 |
小学校算数・中学校数学・高等学校数学 指導資料
−PISA2003(数学的リテラシー)及びTIMSS2003(算数・数学)結果の分析と指導改善の方向− |
小学校算数・中学校数学・高等学校数学
指導資料
−PISA2003(数学的リテラシー)及びTIMSS2003(算数・数学)結果の分析と指導改善の方向−
平成17年7月
文部科学省
はじめに
平成16年12月に,2つの国際学力調査の結果が相次いで公表されました。
2つの国際学力調査とは,「生徒の学習到達度調査」(PISA 2003:Programme for International Student Assessment 2003)と「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS 2003:Trends in International Mathematics and Science Study 2003)です。
PISA調査は,OECD(経済協力開発機構)によって実施され,今回の調査では41ヵ国/地域が参加しました。我が国では,平成15年7月に,高校1年生約4,700人を対象に実施されました。知識や技能等を実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるのかについて,「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「問題解決能力」の4分野にわたり主に記述式で解答を求める問題により調査が行われました。
TIMSS調査は,IEA(国際教育到達度評価学会)によって実施され,今回の調査では小学校4年生対象分については25カ国/地域,中学校2年生対象分については46カ国/地域が参加しました。我が国では,平成15年2月に,小学校4年生約4,500人,中学校2年生約4,900人を対象に実施されました。学校のカリキュラムで学んだ知識や技能等がどの程度習得されているのかについて,算数・数学及び理科の学習内容に関し,上述のPISA調査に比べて,より多くの選択肢式で解答を求める問題で調査が行われました。
これらの国際学力調査の結果のうち,算数・数学,理科については,我が国の児童生徒の学力は,国際的にみて上位にあるものの,一部に低下が見られ,また,学ぶ意欲や学習習慣については,なお課題があることが示されました。
これを受けて文部科学省では,平成16年12月,省内に「PISA・TIMSS対応ワーキンググループ」を設置し,調査結果の評価・分析を行ってまいりました。そして,この国際的な学力調査の結果に基づき,我が国の状況を踏まえて教育委員会や各学校で自己評価や授業改善を行えるよう,『小学校算数・中学校数学・高等学校数学指導資料(中間報告)』を作成し,平成17年1月19日に臨時全国都道府県・指定都市教育委員会指導主事会議を開催し,同資料を配布いたしました。
その後,TIMSS調査について調査問題が追加公表されたことを受け,中間報告にこれらを加えて,『小学校算数・中学校数学・高等学校数学指導資料−PISA2003(数学的リテラシー)及びTIMSS2003(算数・数学)結果の分析と指導改善の方向−』をこのたび取りまとめたところです。
本指導資料は,学校の先生方が2つの国際学力調査の結果を把握し,実際の学習指導に生かせるように,各調査,各学校段階ごとに「調査結果の概要」「公表問題の考察」「学習指導の改善に向けて」の3部で構成しています。
全国の先生方におかれましては,実際の指導にあたり,児童生徒の実態に応じて,本指導資料の内容を参考にし,工夫を加えるなどしてご指導いただければ幸いです。
本指導資料が,教育委員会や学校関係者をはじめ,多くの方々に活用され,日々の学習指導の改善・充実に生かされることを願ってやみません。
最後になりましたが,本指導資料の作成にあたり御協力いただきました皆様に心から御礼申し上げます。
平成17年7月
文部科学省初等中等教育局
教育課程課長 常盤 豊
目次
(初等中等教育局教育課程課)
|
 |