検 定 意 見 書
受理番号 12-308 | 学校 高等学校 | 教科 地理歴史 | 種目 世界史B | 学年 |
番号 | 指摘箇所 | 指 摘 事 項 | 指 摘 事 由 | 検定基準 | |
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頁 | 行 | ||||
1 | 9 − 17 |
世界史への扉 | 学習指導要領に示す「内容」の(1)のアからウについて、「内容の取扱い」の(2)のアに照らして、選択して学習することができるよう配慮がなされていない。 | 固有 2-(1) |
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2 | 9 − 17 |
世界史への扉 | 学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(2)のア「二つ程度主題を設定して追究する学習を行うこと」に照らして、学習主題が明示されておらず、扱いが不適切である。 | 2-(1) | |
3 | 47 | 24 − 25 |
ローマ市民権を利用して帝国各地に布教、また信徒の団体である教会をつくった。 | ローマ市民権の保有が帝国各地への伝道を容易にし、またパウロが教会組織を創設したように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
4 | 77 | 23 − 25 |
加羅を根拠地として百済をたすけ、高句麗に対抗したが、6世紀後半には朝鮮半島から事実上手を引いた。 | 当時の朝鮮半島と日本の関係についての学説状況に照らして、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
5 | 77 | 脚注 | 中国の吉林省に現存する高句麗の広開土王・・・その読み方については諸説がある。 | 倭が「6世紀後半には朝鮮半島から事実上手を引いた」という本文と広開土王碑の説明との関係が理解し難い。 | 3-(2) |
6 | 81 | 20 | 漢字 | 「漢字」が唐から「朝鮮や日本」に伝来したかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
7 | 127 | 20 | 教会が世俗化すると | 「世俗化」という表現は不正確である。 | 3-(1) |
8 | 128 | 1 − 2 |
皇帝はドイツ以外での叙任権を失った。 | 不正確である。 | 3-(1) |
9 | 175 − 176 |
13 − 2 |
ドームとギリシア風の列柱をくみあわせたルネサンス様式 | ルネサンス様式の説明として、誤りである。 | 3-(1) |
10 | 233 | 5 − 7 |
西部には東部とちがって植民地時代からの伝統がなく、実力主義の社会で民主政治が発展しやすかった。 | 「伝統がなく、実力主義の社会」であると、なぜ「民主政治が発展」するのか、理解し難い表現である。 | 3-(2) |
11 | 237 | 6 − 8 |
独立戦争下のギリシアにわたったバイロン、「革命詩人」とよばれたハイネらは、ゲーテやシラーが完成した古典主義をうけて、新しい文学の流れを代表した。 | バイロンとゲーテ・シラーの関係について、不正確である。 | 3-(1) |
12 | 253 | 1 − 6 |
18世紀末からは、中国の茶を本国に、本国の綿製品をインドに、インド産のアヘンを中国にはこぶ三角貿易をはじめた。 | 表記の三角貿易が18世紀末に始められたというのは誤りである。 | 3-(1) |
13 | 255 | 地図 | 19世紀なかばの東アジア | 不正確な地図である。 | 3-(1) |
14 | 255 | 脚注 | 太平天国のほか、華北の農民を中心とする捻軍、西北や雲南のイスラーム教徒、西南のミャオ族の反乱などがある。 | 「それらの結社は中国各地で反乱をおこした」という本文に照らして、結社の反乱例の中に、宗教や民族の反乱も含まれており、本文と注の組織が不適切である。 | 2-(9) |
15 | 265 | 10 − 12 |
セオドア=ローズヴェルト大統領は、国内では反トラスト法(1890年制定)を使って大企業の市場支配を阻止して、革新主義の改革を実行する | 「革新主義」がセオドア=ローズヴェルトの政策としか関連づけられておらず、「革新主義」について誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
16 | 273 | 26 | 宗教的武術集団の義和団 | 義和団の性格について、不正確である。 | 3-(1) |
17 | 292 | 図 | 図「ドーズ案成立後の資本の国際的循環」中の「資本援助」 | 不正確な表現である。 | 3-(1) |
18 | 306 | 脚注 | 1932(昭和7)年の五・一五事件、36(昭和11)年の二・二六事件などがある。 | 本文では満州事変前の状況が記述されているのに対して、注では満州事変後の事件が挙げられているため、本文と注の組織が不適切である。 | 2-(9) |
19 | 315 | 9 − 11 |
占領下のフィリピン・インドネシア・ミャンマーには親日政権をつくらせ | 不正確である。 | 3-(1) |
20 | 330 | 4 − 9 |
西ヨーロッパでは、世界大戦の反省とソ連・東欧社会主義国への対抗などから、エネルギー資源や工業資源を共同で管理し、相互の対立を防止しようとする構想があらわれた。 | 「ソ連・東欧社会主義国への対抗」が西ヨーロッパ経済統合への主因であったかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
21 | 330 | 21 − 22 |
議会の全政党を加えた大連合政府が成立した。 | 誤りである。 | 3-(1) |
22 | 334 | 4 − 6 |
中国は、1950年代前半に戦前の農工業生産をこえたが、50年代後半の危機には共産党支配への批判があらわれた。 | 「50年代後半の危機」と「共産党支配への批判」との因果関係が理解し難い。 | 3-(2) |
23 | 340 | 上写真キャプション | 冷戦の終焉 | INF全廃条約の調印をもって、「冷戦の終焉」とするのは誤りである。 | 3-(1) |
24 | 348 | 1 − 3 |
韓国・台湾・香港・シンガポール・ブラジルなどは、1970年代に加工業や中継貿易の育成に成功して、新興工業経済地域(NIES)とよばれる中所得国になった。 | 台湾と香港が国として扱われており、不正確である。 | 3-(1) |
25 | 350 | 24 − 25 |
李登輝は、89年に戒厳令を解除し | 誤りである。 | 3-(1) |
26 | 355 | 13 | 炭酸ガスによる地球温暖化 | 炭酸ガスと地球温暖化との間の因果関係に関する記述が断定的にすぎ、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
27 | 357 − 362 |
主題 | 学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(2)のエの(イ)「例示された課題などを参考に適切な主題を設定し、生徒の主体的な追究を通して認識を深めさせる」に照らして、学習主題と追究方法が明示されておらず、扱いが不適切である。 | 2-(1) |
検定基準の欄には、義務教育諸学校教科用図書検定基準又は高等学校教科用図書検定基準の第2章及び第3章に掲げる項目のうち、該当するものの番号を示す。