学校図書館

子ども読書の街<学校図書館の取組事例紹介>

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読書活動を通した豊かなコミュニティづくり

 本校は、「国際科学科」を有する単位制高校で、国際性豊かな人材の育成を目指しています。本校で、地域や世界をも見据えた活動を行っているのが、読み聞かせボランティア部「オイガ」です。「オイガ」とは、スペイン語で「耳を傾けてね」という意味で、13年7月に福島県立石川高等学校の「エクテ・モア」の読み聞かせ活動に触発された生徒たちの呼びかけで誕生しました。
 保育所や小学校の児童クラブなどで、絵本の読み聞かせや紙芝居、パネルシアターなどを行い、子どもたちとのコミュニケーションを大切にしながら、読書の楽しさを伝えています。これまでに100回を超えるお話し会を開催し、地域の催しにも積極的に参加しています。生徒たちは、これまでの「本を〈読む〉」という世界から「本を〈語る〉」という世界に入ることにより、コミュニケーションが心を育て、人の絆をはぐくむ豊かさを持っていることを実感しながら活動しています。
 また、「オイガ」はフィリピンやベトナム、韓国の子どもたちに、絵本を贈る活動をしています。韓国の養護施設では、日本語の勉強や日本の文化理解に役立っています。本校生はもちろん、教職や保護者、そして地域の人たちの協力によって、これまでに、150冊ほどの絵本を贈ることができました。19年1月には、部員2名が顧問とともに自費でフィリピンの小学校やスラムを訪れ、子どもたちに直接絵本を手渡すとともに、読み聞かせ活動を通して交流を図ってきました。
 「オイガ」の活動は、地域の人たちの読書活動に対する理解と協力に支えられ、読書活動を通した地域コミュニティづくりに貢献するとともに、国際的な賞を受賞するなど、社会的に高く評価されています。


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-- 登録:平成21年以前 --