福島県・学校法人昌平黌  東日本国際大学附属昌平中学校・高等学校の概要

1  学校環境
(1) 設   置   年   度 平成12年度
(2) 学校及び所在地 東日本国際大学附属昌平中学校・高等学校
福島県いわき市平上片寄字上ノ内152
(3) 地域の環境  
    福島県の東南端に位置し、太平洋に面しているため気候は夏は涼しく冬は暖かく東北の湘南といわれる。学校は、JR常磐線いわき駅から北東へ約7キロの距離にあり、太平洋を一望できる緑豊かな丘陵地で、いわき駅からは直通の路線バスが出ている。
(4) 実施形態 併設型中高一貫教育校(高等学校の普通科でのみ実施)
(5) 規模、学科、学級編成
  規            模: 1学年2クラス    計12クラス
  学  級  編  成:   福島県内外の主として通学可能地域(寮あり)の小学校、及び中学校からの入学者。中学校の定員は1学年70名、高等学校の定員は1学年80名(普通科)。完成年度の平成14年度までは中・高で募集し、平成15年度以降は高等学校普通科は若干名の募集。ほかに高等学校保健体育科(定員1学年80名)がある。
2 教育内容
   本校は儒学倫理を建学の精神にすえて人格の形成を志す。「儒学」の授業を正科として孔子の思想を学び、正しい道徳観と高い倫理観を培う。
(1) 生活の指針
  A 自分の良心に恥じない生き方をする。
  B 他者と自分の違いを認め、それを受け入れられる心を育む。
  C 他者の指示を待つのではなく自分で考え行動する。
(2) 教育目標
  A 挨拶・思いやり・端正な服装等、人に好感を持たれる生活習慣を身につける。
  B 中学・高校一貫教育を活かし、学力の定着を図る。
  C ネイティブ・スピーカーを活用し、国際化時代に適応できる語学力を備えた英語教育を充実する。
  D 情報化社会に即応するべく、パソコン教育の充実を図る。
(3) 教育課程
  A 2学期制:前期(4月〜9月)、後期(10月〜3月)
  B 教科指導の特徴
   
6年間を基礎期・発展期・完成期に分けそれぞれに達成目標をたて、なかだるみをなくした指導を目指している。
   
英語教育・英会話教育を重視し、ネイティブ・スピーカーとの授業とともに、アメリカからの留学生チューターが英会話室に在室し、授業以外にも休み時間やクラブ活動を通して会話の学習及び異文化との交流ができる 。
   
本校には学校法人の儒学文化研究所の分室があり、また、中国語を第二外国語で教えており、分室には中国出身者が常駐し英会話室と同様に生徒の自由な活動の中で中国語会話の学習及び中国文化の理解ができるようにしている。
   
数学・英語の指導は理解力に応じた少人数制を採り入れ、通常の学級の半数の人数で理解の徹底を図っている。
    【基礎期(中学1〜2年)】
  基本的な生活習慣・基礎学力・基礎体力をしっかり固める時期。
    ★国語 基本的事項(文字力・言葉のきまり)の確認。古文(説話文学)・漢文入門。百人一首の暗唱。読書と創作。
    ★数学 図形を中心として思考力・創造力を伸ばし、パズル等で楽しく学ぶ。
    ★英語 ネイティブ・スピーカーによる英会話を重視。英語検定試験3級合格を目指す。
    【発展期(中学3〜高校1年)】
   自分にあった目標を立て、進路決定の能力を養う時期。
    ★国語 考えをまとめて文章及び口頭で発表する能力を高める。読書・文章表現指導。
    ★数学 系統的に学習するとともに、応用力をつちかうために様々な問題に取り組む。
    ★英語 ヒアリング・スピーキング・リーディング・ライティングの能力を高め英語検定試験準2級以上を目指す。
    ★中国語 中級程度まで。日常会話なら十分可能。
    【完成期(高校2〜3年)】
   興味・関心のある分野を充実させ、進路を決定する時期。
       

3  入学者の選抜・決定

(1) 入学者選抜・決定方法
  中学・高校とも一般入試と推薦入試がある。
  一般入試は、中学入試では学力検査(国語・算数・社会・理科)と保護者同伴の面接と小学校6年時の成績(通信簿のコピー)を参考資料として選抜する。高校入試では学力検査(国語・数学・英語)と面接(本人のみ)と中学校長から提出された調査書を参考資料として選抜する。
    ※昌平中学校からの進学者については、入学者選抜は実施しない。
  推薦入試は、中学入試では作文と保護者同伴の面接と小学校6年時の成績(通信簿のコピー)を参考資料として選抜する。高校入試では作文と面接(本人のみ)と中学校長から提出された調査書を参考資料として選抜する。
(2) 出願時の状況《平成12年度入学者選抜について》
  中学校は、募集定員70名に対して志願者数は14名、合格者は14名、このうち入学者は13名であった。
  高等学校普通科は、募集定員80名に対して志願者は314名、合格者は150名、このうち入学者は66名であった。

4  設置までの経緯
  明治36年、幕府官立の学問所の昌平黌の歴史と精神を受け継ぎ、私立東京開成中学校内に開成夜学校を設立。昭和23年、学制改革により昌平高等学校と改称。昭和41年、昌平黌短期大学を設立(これにより昌平高等学校は廃校)。昭和47年、昌平黌短期大学を「いわき短期大学」と校名変更。平成7年、いわき短期大学商経科第1、2部を改組転換して、東日本国際大学経済学部設立。平成10年4月、福島県に東日本国際大学附属昌平中学・高等学校の設置計画書を提出し、9月、知事より「適当」の回答を得る。平成11年3月、東日本国際大学附属昌平中学・高等学校の校舎建築等に着手。8月、福島県に東日本国際大学附属昌平中学・高等学校の設置申請書を提出し、同日、学校法人寄付行為変更申請書を文部省あて提出し、12月、両申請書ともに認可された。平成12年3月、校舎完成し竣工式を行う。4月、第1回入学式。

5  その他
  私立中学校がいわき市に今までなかったこともあり、本校中学校に対する関心が開校前にはそれほどなかったようだが、開校後、学校説明会や入学希望者に対する入試模擬試験の実施等の広報活動によってかなり関心と期待が高まってきている。