平成19年度 第三者評価試行フォーマット

別紙2

評価フォーマット2007

平成19年5月
文部科学省初等中等教育局

はじめに

■ 「第三者評価試行フォーマット」(以下「本フォーマット」という。)は、「義務教育諸学校における学校評価ガイドライン」(以下「学校評価ガイドライン」という。)中の「3.評価の項目、指標の例」に示されている評価項目及び指標を基礎に、第三者評価を試行する際の評価項目及び指標のモデルを示すものです。

■ 本フォーマットの評価項目は、「大項目」、「中項目」、「小項目」の3種類に区分して構成されています。第三者評価の試行を行う際には、その全てについて調査を行うことを基本とします。
 ただし、「小項目」については、該当する調査対象がない場合などには、その一部を調査対象としないことも考えられます。

■ 各小項目は、「指標」、「指標(データ等)」の2種類に区分して構成されています。「指標」は、小項目毎に、その内容を踏まえ、教育活動等の状況を詳細に分析する上での基本的観点として参考に掲げたものであり、その全てについて調査を行う必要はありません。また、「指標(データ等)」は、各小項目の状況について判断する上で必要と考えられる基本的なデータ等であり、これらについては、事前に学校より提出を受けた資料や、訪問調査の際に確認するなどにより、必要に応じて調査・活用することが期待されます。
 なお、□で囲んでいる指標は、他の小項目において主として取り上げているものについて、その小項目においても参考として活用することが考えられるものを重ねて取り上げているものです。

■ また、各学校より別に事前に提出を受ける「事前記入シート」(以下「事前資料」という。)は、評価を行う前に、必ず目を通して下さい。
 特に、本フォーマット中〔事前資料を参照する必要がある指標〕と記された部分に続く各指標は、事前資料に関連する記載がある指標です。各指標の最後に、関連する事前資料中の「2.」の該当の問番号、又は「4.」の関連資料の資料番号をそれぞれ付してあります。

■ 学校より提出された事前資料の内容や、訪問調査の際の観察により、学校の状況に照らして必要と思われるときには、本フォーマットに記載されていない指標等を適宜追加して調査を行うことも考えられます。

■ 評価については、事前記入シートの内容、各学校が実施した学校評価の結果等や指標を参考として、実地での調査結果を分析・総合した上で、「小項目」単位で評価を行い、以下のとおり評定を付します。
 なお、具体的な評価の記載方法等については、「第三者評価試行 評価シート」を参照願います。

評定A 「優れている」(優れている状況にある)
 優れた取組や状況等が見られ、課題は少ないか、又は改善に向けた取組が効果的に成果を上げている様子が見られる状況。
 なお、この中で、全国的にみて非常に高い水準にあると考えられる場合など、全国の模範となるべきすばらしい状況や取組がなされていると考えられる場合は、「評定A 模範的(模範となる状況にある)」とします。

評定B 「良い」(良い状況にある)
 良い取組や状況等が見られ、課題はあるが、改善に向けた取組が成果を上げつつある様子が見られる状況。

評定C 「おおむね満足」(課題はあるがおおむね満足できる状況にある)
 課題は少なからずあるが、改善に向けた取組が見られるなど深刻な状況はみられず、通常求められる学校運営がおおむねなされている様子が見られる状況。

評定D 「要改善」(課題が多く速やかな改善が必要な状況にある)
 課題が非常に多いか、又は深刻な状況にあり、直ちに改善を図らなければならない様子が明らかに見られるが、改善に向けた取組に着手できていないか、又はほとんど成果を上げていない様子が見られる状況。

■ 各小項目に記載している評定に該当すると考えられる状況として挙げた例については、例示であり、必ずしもそのすべてにあてはまる必要はなく、総合的に判断して相当と思われる評定とすることが望まれます。

■ なお、この第三者評価の試行は、評価項目や指標に示した状況について、学校がどのように取り組んできたのかを把握することを主眼としており、学校の現状が法令に定められた各種の基準等に適合しているかどうかを専門的見地から監査するものではありません。

項目・指標の一覧

大項目1 各教科等の状況

中項目1‐1 授業等の状況

小項目1‐1‐1 各教科等の授業の状況

指標1 説明、板書、発問など、各教員の授業の実施方法は適切か。
指標2 視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の活用は適切か。
指標3 体験的な学習や問題解決的な学習、児童生徒の興味・関心を生かした自主的・自発的な学習が適切に行われているか。
指標4 個別指導やグループ別指導、習熟度に応じた指導、補充的な学習や発展的な学習などの個に応じた指導の方法等は適切か。
指標5 ティームティーチング指導などにおいて、教員間で協力的な指導がなされているか。
指標6 学級内における児童生徒の様子や、学習に適した環境に整備されているかなど、学級経営が円滑に行われているか。
指標7 コンピュータや情報通信ネットワークを効果的に活用した授業が行われているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕 

