現職教員の新たな免許状取得を促進する講習等開発事業実施要項

平成27年2月16日
平成29年1月25日一部改正
平成30年2月15日一部改正
令和2年3月11日一部改正
総合教育政策局長決定 

1.趣旨

   平成27年6月の学校教育法の改正により制度化された義務教育学校においては、小中一貫教育を実施することを目的として、教員は、小学校教諭及び中学校教諭の教員免許状を併有することが原則とされている。小学校教諭及び中学校教諭の教員免許状については、令和元年12 月に中央教育審議会初等中等教育分科会にて「新しい時代の初等中等教育の在り方論点取りまとめ」が公表され、義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方については令和4年をめどとして小学校高学年から導入すべきとも提言されているところである。
   また、平成29年6月には、閣議決定された規制改革実施計画において、免許外教科担任の縮小に向けた方策についての指摘がなされている。
   この他、「教員免許更新制度の改善について(報告)」(平成26年3月:教員免許更新制度の改善に係る検討会議)においては、現職教員が免許状を新たに取得することができる免許法認定講習等の制度について、免許状更新講習との相互認定を活用することにより、「教員の新たな教員免許状取得に向けた学びを促進すべきである」との提言もされている。
   これらを踏まえ、小中学校免許状併有及び免許外教科担任の縮小に向けた、現職教員の新たな免許状取得の促進に資する、免許法認定講習・免許法認定公開講座・免許法認定通信教育を開発・実施することが求められている。また、その際には、免許状更新講習等にも活用可能な講習として開発することにより、受講者の負担軽減にも考慮しつつ、積極的に新たな免許状取得のための講習の受講環境の充実を図ることも考えられる。
   以上の取組の推進により、教員の資質向上はもとより、現職教員が幅広い学校種や複数の教科について、広く指導することが可能となり、ひいては、教員配置上の効率化にも資することが期待される。

2.委託事業の内容  

   上記1に示した趣旨に基づき、以下の(1)~(3)のうちのいずれか一つ以上の事業を行う。なお、各項目の具体的な内容については、別途定める公募要領によるものとする。

(1)免許外教科担任の縮小に必要な教科等に関する講習の開発・実施
(2)小中学校免許状併有のための講習の開発・実施
(3)更新講習等にも活用可能な講習の開発・実施

3.事業の委託先

   教育職員免許法施行規則第36条第1項各号、第43条の4又は第46条に規定する、免許法認定講習、免許法認定公開講座又は免許法認定通信教育の開設者として定められている者を委託対象(以下、「大学・教育委員会等」という。)とする。複数の大学・教育委員会等がコンソーシアム等を組織した上で事業を行うことも可能であるが、その場合は中心となる大学・教育委員会等に委託する。
   なお、事業の実施に当たっては、当該委託事業の事務を担当する組織を置き、委託費の使途等が明朗であるよう留意するとともに、事務を担当する組織以外に、事業内容について検討を行うため、外部の有識者や教育委員会、教員等を構成員とする検討委員会(仮称)を設置すること。

4.事業の委託期間

   本事業の委託契約期間は、原則として委託を受けた日から当該年度の3月末日までとする。

5.事業の委託手続

(1)大学・教育委員会等が業務の委託を受けようとするときは、事業実施計画書等を文部科学省に提出すること。
(2)文部科学省は、上記により提出された事業実施計画書等の内容を検討し、内容が適切であると認めた場合、大学・教育委員会等に対し事業を委託する。

6.事業の委託経費

(1)文部科学省は、大学・教育委員会等の代表者又は会計事務に関する権限を委任された者に対し、予算の範囲内で事業に要する経費(設備備品費、人件費、事業活動費(旅費、諸謝金、借損料、消耗品費、会議費、通信運搬費、雑役務費)、一般管理費、再委託費)を委託費として支出する。
(2)文部科学省は、大学・教育委員会等が本契約の定めに違反したとき、実施に当たり不正又は不当な行為をしたとき、又は事業の遂行が困難であると認めたときは、契約の解除や経費の全部又は一部について返還を命じることができる。

7.再委託

   本事業の全部を第三者に委託(以下「再委託」という。)することはできない。ただし、本事業のうち、再委託することが事業を実施する上で合理的であると認められるものについては、本事業の一部を再委託することができる。

8.委託業務完了の報告

   大学・教育委員会等は、事業が完了したとき(契約を解除したときを含む。)は、委託業務完了(廃止)報告書を作成し、事業が終了した日から30日を経過した日又は契約の満了の日のいずれか早い日までに、文部科学省に提出しなければならない。

9.委託費の額の確定

(1)文部科学省は、上記8により提出された委託業務完了(廃止)報告書について調査及び必要に応じて現地調査を行い、その内容が適正であると認めたときは、委託費の額を確定し、大学・教育委員会等へ通知するものとする。
(2)上記(1)の確定額は、事業に要した決算額と委託契約額のいずれか低い額とする。

10.その他

(1)文部科学省は、大学・教育委員会等における事業の実施が当該趣旨に反すると認められるときには、必要な是正措置を講ずるよう求める。なお、事業の実施に当たっては、関係法令及び免許法認定講習等に関連する答申・提言等を踏まえて行うものとする。
(2)大学・教育委員会等は、当該委託事業を実施する際に免許法認定講習等を開設する場合は、教育職員免許法施行規則第5章、第5章の2又は第6章の内容を順守する必要がある。特に、免許法認定講習等の認定申請及び事後報告について怠らないように注意すること。
(3)文部科学省は、委託事業の実施に当たり、大学・教育委員会等の求めに応じて指導・助言を行うとともに、その効果的な運営を図るため協力する。
(4)文部科学省は、必要に応じ、事業実施状況及び経理処理状況について報告を求め、実態調査を行うことができる。
(5)文部科学省が事業の契約期間内及び契約期間が終了した後に、本事業によって得られたデータ等(個人情報以外の原データを含む)について情報提供の依頼を行った場合、大学・教育委員会等は当該データ等の提出について協力を行うこと。
(6)大学・教育委員会等は、事業の遂行によって知り得た事項についてはその秘密を保持しなければならない。
(7)この要項に定める事項のほか、本事業の実施に当たり必要な事項については、別途定める。

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)