千葉県教育委員会 教育委員(白鳥製薬会社代表取締役) 白鳥 豊 氏
1 高校教育の意義に対する多様化
2 現行のキャリア教育の限界
3 学ぶ事に対する意識の低下
1について
多感な年齢故に高校教育の意義に対する思いは様々である。正しい方向性に気付かせるためにも、学校現場における道徳及び生徒に対する個別指導に力点を入れる。
2について
将来職業人として大成するためにも、いろいろ学ぶことは極めて重要である。
しかしながら、大人社会では繰り返されている企業不祥事、政治の混乱が続いている。我々大人が襟を正して範を示す社会作りをする。
3について
道徳教育において、人として生まれ、人として生きていく事に対する意義に気付かせる。
そのことにより、どう社会と関わり、社会貢献を通して自己実現の道筋を指導する。
千葉県教育委員会 教育委員(植草大学教授) 野口 芳宏 氏
1 低学力校の人間教育
(教育の未来像の喪失)
2 服装と言葉の乱れ
(道徳教育低下)
1について
学力が全てではない。
生き甲斐、学び甲斐を持たせ、自分にできる社会貢献への夢を持たせたい(学力が低くても人間的成長は無限)。
2について
外見、形式は内容の表れである。外から正して内に及ぶ教育が必要。外の乱れは内の乱れを表すとみてよい。
千葉県教育委員会 教育委員(帝京平成大学准教授) 鈴木 明美 氏
1 「生徒の多様化」
2 「キャリア教育の充実」
1について
中学卒業者の98%が高校に進学する中で、学業上の問題を抱えた子ども(学業不振、学習意欲の低下など)、学校不適応の問題を抱えた子ども(不登校傾向、非行など)、発達障害の傾向がある子ども(学習障害やADHD,高機能自閉症)などに対していかに対応していくかが課題だと思う。
2について
中学校では、職場体験を実施しているが、友だちが行くから同じ職場に行く等、将来就きたい職業が、まだよくわからないので、とりあえず普通科の高校に行く、という生徒もおり、中学校では、職業に対する意識が高まっているとは必ずしもいえない。
また高等学校でも、とりあえず4年制大学を卒業すればいい、と自分の学力で入れそうな大学を選び、将来については入学してから考えるという学生も少なくない。(全ての学生の職業意識が低いというわけではないが、そういう学生は目的意識も低く、授業もさぼりがちで、指導に苦慮している)
小学校からの系統的なキャリア教育の充実ももちろん重要だが、高等学校では、地域や企業などと連携して、より一層、職業意識を高めるような活動を工夫する必要があると考える。
千葉県教育委員会 教育委員
今日高等学校への進学率が約98%に達し,高校へ入学してくる生徒が多様化したため,生徒の興味,関心や学習意欲,態度等多様化が極限に達している状況にある。
また,高等学校もこのような多様な生徒に対応して,様々な学科の設置や教育課程の弾力的な運用によって魅力ある学校づくりを進めているところである。
その一方で,生徒がどのような課程や学科を卒業しようとも,自立した社会人として,また、将来にわたって社会に貢献できる人材として生きていくために備えておくべき共通の基盤的な資質や能力,態度等を高等学校卒業資格に伴う質的保証として考える必要があるのではないか。
自立した社会人として,たくましく生きていく資質・能力等を基本的に考えるのであれば,多様な高校教育の中にあっても,実社会との多様な接点を図りながら,自らの生き方あり方を共通に考えさせることが,今後の高校教育の充実にとって重要な課題ではないか。
そこで,様々な体験活動を通して,実社会に触れ,多様な人々との交流や職業体験を通して,自らの生き方やあり方を考えさせるとともに,その前提として高校教育のカリキュラムの中に基本的教育活動として道徳教育やキャリア教育を充実させるべきではないか。
体験活動を通した学びの自覚
学ぶことの大切さは,体験活動を通して学ぶことができることから,学校教育において,実社会との接点となる様々な体験活動を推進すべきである。
道徳教育の充実
自己実現を図り,自他の精神を尊重し,よりよい社会の一員として成長する上でキャリア教育を支える意義ももつ道徳教育の充実を進めるべきである。
キャリア教育の充実
実社会に触れ,将来にわたる自らの生き方や必要な資質・能力を感得するものとしてキャリア教育の充実がますます重要になる。
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室
-- 登録:平成23年05月 --