10年経験者研修実施状況調査結果（平成18年度）について

　本調査は，平成18年度の各教育委員会における「10年経験者研修」の実施状況について，47都道府県，15指定都市，37中核市教育委員会（以下「県市」という。）を対象に調査し，取りまとめたものである。

　平成18年度の10年経験者研修の対象者の総数は，14,672名（幼稚園483名，小学校5,157名，中学校4,550名，高等学校3,334名，特殊教育諸学校1,135名，中等教育学校13名）であった。
　研修日数については，小・中・高・特殊教育諸学校・中等教育学校の平均は約36日間で，幼稚園は約18日間となっている。

　具体的な研修内容としては，「教科指導」や「生徒指導・教育相談」，「特別支援教育」がほとんど全ての県市において，10年経験者に必要な研修内容として取り上げられている。
　研修の実施に当たって，大学・大学院と連携しているのは，73県市（75.3パーセント）で，年々割合が増加している。連携内容は，主に，大学の開設する講座等を利用した専門的研修の活用や教育委員会の主催する講座への大学からの講師派遣などである。また，43県市（44.3パーセント）が民間組織等と連携している〔図A〕。
　なお，国・私立学校教員の10年経験者研修への協力については，54県市（55.7パーセント）が，希望に応じて研修への参加を受け入れている。

　10年経験者研修は，実施するに当たって，研修を受ける者の能力，適性等について評価を行い，その結果に基づき，研修計画書を作成することとなっている。研修計画書の作成に当たっては，92県市（94.8パーセント）が当該教諭等の自己評価を活用している。
　研修実施後の評価については，89県市（91.8パーセント）が研修教員に対する評価を実施し，その結果をその後の指導や研修へ活用している。また，研修内容の評価についても，研修教員に対するアンケートのほか，約半数の県市が学校長等から意見を聴取したり，実施協議会等を開催したりするなど，各自治体において次年度以降の研修の改善への取組がなされている〔図B〕。
　なお，具体の調査結果については，以下の表のとおりである。（表の見出し内のカッコ書きは，母数を示す。なお，18年度に10年経験者研修の対象者がいない県市は含まない。）

