教科書検定の手続等

1.教科書検定の手続き( 図2 参照)
(1)検定の申請があると、文部大臣は教科書調査官にその図書の調査を命じ、教科用図書検定調査審議会に教科書として適切であるかどうか諮問します。審議会においては、先述したように検定基準に基づいて適正かつ公正に審査が行われ、教科書として適切か否かを判定し、これを文部大臣に答申します。文部大臣は、この答申に基づいて合否の決定を行い、その旨を申請者に通知します。

(2)ただし、審議会において、必要な修正を行った後に再度審査を行うことが適当であると認める場合には、合否の決定を留保して検定意見を通知することとなります。
  検定意見の通知を受けた申請者は、検定意見に従って修正した内容を「修正表」によって提出します。文部大臣は、修正が行われた申請図書について再度審議会の審査に付し、その答申に基づいて合否の決定を行い、これで検定手続きは終了します。

(3)以上の検定手続を経て検定合格決定の通知を受けた者は、図書として完成した見本を作成して、文部大臣に提出することとされています。

(4)なお、文部大臣は、検定審査不合格の決定を行う場合には、事前にその理由を通知し、申請者に反論する機会を与えることになっています。また、検定意見に対し異議がある場合にも、申請者は意見の申立てができることとなっています。このように、申請者の権利が十分尊重されるとともに慎重な検定が行われるような仕組みがとられています。


2.検定済図書の訂正
  教科書の発行者は、検定済図書について、誤記、誤植又は客観的事情の変更に伴い明白に誤りとなった事実等の記載があることを発見したときは、文部大臣の承認を受け、訂正を行わなければなりません。また、学習を進める上に支障となる記載又は更新を行うことが適切な統計資料の記載があることを発見したときは、文部大臣の承認を受けて訂正を行うことができます。
  なお、文部大臣は、これらの記載があると認めるときは、発行者に対して訂正の申請を勧告することができます。

3.検定結果の公表
  文部省では、平成3年度から国民の教科書に対する関心に応え、教科書への信頼を確保するとともに、教科書検定への一層の理解に資するため、申請図書の公開を行っています。併せて、検定意見の概要についての公表を実施しています。
  平成6年度からは、検定に対する全国的な関心に応えるため、公開会場を従来の東京1カ所から全国6カ所に拡充し、平成10年度からはさらに全国8カ所に拡大して実施しているほか、新聞などで取り上げられた検定事例をまとめたパンフレット「教科書検定Q&A」を作成し、広く配布しています。
  また、平成11年度からは、東京都で行っている公開の期間を、現在の2ヶ月から12ヶ月(1年間)に拡充することにより公開会場の常設化を図り、国民が検定結果に関する情報を常時入手することができるようにする予定です。
  なお、平成9年度からはインターネットの文部省ホームページの「文部省ニュース」において、 「教科書検定の概要」等を掲載し、情報を提供しています。

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-- 登録:平成21年以前 --