検 定 意 見 書
受理番号 12-317 | 学校 高等学校 | 教科 地理歴史 | 種目 世界史B | 学年 |
番号 | 指摘箇所 | 指 摘 事 項 | 指 摘 事 由 | 検定基準 | |
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頁 | 行 | ||||
1 | 6 − 17 |
序章 世界史への扉 1,2,3 |
学習指導要領に示す「内容」の(1)のアからウについて、「内容の取扱い」の(2)のアに照らして、選択して学習することができるよう配慮がなされていない。 | 固有 2-(1) |
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2 | 30 | 図2 | 図2「重装歩兵の密集隊」・・・前列が戦い疲れると順次に後列の者が前にでて戦い・・・ | 重装歩兵密集隊の戦闘方法の記述として誤りである。 | 3-(1) |
3 | 45 | 囲み | 「カースト制度」:・・・四つのヴァルナとその外にある「不可触民」制を大きな枠組みとし、そのなかにあるジャーティをふくめて、カースト制度とよぶ。・・・ジャーティの解消は今日でもなお困難である。 | カースト制度の理解において、ヴァルナが実体的な制度であるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
4 | 84 | 図1 | 図1シュヴァルツヴァルト(ドイツ)黒い森の意味。 | シュヴァルツヴァルトは山脈の名称であり、また、図版のままの「黒い森」が当時も存在したかのように誤解のおそれがある。 | 3-(2) |
5 | 84 | 8 − 9 |
・・・東ヨーロッパは、乾燥期が長く・・・ | 湿潤大陸性気候の東ヨーロッパで、乾燥期が長いという表現は、理解し難い。 | 3-(2) |
6 | 109 | 地図 | 図3 モンゴル帝国の発展 高麗の表示 |
元と高麗の関係について、誤解のおそれがある。 | 3-(2) |
7 | 119 | 16 | 都市では賃上げを求める労働者の暴動(民変) | 民変を労働者の賃上げ闘争とすることは、不正確である。 | 3-(1) |
8 | 128 | 図2 | 「ヴィーナスの誕生」・・・ギリシア神話と題材とすることは、キリスト教の束縛からの解放を意味した。 | 「ヴィーナスの誕生」はキリスト教的なアレゴリーから解釈することも可能であり、作品の意味を誤解するおそれがある。 | 3-(2) |
9 | 131 | 図5 | 図5「大航海時代」中の「ポルトガル本国とその植民地」の図示 | アフリカ・インドのポルトガルの支配が領域的な支配として図示されており、誤りである。 | 3-(1) |
10 | 133 | 囲み | 「コロンブスの交換」 | 「コロンブスの交換」のヨーロッパからアメリカ大陸への伝搬に関して、伝染病だけを特別に強調し過ぎている。 | 2-(4) |
11 | 166 | 図3 | 図3「世界の工場」イギリス イギリスの貿易 各国の植民地 |
いつの時代を表す地図か記されていないこともあって、イギリスの貿易品目の動き、各国の植民地ともに指示するところが不明であり、理解し難い地図である。 | 3-(2) |
12 | 169 | 15 − 16 |
ウィーン体制下で革命運動が抑圧されると、理性への信頼はゆらぎ・・・ロマン主義の潮流があらわれた。 | ロマン主義のもととなった理性への信頼の「ゆらぎ」には多面的な理由があり、一つの見方を特別に強調し過ぎている。 | 2-(4) |
13 | 170 | 囲み | 「三色旗とナショナリズム」中の1行目。「ベルリンの三月革命でふられた『黒・赤・黄』の三色旗」 | 三色旗の「黄」は、誤りである。 | 3-(1) |
14 | 171 | 12 − 13 |
労働者による自治政府(パリ=コミューン) | パリ=コミューンの主体に関して、誤解のおそれのある表現である。 | 3-(2) |
15 | 181 | 11 | ・・・どの人種も同じ市民権を得て法的には平等となった。 | アメリカ社会に関して、不正確な記述である。 | 3-(1) |
16 | 182 | 図1 | 図1「19世紀なかばの近代世界システム」 | 近代世界システムの説明として、不正確な模式図である。 | 3-(1) |
17 | 186 | 15 | インドを本国政府の直轄地とし | インド全土が直轄地であるかのように表現されており、インド統治に関して誤解のおそれがある。 | 3-(2) |
18 | 191 | 図5 | 「図5 19世紀後半の朝鮮と日本の動き」中の朝鮮の「高宗李太王」 | 朝鮮の君主の呼称として、不正確である。 | 3-(1) |
19 | 194 | 15 − 17 |
ドイツでは、1890年にドイツ社会民主党が成立し・・・イギリスでは1906年・・・労働党が成立した。 | 当該記述の年代はいずれも党名が改称された年であり、「成立」とするのは不正確である。 | 3-(1) |
20 | 196 | 12 | ・・・キューバを経済的支配下においた。 | アメリカとキューバの関係について、誤解のおそれのある表現である。 | 3-(2) |
21 | 198 | 図1 | 図1「日清戦争後の中国」中の列強の勢力範囲 | イギリス、ロシアの勢力範囲が図示されておらず、不正確な地図である。 | 3-(1) |
22 | 208 | 10 − 11 |
しかし、各国がそれぞれの利益を主張し、つぎの大戦を生みだす条件となってしまった。 | 各国の利益の主張のどのような点が大戦を生みだす条件となったのか説明不足で理解し難い。 | 3-(2) |
23 | 211 | 13 | 37年にエール共和国として | 正式国名として、エール共和国は誤りである。 | 3-(1) |
24 | 212 | 7 − 8 |
ドーズ案により、アメリカの資金を借り入れて | ドーズ案に関して、「資金を借り入れて」という表現は不正確である。 | 3-(1) |
25 | 215 | 16 − 17 |
ソウル | 当時の呼称が示されていないため、韓国併合後も「ソウル」と呼ばれたかのように、誤解するおそれがある表現である。 | 3-(2) |
26 | 228 | 5 − 6 |
こうしたドイツの支配に対して・・・レジスタンス(抵抗)運動が広がった。 | 文脈上、レジスタンスがユダヤ人迫害に対してのみ広がったように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
27 | 258 − 265 |
第5章「地球世界の形成」の5「国際対立と国際協調」、6「科学技術の発達と現代文明」、7「これからの世界と日本」 | 学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(2)のエの(イ)「生徒の主体的な追究を通して認識を深めさせる」に照らして、課題追究の方法が明示されておらず、扱いが不適切である。 | 2-(1) | |
28 | 263 | 5 − 6 |
二酸化炭素の排出は地球温暖化をひきおこした。 | 二酸化炭素と地球温暖化との間の因果関係に関する記述が断定的にすぎ、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
検定基準の欄には、義務教育諸学校教科用図書検定基準又は高等学校教科用図書検定基準の第2章及び第3章に掲げる項目のうち、該当するものの番号を示す。