指標8 学習指導要領や各教育委員会が定める基準にのっとり、児童生徒の発達段階に即した指導が適切になされているか。〔(1)(2)〕
指標9 児童生徒の実態を踏まえた、個別指導やグループ別指導、習熟度に応じた指導、補充的な学習や発展的な学習など、個に応じた指導が適切に計画・実施されているか。〔(4)〕
指標10 設置者と連携し、学校の情報化が適切になされているか。〔(27)〕
指標11 授業や教材の開発に地域の人材など外部人材を活用し、より良いものとする工夫がなされているか。〔(34)〕

小項目1‐1‐2 教育課程等の状況

指標1 学校の教育課程の編成・実施の考え方について、教職員間に共通理解が図られているか。
指標2 児童生徒の学力・体力の状況を把握し、それを踏まえた適切な取り組みがなされているか。
指標3 児童生徒の学習について観点別学習状況の評価や評定などが適切に行われているか。
指標4 学校図書館の計画的利用や、読書活動の推進に取り組んでいるか。
指標5 体験活動、学校行事などが、適切な管理体制の下に適切に実施されているか。
指標6 部活動など教育課程外の活動が、適切な管理体制の下に適切に実施されているか。
指標(データ等) 児童生徒の学習についての観点別学習状況の評価・評定の結果。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標7 必要な教科等の指導体制が整備され、授業時数の配当が適切に行われているか。〔(1)(2)〕
指標8 学習指導要領や各教育委員会が定める基準にのっとり、児童生徒の発達段階に即した指導が適切になされているか。〔(1)(2)〕
指標9 教育課程の実施の管理が適切に行われているか。〔(3)〕
(例:教育課程の実施に必要な、各教科等ごと等の年間の指導計画や週案などが適切に作成されているか。)
指標10 児童生徒の実態を踏まえた、個別指導やグループ別指導、習熟度に応じた指導、補充的な学習や発展的な学習など、個に応じた指導が適切に計画されているか。〔(4)〕
指標11 幼小連携、小中連携、中高連携など学校間の円滑な接続に関する工夫がなされているか。〔(5)〕
指標(データ等) 学力調査等の結果。〔資料6〕
指標(データ等) 運動・体力調査の結果。〔資料7〕

小項目1‐2 特別支援教育の状況

指標1 特別支援学校や特別支援学級と通常の学級の児童生徒との交流及び共同学習が適切に行われているか。
指標2 医療、福祉など関係機関との連携が適切に図られているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標3 校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの指名や校内研修の実施等、特別支援教育のための校内支援体制が適切に整備されているか。〔(6)〕
指標4 個別の指導計画や教育支援計画が適切に作成されているか。〔(7)〕

小項目1‐3 進路指導の状況

指標1 学校の教職員全体として進路指導に取り組む体制が整備されているか。
指標2 生徒理解に必要な個人的資料や、進路情報について、収集・活用しているか。
指標3 生徒の能力・適性等を発見するための工夫等が適切に行われているか。
指標4 進路相談が適切に実施されているか。
指標5 適切な勤労観・職業観など主体的に進路を選択する能力・態度の育成のための指導がなされているか。
指標6 保護者や地域社会、企業等と連携協力が図られているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標7 進路指導のための施設設備が整備されているか。〔(8)〕
指標8 職場体験活動が適切に実施されているか。〔(9)〕

大項目2 児童生徒の状況

中項目2‐1 生徒指導等の状況

小項目2‐1‐1 生徒指導の状況

指標1 学校の教職員全体として生徒指導に取り組む体制が整備されているか。
指標2 問題行動に適切に対処できているか。
指標3 非行防止教室が適切に実施されているか。
指標4 保護者や地域社会、関係機関等と連携協力が図られているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標(データ等) 児童生徒の出席率及び遅刻の状況。〔(10)(11)〕
指標(データ等) 問題行動の発生状況。〔(12)〕

