検 定 意 見 書
受理番号 12-337 | 学校 高等学校 | 教科 地理歴史 | 種目 世界史A | 学年 |
番号 | 指摘箇所 | 指 摘 事 項 | 指 摘 事 由 | 検定基準 | |
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頁 | 行 | ||||
1 | 11 | 9 | 朝鮮半島を経由して、中国の文化は日本列島にも及んだ。 | 郡の設置された朝鮮半島を経由して伝えられた「文化」がなにを意味するのか明確ではなく、理解し難い表現である。 | 3-(2) |
2 | 19 | 囲み | カースト制 ・・・各カーストがどのヴァルナに属するのか地域ごとに決められていった。 | イギリス植民地時代の事情を先取りしており、ヴァルナが実体的な制度であったかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
3 | 26 | 8 − 10 |
・・・西ヨーロッパではケルト系・・・主体である | 中世以降のヨーロッパ史でケルト系の民族を「主体」とすることは、ケルト諸語を母語とする人たちの現在の人口数からいっても、理解し難い表現である。 | 3-(2) |
4 | 27 | 11 − 16 |
中小農民は・・・没落していった。その結果、私兵をたくわえた軍人政治家が主導権をめぐって争い・・・元首政(帝政)に移行した。 | 中小農民の没落と軍人政治家の主導権争いとの因果関係が説明不足であり、そのため帝政への移行も理解し難い記述となっている。 | 3-(2) |
5 | 33 − 48 |
第2章諸地域世界の交流 | 学習指導要領に示す「内容」の(1)のオの(ア)から(エ)について、「内容の取扱い」(2)のイに照らして、二つ程度選択して学習することができるよう配慮がされていない。 | 固有 2-(1) |
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6 | 58 | 3 − 5 |
朝鮮も日本も、西欧との交易・交流を部分的に保持しながらも | 西欧との交流が、日本と朝鮮で同じような形態で維持されたかのように、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
7 | 82 | 6 − 8 |
ナポレオンのエルバ島脱出による中断や諸国の利害の対立などのため、会議は長びいたが、1815年、ようやくウィーン議定書が調印され・・・ | ナポレオンのエルバ島脱出による中断は、ウィーン会議長期化の主原因ではなく、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
8 | 82 | 19 − 20 |
いくつかの国に分裂している民族が一つにまとまろうとする国民主義、他国の支配下に苦しんでいる民族が独立を求める民族主義 | 国民主義・民族主義という概念は、元来一つの概念であることが説明されておらず、理解し難い表現である。 | 3-(2) |
9 | 108 | 4 | (甲午農民戦争は)・・・李朝封建支配を打倒することをめざした。 | 甲午農民戦争の目標として、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
10 | 108 | 19 | 先住民族である高砂族 | 台湾の先住民を高砂族と呼ぶのは不正確である。 | 3-(1) |
11 | 118 | 4 − 7 |
一定の教育を受け、労働者と有産者の中間に位置づけられるこれらの人々に、知識人や専門技術者を加えた新中間層 | 「知識人や専門技術者」は旧中間層に分類するのが通例であり、新中間層に加えることは誤りである。 | 3-(1) |
12 | 127 | 側注3 | 山東半島における日本の利権は九か国条約で中国への返還が決まった。 | 山東半島の利権返還は九カ国条約には規定されておらず、誤りである。 | 3-(1) |
13 | 133 | 側注3 | ナチスの支配した十数年を第三帝国という。 | 「第三帝国」という用語は、政治宣伝のための用いられた経緯があり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げている。 | 2-(4) |
14 | 138 | 地図 | 地図「国民革命軍の北伐と共産党の長征」中の「長征路」 | 長征の終結点を延安とするのは誤りである。 | 3-(1) |
15 | 141 | 3 | 「特殊工人」 | 説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
16 | 145 | 10 | とくに朝鮮では・・・朝鮮語が禁止され | すべての場所で朝鮮語が禁止されたかのように、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
17 | 147 | 側注3 | 対独戦でつかれ、対日参戦に乗り気でないソ連をひきこむため、米英はいわゆる北方領土のソ連帰属を認めた。 | ソ連の対日参戦の経緯に関する叙述として、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
18 | 158 | 11 − 14 |
ケネディ政権は・・・軍事顧問団や特殊部隊を派遣して・・・。解放勢力は、南ヴェトナム解放民族戦線を結成して・・・ | ケネディ政権による軍事顧問団の派遣と南ヴェトナム解放民族戦線の結成は時系列が逆であり、不正確な記述である。 | 3-(1) |
19 | 163 | 下図 | 図「上野動物園のパンダ」中の「1972年、日中国交回復で中国から・・・」 | 国交を回復したとする表記は、不正確である。 | 3-(1) |
20 | 186 − 193 |
第7章「地球社会へ向かって」の「巨大技術と情報化」及び「地球環境の危機回避に向けて」 | 学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(2)のエの(イ)「例示された課題などを参考に適切な主題を設定し」に照らして、学習主題が明示されておらず、扱いが不適切である。 | 2-(1) | |
21 | 195 | 4 − 9 |
しかし、1991年12月、戦時中従軍慰安婦となることを強制された韓国女性たちから賠償請求訴訟がおこされ・・・国の責任を明確にすることと個人に対する賠償を必要とする問題が吹き出した。この事実は、日本が過去の戦争や植民地支配の責任の多くをあいまいにしてきたことを示している。 | 国家間の賠償問題については解決済みであり、問題となっているのは個人の請求権に基づいての主張であることが明確ではなく、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
検定基準の欄には、義務教育諸学校教科用図書検定基準又は高等学校教科用図書検定基準の第2章及び第3章に掲げる項目のうち、該当するものの番号を示す。