制度の概要・趣旨について
1.公立高等学校の授業料不徴収及び高等学校等就学支援金制度とはどのような制度ですか。
(答)
「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」により、地方公共団体は、公立高等学校の授業料を原則として徴収しないこととされています。
また、私立高等学校等に在学するすべての生徒等に対して、授業料に充てるための高等学校等就学支援金を都道府県知事等から支給することとしています。支給に際しては、学校の設置者が生徒に代理して受け取り、授業料と相殺することとなっており、これによって簡便かつ確実に授業料の負担が軽減されるようにしています。
これらに必要な費用は国から地方公共団体に対して交付することとしており、国の費用によって授業料負担の軽減を実現することとしています。
2.なぜこの制度を実施する必要があるのですか。
(答)
高等学校等への進学率は約98%に達し、国民的な教育機関となっており、その教育の効果は広く社会に還元されるものであることから、その教育費について社会全体で負担していく方向で諸施策を進めていくべきと考えられます。
また、高等学校等については、家庭の経済状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が安心して教育を受けることができるよう、家庭の経済的負担の軽減を図ることが喫緊の課題となっています。
さらに、多くの国で後期中等教育を無償としており、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」という条約にも中等教育における「無償教育の漸進的な導入」が規定されるなど、高校無償化は世界的にも一般的なものとなっているといえます。
このようなことから、高等学校等における保護者の教育費負担の軽減を図ることを通じて教育の機会均等に資することができるように、今回の制度を実施するものです。
制度の対象について
3.どのような学校が対象になりますか。
(答)
今回の制度の対象となるのは、
- 高等学校
- 中等教育学校の後期課程
- 特別支援学校の高等部
- 高等専門学校の1年生から3年生
となっており、全日制の高等学校や中等教育学校だけでなく、定時制、通信制の課程も対象となっています。
専修学校及び各種学校については、具体的には、中学校の卒業者を対象としている専修学校の高等課程と、各種学校のうち一定の要件を満たす外国人学校が対象となることが、省令で定められています(要件を満たす外国人学校については、告示で指定)。
このように、多様な教育機関における学びを支援することによって、本当に学びたいと思える場所での勉強を経済的に後押ししていくことを目指しています。
4.所得による制限はありますか。
(答)
所得制限はありません。
5.授業料以外も対象になるのですか。
(答)
今回の制度が対象にしているのは、授業料です。授業料以外の費用、例えば入学金については、今回の制度の対象にはなりませんが、各都道府県で行っているこれらの費用に対する支援などを充実していけるように、国としても予算措置を講ずるなどの後押しをしています。
6.公立高校の授業料が無償になるのはどのような場合ですか。
(答)
今回の法律によって、原則として公立高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。)の授業料は徴収しないこととされています。
ただし、授業料を徴収しないことが公立高校における教育に要する経費に係る生徒間の負担の公平の観点から相当でないと認められる特別の事由がある場合には、授業料を徴収するかどうかを地方公共団体に委ねることとしています。地方公共団体によって取扱が異なりますので、各学校、高校を設置している都道府県(市区町村立の場合はそれぞれの市区町村)にお問い合わせ下さい。
就学支援金の手続について
7.就学支援金を受け取るには、どのような手続が必要ですか。所得に応じて加算されるということですが、そのためにも手続が必要ですか。
(答)
私立高等学校等に在学する生徒が就学支援金の支給を受けるためには、学校の設置者を通じて、都道府県知事等に申請書を提出し、受給資格の認定を受ける必要があります。この際、日本国内に住所を有すること、高等学校等を既に卒業していないことや、36月以上在学していないことといった、一定の要件を満たす必要があります。
また、所得に応じた加算支給を受けるためには、その旨の届出と保護者の課税証明書等の添付書類を提出する必要があります。
8.所得に応じた加算とは、何を基準に判断するのですか。
(答)
市区町村民税の所得割の額を基準に判断します。具体的には、月額9900円の支給限度額が
(1)生徒の保護者の市区町村民税所得割が非課税の場合には2倍、
(2)市区町村民税所得割額が1万8900円未満(平成24年7月分以降は、18,900円に(イ)16歳未満の扶養親族の数×21,300円、(ロ)16歳以上19歳未満の扶養親族の数×11,100円の合計を加えた額未満)の場合には1.5倍
となります。(例えば、両親と子ども2人の家庭では、(1)は概ね250万円未満程度、(2)は概ね350万円未満程度に相当します。)
9.誰の税額を基準として加算の対象になるかどうかを判断するのですか。
(答)
加算の対象の判断に際しては、原則として保護者(親権を行う者)の税額を基準として判断することとなっています。
