

  • 宿泊先(岡山県渋川青年の家)は、今まで多数の小学校や中学校の研修に利用されている施設であり、活動内容も、本体験活動のねらいに合致していると判断し、選定。
    • 同青年の家の生活信条:「秩序・友情・実践」
  • 船での移動や漁業体験でお世話になる「牛窓漁業協同組合」には、電話したり直接伺うなどして、活動内容や児童の体調面などにつき詳細に相談することができた。

<活動の展開>

(渋川青年の家)

  • シーカヤック体験:シーカヤックを会場で操作
  • レクリエーション:本校児童でレクリエーションを計画し、楽しく遊ぶ
  • 海岸散策:学級全員で海岸の地形や様子、生き物を見ながら散策
  • 砂の芸術:流れ着いた流木なども使いながら砂でいろいろなものをつくる
  • 海洋博物館見学:青年の家に隣接する海洋博物館で水生生物観察を行う
  • カッター訓練:カッターを海上で操作する
  • 交歓の集い:同じ日に研修に来ている学校とSGE的なレクリエーション(仲間づくり、おにごっこのようなゲームなど)を行う
  • クラフトづくり:貝殻を使ったフォトフレームを作製する
  • 地引き網:玉野渋川海岸で地引き網体験を行う

(牛窓研修センター 「カリヨンハウス」)

  • 海釣り体験:牛窓で海釣りを行う
  • 水質検査:玉野、牛窓でパックテストを行う
  • ポイントラリー:牛窓・前島の自然をテーマとしたポイントラリーをグループで行う
  • 星の学習・観察:6月にどのような星が見えるのかを学習し、施設内にある天体観測施設の天体望遠鏡で様々な星を観測する
  • 底引き網体験:操業している漁船に乗船し、底引き網を体験する
  • 野外炊事:捕れた魚を使って野外炊事を行い、バーベキューで食べる

<事後指導>

活動のまとめとなる学習

お礼の手紙、新聞作り、作文、冊子作り

発展的内容

淡水でのパックテスト、クリーン作戦

  • 発展的内容として、渋川や牛窓で行った水質検査(パックテスト)を、学校の近くを流れている日笠川も含めた淡水でも行った。児童は、生活水が流れている場所も実は以前に比べきれいになっていることを学習し、海や工場近くの場所も、人々の努力できれいになっていくことに気付いていく。
  • そこから、国語科「人と『もの』との付き合い方」(光村図書)の学習とリンクし、自分たちで行えることはないかと考え、11月の校内クリーン作戦に発展させる。クリーン作戦では、児童は「みんなできれいにしよう」「日笠をきれいにしよう」というところからスタートし、それぞれ満足感をもって終わった。

【全体の指導計画】

1.宿泊先における活動

 海の環境調査活動、漁業実習体験活動、海の生物調査活動、シーカヤック活動、カッター訓練活動、他の学校との交流活動、海の環境調査活動、漁業実習体験活動、野外炊事、ネイチャートレイル など

  • 総合的な学習の時間、特別活動、社会科、理科、家庭科に位置付け

期間:18年6月13日〜16日(30単位時間、3泊4日)

2.1.に関連して実施する活動

 魚調理体験、水質検査・水生動物調査 など

  • 総合的な学習の時間に位置付け

期間:18年5月31日・6月8日(7単位時間)

3.事前・事後に実施する学習指導、関連する指導

 事前指導、水産業の盛んな地域に関する学習、海や川の魚の学習、事後指導、人と「もの」との付き合い方に関する学習、クリーン作戦に向けての検討 など

  • 総合的な学習の時間、特別活動、国語科、社会科、理科に位置付け

期間:18年5月18日〜11月24日(58単位時間)

体験活動の支援体制

  • 学校支援委員会をPTA会長やPTA役員、町教委、宿泊研修所担当者、校長、教頭、学年担当教諭で構成し、計画立案や行事を通しての健康安全面の支援等を行った。今回は、AEDの携行や代替養護教員の確保、保護者の同行などについて、校長を中心とした支援委員会が力を発揮したと思われる。
  • 児童にとっては初めての長期宿泊であるため、最初は、慣れない環境に適応できるように、ゆったりした計画、そして、後半は慣れからくる気の緩みや、ホームシックを感じさせないように、できるだけ変化のある充実した活動になるような計画を作成した。
    • 今回、「心室性頻拍症」である児童がいた。運動制限が必要で、元気そうに見えても、運動により心筋が痙攣し、不整脈から突然死に至ることもあるため、健康面では最も留意した。長期宿泊については、疲れや活動等からどのような状態になるか予測しづらいという面があるが、保護者と相談しつつ、当該児童が全活動に参加できるような計画とした(特に船の上での活動は、同行する保護者の判断を仰ぎながら行った)。
  • シーカヤック体験・地引き網体験では渋川青年の家の職員の、底引き網体験では漁協の、牛窓研修センターのその他の体験ではセンターの方の指導・支援を得ることができた。シーカヤック体験では児童の安全に配慮し、体験する児童とそれを砂浜で見守る児童に分ける、指導者もカヤックに乗り海上で監視する、等の対応をとった。牛窓研修センターでの活動は、概ねセンターが備えているプログラムを活用した。

期間中の評価・指導の工夫等

  • 活動中に行う児童相互の評価、しおり作りや役割決め等の活動について、観察による評価、児童が書いた新聞や作文などによる評価を行い、多角的に子どもの成長ぶりをとらえるように心がけた。また、環境への関心、協力、奉仕、規律などを評価の観点とし、各活動について複数の観点から評価と指導を行った。
  • 評価については、常に形成的評価を心がけ、子どもたちがより意欲をもち、活動のめあてを達成できるよう助言したり、ほめたりして、積極的に声をかけていくことで、評価を指導に生かすように努めた。特に、否定的な声かけ・評価(なになにはだめだよ)ではなく、肯定的な声かけ・評価(なになにしたらいいよ)を常に意識しながら行うことで、めあてに向けての方向付けをした。

体験活動の成果と課題

  • 3連泊を通して、思いを伝えたり、互いの様子について深い理解を得たりすることができ、より親密な関係を築けた。例えば、それぞれががんばってもできないことが、一緒に生活することで見えてきて、一人一人に応じた配慮ができるようになったり、逆にはっきり注意したりすることができるようになった。
  • 長い期間、親元から離れて生活することに、児童も保護者も教員も当初不安を覚えていたが、日程の計画もほどよく、自立心が育っている様子が見られた。帰校する段階で、大変疲れているはずの児童が「まだ帰りたくない」と、異口同音に言う姿が印象的であった。このような変容は、短い宿泊では見られなかった点であろう。
  • さらによい体験活動にするために、学校全体での共通理解、役割分担や時間の確保、よりめあてを反映した指導計画や単元計画(総合的な学習の時間を含む)を生かしていきたい。次年度は、児童の健康面や学校での体制など不安な面もあるものの、4泊での研修を検討していきたい。

-- 登録:平成21年以前 --