小項目2‐1‐2 保健管理の状況

指標1 児童生徒を対象とする保健(薬物乱用防止、心のケア等を含む)に関する体制整備や指導・相談が適切に実施されているか。
指標2 家庭や地域の保健・医療機関等との連携が図られているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標3 法定の学校保健計画は作成・実施されているか。〔(13)〕
指標4 日常の健康観察や、疾病予防、児童生徒の自己健康管理能力向上のための取り組み、健康診断が適切に実施されているか。〔(14)〕

小項目2‐2 児童生徒の人格的発達の状況

指標1 自ら考え、自主的・自律的に行動でき、自らの言動に責任を負うことができるよう適切な指導を行っているか。
指標2 保護者と連携協力して基本的な生活習慣を身につけるさせるための工夫がなされているか。
指標3 児童生徒の適性を発見し能力を引き出し、それを発揮できるようにするための工夫がなされているか。
指標4 豊かな人間関係づくりに向けた指導が適切になされているか。
指標5 命の大切さや環境の保全などについて適切な指導を行っているか。
指標6 社会の一員としての意識(公平、公正、勤労、奉仕、公共心、公徳心や情報モラルなど)について適切に指導を行っているか。
指標7 規範意識の向上に向けた指導が適切になされているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標(データ等) 児童生徒の生活習慣の定着や人格的発達の状況。〔資料8〕

指標(データ等) 問題行動の発生状況。〔(12)〕

小項目2‐3 安全管理の状況

指標1 学校事故等の緊急事態発生時に適切に対応できているか。
指標2 家庭や地域の関係機関、団体との連携が図られているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標3 法定の学校安全計画や、学校防災計画等は作成・実施されているか。〔(15)(16)〕
指標4 危機管理マニュアル等は作成・活用されているか。〔(17)〕
指標5 安全点検(通学路の安全点検を含む)や、教職員・児童生徒の安全対応能力の向上を図るための取り組みが適切に行われているか。〔(17)〕

小項目2‐4 学校に対する児童生徒・保護者の意見・要望等の状況

指標1 児童生徒・保護者が学校に満足しているかどうかや、重要と考える事項が何かを把握しているか。
指標2 教育相談体制が整備され、児童生徒・保護者から寄せられた具体的な意見や要望を把握し、適切に対応しているか。

〔事前資料を参照する必要がある指標〕

指標3 授業など学校に対する評価が実施されている場合、評価を行った児童生徒・保護者の匿名性の担保に配慮しているか。〔(22)〕

指標(データ等) 児童生徒・保護者による授業評価等の結果。〔資料3〕

大項目3 学校の管理運営の状況

中項目3‐1 組織運営等の状況

小項目3‐1‐1 組織運営の状況

指標1 校長など管理職は、教育目標等の達成に向けて、適切にリーダーシップを発揮しているか。また、他の教職員から信頼を得ているか。
指標2 校務分掌や主任制が適切に機能するなど、学校の明確な運営・責任体制が整備されているか。
指標3 職員会議等が適切に運営されているか。
指標4 県費、市費など学校が管理する資金の経理(資金の管理、会計報告、監査等)が適切に行われているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標5 勤務時間管理や職専免研修の承認状況等、服務監督が適切に行われているか。〔(18)〕
指標6 各種文書や個人情報等の学校が保有する情報が適切に管理されているか。また、教職員に情報の取扱方針が周知されているか。〔(19)〕
指標7 設置者と連携し、学校の情報化が適切になされているか。〔(27)〕

小項目3‐1‐2 教職員の意欲・資質及びその向上に向けた取組状況

指標1 授業研究の継続的実施など、授業改善に取り組んでいるか。
指標2 校内における研修の実施体制の整備状況。
指標3 校内研修の課題が適切に設定されているか。
指標4 校内研修・校外研修の実施・参加状況。
指標5 臨時採用・非常勤講師等の非正規採用教員の資質の確保・向上に向けた取り組みがなされているか。
指標6 指導力不足教員の状況の把握と対応が適切になされているか。

中項目3‐2 教育目標と学校評価の状況

小項目3‐2‐1 教育目標の設定と自己評価の実施状況

指標1 児童生徒や学校の実態、保護者や地域の意見・要望等を踏まえ、学校としての教育目標等が適切に設定されているか。
指標2 学校の状況を踏まえ重点化された中・短期の指導目標等が定められているか。
指標3 自己評価の項目は適切か。
指標4 自己評価が年に1回以上定期的に実施されているか。
指標5 自己評価の結果を、翌年度の指導目標等の改善に活用しているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標6 全教職員が評価に関与しているか。〔(20)〕
指標7 外部アンケート等(注1)を実施し、自己評価を行う上での参考としているか。〔(21)、資料3〕
指標8 授業など学校に対する評価が実施されている場合、評価を行った児童生徒・保護者の匿名性の担保に配慮しているか。〔(22)〕
指標9 自己評価結果を、設置者(教育委員会)に報告しているか。〔(24)〕
指標(データ等) 学校の教育目標・指導目標等。〔資料1〕
指標(データ等) 自己評価結果。〔資料2〕

