洗足学園中学高等学校 インタビュー概要

1.実施日

平成23年6月27日(月曜日)

2.インタビュー対象者

洗足学園中学高等学校校長   前田 隆芳 氏
洗足学園常任理事法人本部長 吉田 和之 氏

3.概要

(本校について)

  •  6年間の中高一貫教育を行っている。

(私立学校をめぐる状況ついて)

  •  私立学校である以上、付加価値をつけて公立、他の私学との区別化を図っていく必要がある。本校では、検定教科書に、学校独自の副教材を加えて授業を行い、先を見通した学習を行っている。
  •  私学は、20年ほど前から、中学受験が大衆化し、「私立中学」という文化が広がってきた。中学校から私学に進学することについては、保護者によっても考え方が異なるとともに地域差もあり、私学側の確固たる教育内容、独自性をアピールする必要がある。

(中高一貫の教育について)

  •  学力形成、人間形成において6年間のスパーンで考えることによって、個々の生徒へのきめ細かい対応が可能となる。例えば、本校の卒業生で2年半、不登校だった生徒が、復帰後、学力面においても努力を続け、徐々に成績を伸ばし、大学進学を果たしたという例もあり、これは高校入試の無い中高一貫教育における6年間の継続的な指導によって可能であったと考える。

(女子教育について)

  •  本校は女子校であるが、女子と男子とでは精神的な発育段階などで異なる面があるとともに女性としての生き方が多様化する中、将来を見据えた女子教育を実践している。それが私学における別学の意義にもつながっていると思う。

(国際競争力について)

  •  昨今、若者の「内向き志向」などが指摘されているが、今後、グローバル化が進めばグローバルスタンダードな学力が求められ、学際的研究ができる資質を中学高等学校段階でどう育んでいくかが重要であると考える。その観点から、私学の独自性を活かした教育を展開していくうえで、今以上のカリキュラム編成の弾力性、柔軟性が必要だと考える。

(総合的な学習の時間について)

  •  本校では、総合的な学習の時間を活用することによって、教育に特色を持たせるとともに、生徒の学習への動機付け、学園生活のモチベーションを高めてきた。新しい学習指導要領によって必履修教科・科目の授業時数が増加されるが、一方で本校では総合的な学習の時間を減らすことはできないと考えており、苦労している。

(教員免許について)

  •  本校では、総合的な学習の時間などで、臨時免許状を活用して社会人の方に来ていただいている。社会人は、生徒に対する評価の点で、教職員とは異なる視点を持っていると感じる。中には年間を通じて来ていただきたいような方もいるが、教員免許制度がより柔軟になり、このようなことが例えば学校の設置者の判断で可能になればと思う。

(労務管理について)

  •  私立学校なので、教職員は労働基準法の適用を受けるが、多くの私立学校では、教職員は生徒と向き合う時間や教務・校務、学校の広報活動などを抱え、極めて多忙な現状がある。1日8時間というわけにはなかなかいかないのではないか。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年07月 --