コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

平成19年度コミュニティ・スクール推進フォーラム事例発表(東京都世田谷区立砧小学校)

学校名 世田谷区立 砧小学校
所在地 世田谷区喜多見6-9-1
電話番号 03-3417-4476

1.なぜ「学校運営協議会」制度を導入したのか(個別の事情等)

 世田谷区では、平成9年度に、全国に先駆けて96校(当時)全ての小中学校に学校協議会を設置し、地域とともに子どもを育てる教育を推進してきた。
 学校協議会を設置する以前から、世田谷区では出張所毎の青少年地区委員会や中学校区に関係する方々との三校連絡会など、地域の協力を得ながら児童・生徒の健全育成を図る取り組みを進めていた。
 しかし、当時、「いじめ」「不登校」など教育現場での子どもたちの問題が新聞やテレビなど報道で大きく取り上げられ社会全体で問題になっていた。また、平成7年1月に阪神淡路大震災が発生し、その教訓から、災害時のときはもちろん、日頃から人と人とが心豊かにふれあうことの必要性が大きく叫ばれていた。さらに、子どもたちを取り巻く様々な環境が大きく変化したことで、子どもの育ちを学校だけでは解決できないことが認識されるようになり、開かれた学校づくりが急務となっていた。
 それらの解決に向けて、地域のために尽くしている町会・自治会・青少年地区委員会・商店街・民生児童委員・主任児童委員・青少年委員・そのほか地域の子どもたちの健全育成に携わっていた方々を構成メンバーとして学校協議会がつくられた。そして、児童・生徒の「健全育成」、「地域防災」、「学校教育の充実」の3つの柱を掲げ、人と人との関わりのあるまちづくり、各組織・団体のネットワークづくりを通して学校教育の改善を図っていった。子はかすがいである。教育の充実・発展を願う多くの人、組織、関係諸団体・機関が一同に集まれるのは、やはり学校であった。学校協議会フォーラムを毎年開催し、各協議会の実践を交流するエネルギーが、学校・地域に浸透し、大きな変革が始まった。
 平成18年度で10年目を迎えたこの「学校協議会」が、現在の「地域運営学校」の原点であり、目指していた方向性の到達点の一つでもあると考えている。
 本校も、地域とのこれまでのネットワークをさらに広げ、教育の充実・発展のために導入を決めた。

「フォーラム学校協議会2003」平成15年1月25日

「フォーラム学校協議会2003」平成15年1月25日

2.自校のコミュニティスクールの特色

(ここが他校とは違う点、ここは汎用性がある点等)
 まだ、はじまったばかりで特色といえる活動はまだ無い。しかし、本校の教育目標「よく考える子 思いやりのある子 からだをきたえる子 すすんで仕事をする子」のいわゆる「知徳体意欲」を学校だけでなく、家庭や地域においても推進していく方向が承認された。学校運営委員会(いわゆる学校運営協議会)が、プランナー集団としてアクションプランを立てていくように校長がコーディネートしていく。

3.過去の課題と克服方法

 今年度創立105周年を迎える本校に対する、保護者・地域の方々の思いも強く、「地域運営学校」への期待が大変大きい。ただ、学区域には5つの町会・自治会、2つの青少年地区委員会があるため、学校にコーディネーターを期待する雰囲気も強い。また、関わっている町会・自治会や青少年地区委員会は、他の複数の学校にも関わっていて、各学校に対する協力のあり方に苦慮している。
 昨年度より、世田谷区では中学校区を教育基盤とする小中合同学校協議会を立ち上げた。本校が創立した当時の学区域内に、現在、中学校3校、小学校5校がある。この8校の連携を推進するため、世田谷区立小中学校西部地区連合校長会を立ち上げ、本年度から、情報交換・課題の共有・解決策を探るなど本格的に進めている。保護者・地域にも、この取り組みを知らせ理解と協力を求めることで、各学校の保護者・地域の連携を充実していく。

第2回 学校運営委員会 

第2回 学校運営委員会

4.コミュニティスクールによる成果と携わっているものとしての実感(手応え)

(1)第1回学校運営委員会では、学校運営委員の方々が、具体的に子どもたちの育ちに携わる主体者としての機運が高まった。
(2)第2回目学校運営委員会では、職員会議に参加し互いの思いや考えを出したことで、協力・連携への意識が高まった。
(3)土曜参観での学校説明会で、学校運営委員を紹介し、地域運営学校の説明をしたことで、保護者の期待も膨らんできた。

5.今後に向けて(検討課題、取組予定等)

(1)具体的な実践内容決定と進め方の検討
(2)小中合同学校協議会と世田谷区立小中学校西部地区連合校長会の充実
(3)学校協議会、学校評議員、学校外部評価委員会との連携。

-- 登録:平成23年11月 --