小項目3‐2‐2 学校関係者評価等の実施状況

指標1 学校関係者評価(注2)又はそれに匹敵する評価(但し、外部アンケート等は除きます。以下、「学校関係者評価等」と表記します。)の項目は適切か。また、自己評価との関連性が考慮されているか。
指標2 学校関係者評価等のための組織(外部評価委員会のほか、学校評議員や学校運営協議会等の既存の組織を活用する場合を含む)が構成されているか。
指標3 学校関係者評価等を行う者に、保護者が含まれているか。
指標4 学校関係者評価等の結果を、翌年度の指導目標等の改善に活用しているか。 

〔事前資料を参照する必要がある指標〕

指標5 学校関係者評価等が年に1回以上定期的に実施されているか。〔(23)〕
指標6 学校関係者評価等の結果を、設置者(教育委員会)に報告しているか。〔(24)〕
指標(データ等) 学校関係者評価等の結果。〔資料4〕

中項目3‐3 設置者と学校の取組の状況

小項目3‐3‐1 設置者と学校の連携の状況

指標1 設置者が明確な教育方針等を示し、それに基づく学校運営や教育活動が行われているか。
指標2 学校の裁量により執行できる予算の措置など、学校の裁量を高め、学校が自らの運営の改善策を講じやすくする工夫がなされているか。
指標3 児童生徒の状況(学力等の状況や問題行動等)や安全管理等(不審者情報等)に関する情報を適切に設置者と共有できているか。
指標4 学校が課題と考える事項について設置者と共通理解が図られているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標5 設置者と連携し、教材・教具・図書の整備が適切になされているか。〔(25)(26)〕

小項目3‐3‐2 施設・設備の状況

指標1 設置者と連携し、施設・設備の安全・維持管理のための点検を実施し、必要な改善(耐震化、アスベスト対策を含む)が図られているか。
指標2 設置者と連携し、施設・設備が有効に活用されているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標3 設置者と連携し、学校教育の情報化が適切になされているか。〔(27)〕
指標4 設置者と連携し、学習・生活環境の充実のための取り組みが行われているか。〔(28)〕

大項目4 学校・家庭・地域の連携協力の状況

小項目4‐1 学校に関する情報公開の状況

指標1 学校に関する様々な情報が、その想定される受け手に応じて、十分にわかりやすい内容で、かつ適切な分量が提供されているか。
指標2 児童生徒の個人情報の保護に十分配慮しているか。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標3 学校評価(自己評価・学校関係者評価等)結果を広く一般の保護者等に公開しているか。〔(29)〕
指標4 学校便りや学級便りの発行など、主として保護者を対象とした情報の伝達・公開が適切に行われているか。〔資料5〕
指標5 情報公開手段として、ホームページを活用するなど、広く周知・公開するための工夫がなされているか。〔(30)〕

小項目4‐2 学校と保護者・地域住民等との連携協力の状況

指標1 学校運営へのPTA(保護者)、地域住民の参画及び協力の状況。
指標2 地域住民から寄せられた具体的な要望や意見を把握し、適切に対応しているか。
指標3 学校開放などの実施状況。
〔事前資料を参照する必要がある指標〕
指標4 学校評議員やPTA(保護者)との懇談の実施状況や学校運営協議会の運営状況。〔(31)〕
指標5 PTAや地域団体との連絡の充実の状況。〔(32)〕
指標6 地域の自然や文化財、伝統行事などの教育資源が活用されているか。〔(33)〕
指標7 授業や教材の開発に地域の人材など外部人材を活用し、より良いものとする工夫がなされているか。〔(34)〕
指標8 地域子ども教室等の放課後対策事業において、事業関係者と教職員間で、必要に応じ、参加する子どもの健康状態等に関する情報交換や、移動の安全確保のための取り組み等の連携協力が適切に行われているか。〔(35)〕
指標(データ等) 保護者・地域住民を対象とするアンケートの結果。〔資料3〕

目次

大項目1 各教科等の状況

大項目2 児童生徒の状況

大項目3 学校の管理運営の状況

大項目4 学校・家庭・地域の連携協力の状況