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3.「指導が不適切である」教諭等の把握及び報告・申請

  •  教特法第25条の2第1項に基づく「指導が不適切である」教諭等に該当する者がいる場合には,任命権者である教育委員会は,その権限と責任の下,当該教諭等を「指導が不適切である」教諭等として認定する。その前段階として,校長や服務監督権者である教育委員会が報告・申請を行うこととなる。
     その際,校長と教育委員会が一体となって,「指導が不適切である」教諭等を適切に把握し,報告・申請につなげることが重要である。

(事実の確認の方法)

  •  「指導が不適切である」との事実の確認に当たっては,例えば,校長等による日常的な観察,指導主事等による観察や面談,保護者からの意見や苦情等により,学校での指導状況,校内での改善方策の成果等について的確に把握することが重要である。

指導状況の把握

(校長による把握)

  •  校長は,日常の授業観察を通じて,あるいは児童等や保護者からの意見・苦情等から,所属する教諭等の指導状況の把握に努めなければならない。
     (所属する教諭等の指導に課題があると認めた場合には,校長は,早期に,当該教諭等に対し,指導,助言その他の支援を行うことが重要である。その際,指導上の課題を明確にし,当該教諭等と共通理解をもつことができれば,指導が不適切な状態に至らないで早期に課題を解決することにつながることを当該教諭等に理解させることが効果的である。「9.教員の指導力の維持・向上のための取組」を参照のこと。)
  •  校長は,日常から相談しやすい環境を作るとともに,面談による目標設定,授業観察や評価等から成る教員評価等の機会等も活用することが重要である。また,必要に応じ,副校長,教頭,主幹教諭,指導教諭等とも連携して,教諭等の指導状況等の把握,対象となる教諭等に対する指導,助言等について助けを得るとともに,教育委員会に対し,指導主事等による学校訪問を依頼するなど,教諭等の指導状況について教育委員会と共通認識を持つように努めることが重要である。

(教育委員会による把握)

  •  設置者である教育委員会は,自らが設置する各学校の教育活動の状況や教諭等の指導状況等を的確に把握する責務を負っている。
  •  学校の設置者である教育委員会は,服務監督権者として,学校からの求めによる対応だけでなく,日常的に指導主事等が学校を訪問したり,教員評価制度を活用するなどして,各学校における教諭等の状況を把握することが重要である。こうした取組を通じて,校長と共通認識を持つよう努めることが,報告・申請に係る校長の負担を軽減するとともに,当該教諭等に対する評価の客観性を高める上で重要である。
  •  県費負担教職員について,都道府県・指定都市教育委員会は任命権者として,「指導が不適切である」教諭等を的確に把握する必要がある。このため,市町村教育委員会からの情報提供や申請を待つだけでなく,例えば,教育事務所等において市町村教育委員会等と連携し,主体的に情報収集を行うなど,域内の各学校における状況把握に努めなければならない。

(関係機関間の情報提供)

  •  県費負担教職員の人事異動に関し,指導に課題がある教諭等が転出する場合に,その状況を服務監督権者である教育委員会は,任命権者である教育委員会に報告することが重要である。
  •  任命権者である教育委員会は,教員の人事異動に関し,指導に課題がある教諭等が異動する場合には,そのことを異動後の学校やその設置者である教育委員会に説明し,異動後の学校の校長が適切な指導を行えるようにするなどの情報提供を適切に行うことが重要である。

(保護者等の要望・意見等による把握)

  •  学校や教育委員会は,保護者や地域住民等から教員の指導に関する要望・意見等が寄せられた場合には,その状況の確認を行うなど,的確な情報収集に努めることが重要である。

