検 定 意 見 書

 受理番号 12-334  学校 高等学校  教科 地理歴史  種目 世界史B  学年 

番号 指摘箇所 指 摘 事 項 指 摘 事 由 検定基準
1 5

24
  「世界史のとびら」
1,2,3,4,5,6
学習指導要領に示す「内容」の(1)のアからウについて、「内容の取扱い」の(2)のアに照らして、選択して学習することができるよう配慮がなされていない。 固有
2-(1)
2 5

24
  「世界史のとびら」
1,2,3,4,5,6
学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(2)のア「二つ程度主題を設定して追究する学習を行うこと」に照らして、学習主題が明示されておらず、扱いが不適切である。 2-(1)
3 9 7

10
古代ローマ帝国の時代には・・・イスタンブル周辺がヨーロッパとよばれ・・・名称に拡大されたというのが真相である。 イスタンブル周辺が「オキシデント」という観念で考えられたことはあるが、当時オキシデント観念はヨーロッパ観念とは一致しておらず、また、古代ローマの地理的観念はすでにほぼ現在のヨーロッパまで広がっており、不正確な記述である。 3-(1)
4 77

78
17

1
こうして、インド独自の宗教であるヒンドゥー教が成立した 14-17行の二大叙事詩及び『マヌ法典』とヒンドゥ教の関わりが記されておらず、「こうして」の意味が理解し難い記述である。 3-(2)
5 79 5

6
いっぽうスリランカには、アショーカ王に由来する伝承をもつシンハリ王国が成立し、仏教が栄えた。 「アショーカ王に由来する伝承」という表現は説明不足で、シンハリ国の起源に関して理解し難い。 3-(2)
6 101 10

11
高句麗は・・・新羅や百済と対立した。 高句麗は百済と対立し、新羅とは友好・同盟関係にあった時期の方が長かったことを考慮すると、この記述は高句麗と新羅の対立が恒常的かつ長期的であったかのように誤解をするおそれのある表現である。 3-(2)
7 102 20 朝鮮半島での拠点であった加羅(任那) 当時の朝鮮半島と日本の関係についての学説状況に照らして、誤解するおそれのある表現である。 3-(2)
8 163 24 第2次民族大移動 p.65 では「民族大移動」という用語は使用されておらず、「第2次」という表記は理解し難い。 3-(2)
9 168 23

25
「都市の空気は自由にする」・・・しかし、都市の自由とは・・・都市特権層の自由であり、修業中の職人や徒弟、奉公人などは、きびしい規制のもとにあった。 引用された言葉は、農村住民と対比して法共同体としての都市の自由を表現したものであって、社会的・身分的な差違は別な事柄であり、中世の自由の観念について誤解のおそれのある記述である。 3-(2)
10 169 6 このような世俗化したカトリック世界に キリスト教会史における「世俗化」とは異なる意味で用いられており、不正確な表現である。 3-(1)
11 208 15

16
物価騰貴に苦しむ日本は、国内体制の防衛のために1641年に鎖国政策を徹底して、国内自給体制をつくっていった。 鎖国をめぐる事情の記述として、説明不足で理解し難い。 3-(2)
12 246 グラフ グラフ「ヨーロッパにおける人口の増加」 ヨーロッパの通例の地理的区分と、歴史人口学の成果に基づくヨーロッパの区分との相違について説明不足であり、理解し難いグラフである。 3-(2)
13 246 1

2
・・・スペインからは、ミシシッピ川以西の地を譲るかわりにフロリダを得た。 ミシシッピ川以西の地がイギリス領であったかのように誤解するおそれのある表現である。 3-(2)
14 255 リオのカーニバル カーニバルはヨーロッパの春迎えの祭礼だったが カーニバルは、カトリックの教会暦に基づく祭礼として導入されたことに言及されておらず、祭りの起源に関して誤解のおそれがある。 3-(2)
15 306 脚注1 朝鮮(李朝)は・・・独立国としてのかたちを整えるために・・・改めていた。 独立国の「かたちを整える」とは何か、理解し難い表現である。 3-(2)
16 306 8

10
義兵闘争は全国に広がり、各地に反日闘争の政治団体が誕生した。 各地に誕生した「政治団体」が義兵闘争の組織であると、誤解するおそれのある表現である。 3-(2)
17 324 21

23
この「黄金の20年代」に・・・東欧やアジアからの新移民も増加した。 1920年代の移民に関して、不正確な表現である。 3-(1)
18 332 15

16
コミンテルンは・・・それは1927年の 介石の反共クーデタを許した コミンテルンと 介石のクーデタの関係に関して、説明不足で理解し難い表現である。 3-(2)
19 335 8 ソウル 当時の呼称が示されていないため、韓国併合後も「ソウル」と呼ばれたかのように、誤解するおそれがある表現である。 3-(2)
20 347 4 小見出し「アジア・太平洋戦争」

   p.347 14行目
「アジア・太平洋戦争」という用語は、現在一般的とは言い難い。 2-(4)
21 372 6

8
ヴェトナム戦争に敗北した合衆国は、対外政策の再構築をよぎなくされた ニクソン訪中の時点では、敗北は決定しておらず、不正確である。 3-(1)
22 380 9

10
・・・クーデタをおこしたが、エリツィンによって鎮圧された エリツィンの個人的な力によってクーデタが失敗したかのように、誤解するおそれのある表現である。 3-(2)
23 385

390
  終章「君たちの時代へ」の2「国際秩序の変動」、3「21世紀を生きる」 学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(2)のエの(イ)「例示された課題などを参考に適切な主題を設定し、生徒の主体的な追究を通して認識を深めさせる」に照らして、学習主題と追究方法が明示されておらず、扱いが不適切である。 2-(1)

 検定基準の欄には、義務教育諸学校教科用図書検定基準又は高等学校教科用図書検定基準の第2章及び第3章に掲げる項目のうち、該当するものの番号を示す。