• 10年経験者研修対象者がいない県市は除く。

研修項目	小学校 96県市中）	中学校 97県市中）	高等学校 66県市中）	特殊教育諸学校 59県市中）	中等教育学校 6県中）	幼稚園 50県市中）
教育課程の編成	52県市 54.2パーセント）	53県市 54.6パーセント）	42県市 63.6パーセント）	38県市 64.4パーセント）	5県 83.3パーセント）
教科指導	96県市 100.0パーセント）	97県市 100.0パーセント）	65県市 98.5パーセント）	58県市 98.3パーセント）	6県 100.0パーセント）
道徳教育	82県市 85.4パーセント）	83県市 85.6パーセント）	34県市 51.5パーセント）	40県市 67.8パーセント）	4県 66.7パーセント）
特別活動	73県市 76.0パーセント）	73県市 75.3パーセント）	38県市 57.6パーセント）	38県市 64.4パーセント）	2県 33.3パーセント）
総合的な学習の時間	74県市 77.1パーセント）	75県市 77.3パーセント）	48県市 72.7パーセント）	41県市 69.5パーセント）	3県 50.0パーセント）
カウンセリング	71県市 74.0パーセント）	71県市 73.2パーセント）	49県市 74.2パーセント）	45県市 76.3パーセント）	3県 50.0パーセント）	40県市 80.0パーセント）
生徒指導・教育相談	95県市 99.0パーセント）	95県市 97.9パーセント）	63県市 95.5パーセント）	59県市 100.0パーセント）	6県 100.0パーセント）
進路指導・キャリア教育	61県市 63.5パーセント）	65県市 67.0パーセント）	54県市 81.8パーセント）	47県市 79.7パーセント）	6県 100.0パーセント）
特別支援教育	89県市 92.7パーセント）	89県市 91.8パーセント）	60県市 90.9パーセント）	58県市 98.3パーセント）	6県 100.0パーセント）
人権教育	75県市 78.1パーセント）	77県市 79.4パーセント）	56県市 84.8パーセント）	51県市 86.4パーセント）	6県 100.0パーセント）
環境教育	53県市 55.2パーセント）	54県市 55.7パーセント）	41県市 62.1パーセント）	40県市 67.8パーセント）	5県 83.3パーセント）
国語力向上に関する教育	44県市 45.8パーセント）	44県市 45.4パーセント）	29県市 43.9パーセント）	25県市 42.4パーセント）	1県 16.7パーセント）
情報教育	83県市 86.5パーセント）	84県市 86.6パーセント）	58県市 87.9パーセント）	55県市 93.2パーセント）	6県 100.0パーセント）
国際教育	65県市 67.7パーセント）	65県市 67.0パーセント）	40県市 60.6パーセント）	37県市 62.7パーセント）	5県 83.3パーセント）
福祉教育	55県市 57.3パーセント）	55県市 56.7パーセント）	34県市 51.5パーセント）	36県市 61.0パーセント）	4県 66.7パーセント）
男女平等・男女共同参画	37県市 38.5パーセント）	37県市 38.1パーセント）	25県市 37.9パーセント）	24県市 40.7パーセント）	2県 33.3パーセント）
社会奉仕に係る教育	51県市 53.1パーセント）	52県市 53.6パーセント）	38県市 57.6パーセント）	37県市 62.7パーセント）	3県 50.0パーセント）
地域理解に係る教育	51県市 53.1パーセント）	52県市 53.6パーセント）	33県市 50.0パーセント）	34県市 57.6パーセント）	3県 50.0パーセント）
食育（給食指導を含む）	43県市 44.8パーセント）	42県市 43.3パーセント）	25県市 37.9パーセント）	25県市 42.4パーセント）	1県 16.7パーセント）	20県市 40.0パーセント）
学校保健・安全指導	57県市 59.4パーセント）	57県市 58.8パーセント）	43県市 65.2パーセント）	40県市 67.8パーセント）	5県 83.3パーセント）	28県市 56.0パーセント）
公務員倫理（セクシャルハラスメントを含む）	64県市 66.7パーセント）	65県市 67.0パーセント）	48県市 72.7パーセント）	49県市 83.1パーセント）	6県 100.0パーセント）	30県市 60.0パーセント）
対人関係能力（コミュニケーション能力）	67県市 69.8パーセント）	67県市 69.1パーセント）	48県市 72.7パーセント）	44県市 74.6パーセント）	6県 100.0パーセント）	37 74.0パーセント）
家庭・地域との連携	48県市 50.0パーセント）	49県市 50.5パーセント）	34県市 51.5パーセント）	33県市 55.9パーセント）	5県 83.3パーセント）	39県市 78.0パーセント）
学校間連携	39県市 40.6パーセント）	39県市 40.2パーセント）	23県市 34.8パーセント）	24県市 40.7パーセント）	2県 33.3パーセント）
学級経営（ホームルーム経営）	71県市 74.0パーセント）	73県市 75.3パーセント）	48県市 72.7パーセント）	43県市 72.9パーセント）	4県 66.7パーセント）	33県市 66.0パーセント）
学年経営	37県市 38.5パーセント）	38県市 39.2パーセント）	23県市 34.8パーセント）	24県市 40.7パーセント）	3県 50.0パーセント）
学校経営（組織マネジメントを含む）	57県市 59.4パーセント）	58県市 59.8パーセント）	43県市 65.2パーセント）	38県市 64.4パーセント）	5県 83.3パーセント）	21県市 42.0パーセント）
教科経営	43県市 44.8パーセント）	46県市 47.4パーセント）	35県市 53.0パーセント）	30県市 50.8パーセント）	2県 33.3パーセント）
指導計画の作成						35県市 70.0パーセント）
5領域を踏まえた総合的指導						36県市 72.0パーセント）
環境の構成						34県市 68.0パーセント）
幼児理解						49県市 98.0パーセント）
障害のある幼児の理解						47県市 94.0パーセント）
社会性						25県市 50.0パーセント）
小学校教育との連携						39県市 78.0パーセント）
子育て支援への対応						32県市 64.0パーセント）
その他	59県市 61.5パーセント）	59県市 60.8パーセント）	41県市 62.1パーセント）	41県市 69.5パーセント）	5県 83.3パーセント）	27県市 54.0パーセント）

• 「その他」の研修内容の主なもの

	自己評価を活用している	研修計画書の作成方法
		校長のみで作成	教頭を活用	教務主任等を活用	指導主事が協力	その他
都道府県47）	44県 93.6パーセント）	25県 53.2パーセント）	37県 78.7パーセント）	32県 68.1パーセント）	11県 23.4パーセント）	12県 25.5パーセント）
指定都市15）	14市 93.3パーセント）	7市 46.7パーセント）	11市 73.3パーセント）	9市 60.0パーセント）	2市 13.3パーセント）	6市 40.0パーセント）
中核市35）	34市 97.1パーセント）	16市 45.7パーセント）	25市 71.4パーセント）	21市 60.0パーセント）	8市 22.9パーセント）	5市 14.3パーセント）
総計97）	92県市 94.8パーセント）	48県市 49.5パーセント）	73県市 75.3パーセント）	62県市 63.9パーセント）	21県市 21.6パーセント）	23県市 23.7パーセント）

