学校図書館

子どもの読書サポーターズ会議の審議経過報告等について(通知)

20初児生第19号
平成20年9月30日

各都道府県教育委員会担当課長 殿
各指定都市教育委員会担当課長 殿
各都道府県私立学校主管課長 殿
附属学校を置く各国立大学法人学長 殿

文部科学省初等中等教育局児童生徒課長
磯谷桂介

(印影印刷)

 文部科学省では、子どもの読書活動と学校図書館に 対する国民の関心を高め、より一層の理解を促進するとともに、子どもの「読む・調べる 」習慣の確立に向けた調査研究を行うため、平成19年度より「子どもの読書サポーター ズ会議」を設置して検討を進めています。
 その一環として、これまでも同会議の協力を得て、 広報ホームページの開設やポスター・リーフレットの作成・配布を行ってきたところ ですが、同会議においては、さらに、これからの学校図書館の在り方等について審議を進め、 このたび、別紙のとおり審議経過報告が公表されました。
 この審議経過報告は、 同会議における現時点での検討の成果を取 りまとめたものですが、これからの学校図書館に求められる課題や、学校図書 館の活用高度化に向けた視点を明示するとともに、そのために求められる各学校の推進体 制の整備や教育委員会による支援等についての考え方を示しています。
 ついては、この審議経過報告を参考としつつ、下記 の点に留意して、読書活動の充実及び学校図書館の活性化に向けた適切な措置を 講じられるようお願いします。
 また、都道府県・指定都市教育委員会担当課長にお かれては、所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対して、都道府県私立学校主管 課長におかれては、所轄の学校及び学校法人に対して、国立大学法人学長におかれては、管下 の附属学校に対して、このことを周知されるようお願いします。
 なお、審議経過報告については、文部科学省の「子 どもの『読む・調べる』習慣の確立に向けて」広報ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/index.htm)において、全文公開しておりますので、申し添えます。

1.学校における読書活動の充実及び学校図書館の活用の推進

(1)子どもの読書活動の推進に関する法律(平成13年法律第154号)及び文字・活字文化振興法(平成17年法律第91号)の趣旨 等を踏まえ、取組の推進に努められたいこと。
 特に、子どもの読書活動については、国においても、先般、 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第二次) 」を閣議決定し(平成20年3月11日) 、国会報告したところであり、各学校等においても、この 計画を踏まえ、読書活動の一層の充実に努められたいこと。

(2)新しい教育基本法の理念を受けて、平成19年6月に改正された学校教育法の第21条においては、義務教育の目標の1つとして、 「読書に親しませ、必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと」が新 たに規定された。また、子どもたちの読解力向上が課題とされる中、平成20年の小 ・中学校学習指導要領の改訂においては、各教科等における言語活動を充実するとと もに、引き続き、学校図書館の活用を図ること等とされている。
 これらを踏まえ、教科等の学習における学校図 書館の活用をより一層推進されたいこと。

(3)子どもの読書活動の意義や学校図書館の 役割について、保護者等をはじめ関係者の理解を促進するよう、学校における読書活動や学 校図書館の取組に関し、積極的な広報に努められたいこと。
 文部科学省においても、広報リーフレット等を 作成・配布したほか、当該リーフレット等については、 「子どもの『読む・調べる』習慣の確立に向けて」ホームページから自由にプリントアウトできるようにしているので、適宜活用されたいこと。

2.各学校における組織的な推進体制の整備

(1)学校図書館の運営や読書活動の展開に関し、校 長のリーダーシップの下、学校全体で組織的に取り組む体制を整備されたいこと。
 各学校においては、司書教諭を中心に、すべて の教員や学校図書館担当職員等が適切な役割分担を図り、協力して、学校図書館活動 の充実に努められたいこと。

(2)学校の教育目標や経営方針を実現するに当たっ て学校図書館をどのように位置付けるかを明確にするとともに、そのためにも、学校 図書館自体の活動目標や活動計画を作成するよう努められたいこと。

3.教育委員会等による条件整備・支援

(1)学校の設置者たる教育委員会、学校法人及び国 立大学法人にあっては、各学校・地域の実情を踏まえつつ、例えば次のような観点か ら、学校図書館の人的・物的体制の整備を積極的に推進されたいこと。

  1. 司書教諭や学校図書館担当職員の配置の充実 等を通じ、専門的な人材による学校図書館の運営体制を確立すること。
  2. 児童生徒の様々な興味・関心に応えるため、 また、各教科等における多様な教育活動を展開していくためにも、学校図書館図書の充実を図ること。
     特に、 新しい小・中学校学習指導要領では、 各教科等を通じた言語活動の充実や、国語科における昔話や神話・伝承の読み聞かせ 、古文や漢文の音読など古典に関する指導の充実等を図ることとされていることに留意すること。

(2)公立義務教育諸学校については、学校図書館図 書標準の達成を目指し、学校図書館図書を整備するための経費として平成19年度か らの5年間で毎年約200億円(増加冊数分約80億円、更新冊数分約120億円) 、総額約1,000億円(増加冊数分約400億円、更新冊数分約600億円)の地方 財政措置が講じられることとなっている。
 市町村等の教育委員会においては、学校図書館 図書標準の早期達成に向け、この措置を活用して、学校図書館の図書整備に 努力されたいこと。
 また、更新冊数分の措置が行われていることを 踏まえ、内容が古くなり利用価値が乏しくなった図書等については、より利用価値の 高い図書に更新するなど、図書資料の選択と整理を計画的に進められたいこと。

【参考資料】平成20年度単位費用積算基礎(別添)(※下記参照)

(3)都道府県・市町村の教育委員会にあっては、学校図書館の情報化の推進や、地域における図書資料の資源共有の促進、関係教職員等 に対する研修の充実など、学校図書館活動の充実に向けた積極的な 支援に努められたいこと。

別添

○平成20年度単位費用算定基礎

  積算内容 測定単位 標準施設規模 ※ 積算額
(標準施設当たり)



小学校費 学校図書館図書 学級数 18学級 670千円
中学校費 学校図書館図書 学級数 15学級 1,146千円




特別支援学校費 学校図書館図書 学級数

226学級
(小・中学部)
2,012千円

※ 小学校費及び中学校費における標準施設規模は、標準的な学校一校を想定し、小学校にあっては学級数18学級、中学校にあっては学級数15学級と想定。
 特別支援学校費における標準施設規模は、標準的な行政規模の都道府県 (人口1,700,000人)を想定し、当該都道府県の特別支援学校小・中学部の学級数(総数)を226学級と想定。

【出典】財団法人地方財務協会『平成20年度地方交付税制度解説(単位費用篇) 』

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総合教育政策局地域学習推進課

(総合教育政策局地域学習推進課)

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