滋賀県教育委員会からの御意見

所属・現職等

滋賀県教育委員会 教育長 末松 史彦 氏

御意見

 今日、高等学校を取り巻く環境は大きく変化しており、今日の高校教育が抱える問題として、大きくは次の3点を考えております。

 一点目は、高校への進学率の向上に伴い、多様化する生徒の学習ニーズや高等学校に求める内容への対応が必要となっていることです。
 二点目は、少子化に伴う高等学校の規模の縮小に伴い、人間関係の組合せが減少しており、社会に出る手前の段階にある高校生にとって必要な幅広い教員や生徒同士の出会いの中で互いに切磋琢磨し、キャリアを育成し、主体的に生きる力をつける場としての機能が低下しているのではないかということです。
 三点目は、厳しい財政状況の中、教育関連予算についても限られたものとならざるを得ず、また今後も県財政の大幅な改善が見込まれない中、学校の施設・設備や備品の整備などにおいて、困難が予測されることです。

 これらの諸問題を解決するためには、より一層生徒の興味・関心や進路希望、さらには社会的要請に応え得る教育内容の充実や、部活動や学校行事などの集団活動の活性化を図るための改革が必要と考え、現在、学校再編を含む「魅力と活力ある高等学校づくり」に向けた計画づくりに取り組んでいるところです。
 また、豊かな教育環境を保障していくため、教育資源を集中させたり、外部資源の活用を図るなどの工夫を行うとともに、限られた予算を効果的に投資していくことも必要と考えます。
 こうした改革を進めるにあたっては、何が生徒にとって一番大事なのかの視点を最重要に考え、中長期的な視点にも立ちながら、次代を担う子どもたちがたくましく未来を切り拓き、一人ひとりが自己実現を図ることができるよう、大胆かつ柔軟な発想で、教育環境の整備に取り組んで参りたいと考えています。
 国におかれましても、高等学校が国民的教育機関となった今日、今後の高等学校の在り方を検討されるにあたっては、こうした教育環境をスムーズに整えるための方策を併せてご検討いただければと考えています。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年05月 --