• 「その他」の作成方法の主なもの

	事前評価	校内研修		校外研修
		計画書	報告書	計画書	報告書
都道府県・指定都市・中核市教育委員会97）	60県市 61.9パーセント）	64県市 66.0パーセント）	65県市 67.0パーセント）	60県市 61.9パーセント）	59県市 60.8パーセント）
研修センター（教育センター）97）	51県市 52.6パーセント）	57県市 58.8パーセント）	58県市 59.8パーセント）	66県市 68.0パーセント）	65県市 67.0パーセント）
教育事務所97）	29県市 29.9パーセント）	31県市 32.0パーセント）	32県市 33.0パーセント）	31県市 32.0パーセント）	31県市 32.0パーセント）
市町村教育委員会（指定都市・中核市を除く）47）	42県 89.4パーセント）	44県市 93.6パーセント）	46県市 97.9パーセント）	45県市 95.7パーセント）	43県市 91.5パーセント）
その他97）	7県市 7.2パーセント）	3県市 3.1パーセント）	4県市 4.1パーセント）	3県市 3.1パーセント）	3県市 3.1パーセント）

• 「その他」の点検者の主なもの

	研修教員に対する事後評価を行っている			研修の実施内容・方法についての事後評価
	全体	評価結果を本人に通知	指導・研修等への活用	研修教員にアンケート	学校長等から聴取	実施協議会等を開催	その他
都道府県47）	46県 97.9パーセント）	26県 55.3パーセント）	40県 85.1パーセント）	45県 95.7パーセント）	23県 48.9パーセント）	27県 57.4パーセント）	1県 2.1パーセント）
指定都市15）	14市 93.3パーセント）	7市 46.7パーセント）	12市 80.0パーセント）	13市 86.7パーセント）	9市 60.0パーセント）	6市 40.0パーセント）	2市 13.3パーセント）
中核市35）	29市 82.9パーセント）	11市 31.4パーセント）	24市 68.6パーセント）	32市 91.4パーセント）	16市 45.7パーセント）	12市 34.3パーセント）	4市 11.4パーセント）
総計97）	89県市 91.8パーセント）	44県市 45.4パーセント）	76県市 78.4パーセント）	90県市 92.8パーセント）	48県市 49.5パーセント）	45県市 46.4パーセント）	7県市 7.2パーセント）

• 「その他」の事後評価の主なもの

	大学・大学院と連携している	連携している分野
		研修教員の事前評価	研修プログラムの作成	研修内容の企画・立案	講師派遣・研修教材等の作成	講座等を利用した専門的研修の活用	その他
都道府県47）	41県 87.2パーセント）	0県 0.0パーセント）	3県 6.4パーセント）	4県 8.5パーセント）	25県 53.2パーセント）	30県 63.8パーセント）	5県 10.6パーセント）
指定都市15）	12市 80.0パーセント）	0市 0.0パーセント）	0市 0.0パーセント）	0市 0.0パーセント）	5市 33.3パーセント）	9市 60.0パーセント）	0市 0.0パーセント）
中核市35）	20市 57.1パーセント）	0市 0.0パーセント）	0市 0.0パーセント）	3市 8.6パーセント）	10市 28.6パーセント）	12市 34.3パーセント）	3市 8.6パーセント）
総計97）	73県市 75.3パーセント）	0県市 0.0パーセント）	3県市 3.1パーセント）	7県市 7.2パーセント）	40県市 41.2パーセント）	51県市 52.6パーセント）	8県市 8.2パーセント）

• 「その他」の連携分野の主なもの

	民間組織等と連携している	連携している分野
		研修教員の事前評価	研修プログラムの作成	研修内容の企画・立案	講師派遣・研修教材等の作成	民間組織等が開設する研修の活用	その他
都道府県47）	23県 48.9パーセント）	0県 0.0パーセント）	3県 6.4パーセント）	4県 8.5パーセント）	12県 25.5パーセント）	9県 19.1パーセント）	10県 21.3パーセント）
指定都市15）	8市 53.3パーセント）	0市 0.0パーセント）	0市 0.0パーセント）	3市 20.0パーセント）	4市 26.7パーセント）	4市 26.7パーセント）	3市 20.0パーセント）
中核市35）	12市 34.3パーセント）	0市 0.0パーセント）	2市 5.7パーセント）	2市 5.7パーセント）	4市 11.4パーセント）	1市 2.9パーセント）	5市 14.3パーセント）
総計97）	43県市 44.3パーセント）	0県市 0.0パーセント）	5県市 5.2パーセント）	9県市 9.3パーセント）	20県市 20.6パーセント）	14県市 14.4パーセント）	18県市 18.6パーセント）

• 「その他」の連携分野の主なもの

	都道府県47）	指定都市15）	中核市35）	総計97）
県市数割合）	41県 87.2パーセント）	8市 53.3パーセント）	5市 14.3パーセント）	54県市 55.7パーセント）

• 主な協力内容