学校図書館

子ども読書の街<学校図書館の取組事例紹介>

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司書教諭と学校図書館司書の連携を通じた全校児童の読書意欲を高めるための工夫

 本校では、年に2回、「あじさい」と「もみじ」と名付けた読書月間を実施しています。担任や他学年の教師、図書委員会の児童、地域のボランティアによる読み聞かせ、図書館のキャラクター募集、様々なカードや栞のプレゼント、掲示物の工夫等、子どもの読書意欲を高めるための方策を司書教諭と学校図書館司書が相談をしながら決めています。
 司書は、学年部の研修に参加し、国語の読書単元の授業を司書教諭と共に行っています。学校図書館で子どもと直接かかわっている司書が、授業の中でもそのつながりを生かし、支援することを通して、ある子どもは好きな本のことを人に伝える楽しさを味わうことができ、読書への意欲も高まってきました。また、司書教諭と司書による読書のアニマシオン(※)やブックトークにも取り組み、読書の楽しさを味わわせることができました。一方、1年生に対しては、「本とともだち」(静岡県読書ガイドブック)を活用し、本の分類や図鑑の使い方の学習をしたことで、本で調べることにも興味を示す子どもが増えました。教科や総合的な学習の時間等で必要な本は、市立中央図書館の協力貸出システムを利用して揃えたことで、子どもたちの調べる意欲も一層向上しました。昨年度の読書月間では、このような取組の成果が表れ、図書館を訪れる子どもの数が通常の月の2倍以上となっています。
 子どもの読書習慣を確立させるためには、家庭での読書環境を整えることも不可欠です。家族読書の実践を呼びかけたことにより、保護者の意識が変わりはじめ、子どもの家庭での読書習慣が身に付き、読書意欲の向上を実感しています。

 図書館教育においては、環境整備と同時に人と人とのつながりが大切であることを実感しています。司書教諭と司書が一日の中でわずかな時間でもコミュニケーションをとり、図書館教育についてきめ細やかに相談し、多方面に広げていくことで、子どもの読書や本で調べることへの興味関心がさらに高まっていくと考えて、取組を続けています。

※読書のアニマシオン:子どもたちに読書の楽しさを伝え、子どもが生まれながらに持つ「読む力」を引き出すための効果的な読書指導手法のこと。



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-- 登録:平成21年以前 --