生徒に保護者がいない場合には、加算の基準となる税額は、生徒本人又は生徒が「主として他の者の収入により生計を維持している場合」にはその者の税額となります。
10.父母A及びBが離婚して、親権者はAですが、実際にはBが子どもを養育している場合、A・Bどちらの税額を基準として加算の対象になるかどうかを判断することになりますか。
(答)
加算の対象の判断に際しては、実際ではなく、原則として保護者(親権を行う者)であるAの税額を基準として判断することとなっています。
ただし、親権者が、受給権者の就学に要する経費の負担を求めることが困難である者と認められる場合には、この制度の適用においては、その者は保護者には含まれないこととされています。
生徒に保護者がいない場合には、加算の基準となる税額は、生徒が「主として他の者の収入により生計を維持している場合」にはその者の税額、その他の場合は生徒本人となります。したがって、親権をもつ親Aが生徒の「就学に要する経費の負担を求めることが困難である者」と認められるケースについて、親権のない親Bが受給権者である生徒の生計の維持にあたっているときには、親権を有しない親Bの税額を基準とすることになります。
11.二十歳になって成人した者には「親権者」がいませんが、誰の所得を基準として判断することになりますか。
(答)
成人には親権者がいませんので、本制度の適用において生徒に「保護者がいない場合」にあたります。この場合、加算の対象になるかどうかは、生徒が「主として他の者の収入により生計を維持している場合」は、その者の税額、そうでない場合は、生徒本人の税額によって判断することになります。
12.生徒の生計を主として維持している者にあたるかどうかはどのように判断しますか。
(答)
生計を主として維持している者は、健康保険法等で扶養者と被扶養者の関係を定めるにあたって用いられている考え方と同等のものです。この簡便な確認手段として、例えば健康保険証を確認すること等により確認することが考えられます。
13.親の離婚等で保護者の変更があることに伴い、保護者等の税額が変わることによって加算額の変更が生じる場合には、いつから加算額が変更されますか。
(答)
保護者に変更があった場合には、生徒は速やかに届け出なければならないこととされています。保護者関係の変更に伴い加算額も変動する場合には、この届出のあった翌月から、変動した加算額が適用されることとなります。
14.加算支給のための届出書の記入者署名欄は、誰の名前で署名するのですか。
(答)
生徒本人又は保護者(施行令第4条第2項第1号に規定する保護者のほか、児童相談所長等の親権を行う者及び施行令第4条第2項第2号に規定する「当該受給権者が主として他の者の収入により生計を維持している場合にあっては、当該他の者」に該当する者を含む)の名で署名することになります。
支給期間について
15.就学支援金は、在学していればいつまでも支給されるのですか。
(答)
高等学校の標準的な修業年限とされている36月まで支給されます。定時制・通信制の課程については48月まで支給されます。
16. この制度が始まる前(平成22年4月以前)から在校している生徒も含めてすべての生徒が36月間就学支援金の支給を受けることができますか。
(答)
就学支援金は、高等学校等に在学していた期間が36月(定時制・通信制は48月)までの間支給されることとなっています。この制度が始まる前に在学していた期間もこの月数の計算の中には含まれることとなっていますので、例えば、既に24月在学していた生徒は、残りの12ヶ月間支給を受けることとなります。
17.生徒が休学した場合には、就学支援金の扱いはどうなりますか。
(答)
休学した場合にも、就学支援金は支給され、その間は36月の支給期間(定時制・通信制は48月)も経過していくことになっています。
ただし、就学支援金の額は、授業料として支払っている額(支給限度額の範囲内)となっていますので、例えば休学期間中には授業料が課されない学校の場合には、就学支援金の額は0円になってしまい、36月の支給期間は経過していくことになります。
このため、休学している間は就学支援金の支給を止めるようにしたい場合には、支給停止の申出を学校に提出する必要があります。この申出をした場合には、申出の翌月から復学して支給再開のための申出をするまでの期間は就学支援金の支給は停止し、またその期間を36月のカウントには含まれないようにすることができます。
18.この制度が始まる前に休学していた期間は36月の支給期間に算入されますか。
(答)
この制度が始まる前に休学していた期間は、36月の支給期間の計算には含まれないこととしています。
授業料減免との関係について
19.学校が授業料減免を行っている場合、就学支援金はどうなりますか。また、就学支援金と、学校や地方公共団体が行っている奨学金とは、両方とも受けることができますか。
(答)
授業料減免がされている場合には、減免された残りの授業料について就学支援金が充てられることになります。
また、奨学金と就学支援金は別の制度ですので両方とも受けることができます。
都道府県や学校が就学支援金に上乗せしてさらに教育費負担の軽減が図られるように、国は地方交付税措置を増額するなどの後押しをしており、本制度の導入を契機として、教育費負担軽減の取り組みがさらに充実されるよう期待しています。