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1.教員の資質能力の向上に関する基本的な考え方

教員の資質能力向上に向けた取組と人事管理システムの意義

  •  教育を取り巻く環境が大きく変化する中で,国民の学校教育に対する期待に応えるためには,教育活動の直接の担い手である教員に対する揺るぎない信頼を確立し,教員の資質能力がより一層高いものとなるようにすることが極めて重要である。
  •  学校は,多様な資質能力を持つ個性豊かな人材によって構成される教員集団が連携・協働することにより,組織全体として充実した教育活動を展開できること,教員一人一人の資質能力はそれぞれの職能,専門分野,能力・適性,興味・関心等に応じ,生涯にわたり向上が図られるものであること等を踏まえ,養成段階から,その後の教職生活までを一つの過程として捉え,その全体を通じて,教員として必要な資質能力を確実に保持するため,必要な施策を総合的に講じていくことが重要である。
  •  こうした観点の下,養成や採用の段階において教職にふさわしい人材を育成・確保することはもとより,教育を取り巻く環境が大きく変化している中で,採用後の教員が継続的にその指導力を維持・向上していくことが求められる。
  •  このため,現職研修は,教員の経験に応じて体系的に実施することが求められ,教員に採用された1年目に教員の職務の遂行に必要な実践的指導力と使命感を養うとともに幅広い知見を修得させることを目的とした初任者研修や,中堅教員として節目になる時期に自らの能力や適性等を見直し,中堅教員として補うべき資質能力を養成し,自らが得意とする分野を伸ばすこと等を目的とした十年経験者研修の実施が,法律により任命権者に義務付けられている。このほか,都道府県・指定都市教育委員会等において職能に応じた研修,社会体験研修等の機会の整備が着実に進められてきたところである。
  •  このような体系的な現職研修等の施策が実施されているところではあるが,教員の中には,教科に関する専門的知識,技術等が不足しているため学習指導を適切に行うことができない者,児童等の心を理解する能力や意欲に欠け,学級経営や生徒指導を適切に行うことができない者等が存在することも事実である。こうした問題は,たとえ一部の教員の問題であっても,保護者や国民の厳しい批判の対象となり,教員全体に対する社会の信頼を揺るがす要因となっている。
  •  また,保護者や国民から質の高い教育が求められる現在,教員の質を高め,変化に対応した教育活動を行っていくためには,指導が不適切な状態が生じている時点において,その状態を改善すべく,適切に対処することが重要である。
  •  一方,指導が不適切な教員に対する人事管理については,これまで,任命権者である都道府県・指定都市教育委員会に委ねられていたため,各任命権者で制度及び運用にばらつきがあり,必要な措置が的確に講じられていない場合があるのではないかといった指摘がある。
  •  こうしたことを踏まえ,指導が不適切な教員に対する人事管理について,全国的な教育水準を確保する観点から,平成19年6月に改正法が制定され,指導改善研修が法定化された。
  •  本ガイドラインは,「指導が不適切である」教諭等の認定について,その把握及び報告・申請の段階から研修後の措置までを一連の人事管理システムと捉え,その各段階において,人事管理システムが公正かつ適正に実施され,「指導が不適切である」教諭等に適切な措置がなされることを目的とするものである。
  •  なお,本ガイドラインでは,指導が不適切な状態に陥った後の対応策にとどまらず,そういう状態に陥らないよう未然に防止することがより望ましいものであることから,教員の指導力の維持・向上のための取組についても併せて記載することとした。

人事管理システムの整備・運用に当たって

  •  人事管理システムの整備・運用に当たっては,まず何よりも,教諭等の職務が,児童等に対して日常的に授業を行うものであり,その指導が心身ともに発達段階にある児童等に対して,直接的かつ将来にわたって大きな影響を及ぼすものであることを踏まえ,すべての任命権者において,「指導が不適切である」教諭等に対して必要な措置が公正かつ適正に行われるよう条件を整備することが重要である。
  •  本ガイドラインの作成に当たっては,以下の点を重視した。各教育委員会において人事管理システムを整備・運用するに当たっては,こうした点に十分留意する必要がある。

    • 1 「指導が不適切である」教諭等を的確に把握・認定し,より的確な対応が行えるようにするため,対象となる教諭等の定義や認定手続等を明確化すること。
    • 2 学校と教育委員会は,報告・申請を一体となって行うなど必要な連携を十分行うこと。特に,教育委員会が積極的に校長を支援し,校長が報告・申請を行いやすい環境をつくること。
    • 3 学校や教育委員会は,「指導が不適切である」教諭等に対し,早期に対応するとともに,研修内容を充実させ,対象となる教諭等の現場復帰を促進すること。
    • 4 指導改善研修の終了時における指導の改善の程度により,免職その他必要な措置を講ずることとなることを明確にすること。

○「教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律について(通知)(19文科初第541号)」(平成19年7月31日)(抄)

第二 留意事項

第2 教育公務員特例法の一部改正関係

1 総括的な事項について
(1)第25条の2及び第25条の3の措置の公正かつ適正な運用について

 第25条の2及び第25条の3の措置は、全国的な教育水準の確保の観点から、指導が不適切な教員に対する人事管理に関する所要の手続について法律上規定したものであり、その趣旨を踏まえ、各任命権者においては、指導が不適切な教員に対する人事管理システムのより一層公正かつ適正な運用に努めること。

<参考>

○指導が不適切な教員の人事管理システムの流れ(イメージ)

  • 「免職・採用」とは,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の2に基づく県費負担教職員の免職及び都道府県の職への採用をいう。

-- 登録:平成21年以前 --