報告・申請

  •  校長は,校内での対応だけでは十分な指導の改善が見込まれないと判断し,「指導が不適切である」教諭等に該当すると考える場合には,任命権者である教育委員会に報告・申請を行う。
  •  県費負担教職員の場合については,校長から市町村教育委員会に対して報告を行う。市町村教育委員会は,必要な指導,助言を行うとともに,必要な要件を満たしていると考える場合には,都道府県教育委員会に対して申請を行う。
  •  校長や教育委員会が報告・申請を行う際には,当該教諭等に対して「指導が不適切である」と判断する理由を伝え,指導改善研修を受講させる目的を明確にしておくことが重要である。
  •  指導を改善させ,学校へ復帰できるようにするためには,早期に対処することが重要であることから,「指導が不適切である」教諭等を把握した場合には,校長は,速やかに報告・申請を行うことが必要である。
  •  学校から教育委員会への報告・申請は,校長の権限と責任において行われるものであるが,例えば,校長による報告書・申請書に,副校長,教頭,主幹教諭,指導教諭等のいずれかによる評価結果を添付することも,客観性を高めるための運用上の工夫として考えられる。
  •  報告・申請に係る手続として,次のようなものが一般的である。
    • 1 任命権者である教育委員会において,校長が「指導が不適切である」教諭等に該当するか否かを判断する材料となる,教諭等の指導状況や具体的行動等に係る観点及び評価項目を設定する。
    • 2 校長は,上記1の観点及びその評価項目にどの程度該当するかを確認した上で,評価を実施する。
    • 3 校長は,上記2の評価結果に基づいて,学校内の対応だけでは十分な指導の改善が見込まれないと判断した場合,任命権者である教育委員会に対して報告・申請を行う。

報告・申請に係る教育委員会の支援

  •  校長が「指導が不適切である」教諭等の認定に係る報告・申請を行うに当たっては,校長に相当の負担がかかることに配慮し,教育委員会は適切かつ速やかに校長から報告・申請がなされるよう,校長と一体となって取り組むことが求められる。その支援の一例として,指導主事や管理主事,校長経験のある職員が学校訪問を行い,校長とともに「指導が不適切である」か否かの判断を行うことが考えられる。
  •  報告・申請に当たっては,実際に,校長等が授業観察等を踏まえ,評価を行うこととなるが,その際過度な負担とならないよう配慮することが重要である。例えば,任命権者である教育委員会が,校長に対し,認定に必要となる観点や評価項目等を示し,予め評価のポイントとなる点や記入例,記録の目安等を整理して明示しておくことも校長の負担軽減につながると考えられる。

○教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)(抄)

第二十五条の二  
6  前項に定めるもののほか、事実の確認の方法その他第一項及び第四項の認定の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。

○「教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律について(通知)(19文科初第541号)」(平成19年7月31日)(抄)

第二 留意事項

第2 教育公務員特例法の一部改正関係

7 認定の手続に関する教育委員会規則について(第25条の2第6項関係)

 「事実の確認の方法」については、各任命権者において適切に規定すべきものであるが、例えば、学校での指導の実態、児童生徒又は保護者等からの苦情等の記録、校長の注意等の改善方策の成果などについて、校長等による日常的な観察、指導主事等が学校訪問した際の観察又は事情聴取などの方法を想定している。
 また、「その他認定に必要な手続」については、同様に、各任命権者において適切に規定すべきものであるが、例えば、

  • 1 校長から任命権者に対して行う、指導が不適切な教員に関する報告及び指導が不適切な教員に対する人事管理システムへの申請の手続、
  • 2 専門家等の意見聴取を含めた、指導が不適切な教員の認定の手続、
  • 3 専門家等の意見聴取を含めた、指導改善研修終了時における認定の手続、

などを想定している。
 なお、県費負担教職員については、服務監督権者である市町村教育委員会は、校長から指導が不適切と思われる教員について報告を受けた場合、適切な指導・助言を行うとともに、必要があると判断した時は、任命権者である都道府県教育委員会に対して指導が不適切な教員に対する人事管理システムへの申請を行うようにすること。

-- 登録:平成21年以前 --